鞍馬寺と奥の院と貴船神社へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2010年11月19日(金)


鞍馬寺と奥の院と貴船神社へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

鞍馬寺。
源義経が幼名・牛若丸の頃、「天狗」に剣術を習ったことで有名な寺ですが、
北部+標高の高さゆえ、市街地より一足早く紅葉が楽しめる点でも親しまれています。
そして、その筋の方々からは宇宙から飛来した魔王尊を祀るパワースポットとしても、人気です。
鞍馬寺、もともとは天台宗の寺でした。が、1949年に鞍馬弘教の総本山として独立。
現在は毘沙門天・千手観世音・護法魔王尊の三身一体を「尊天」と称し、本尊としてます。
いわく、毘沙門天は太陽の精霊、千手観世音は月輪の精霊、魔王尊は地球の霊王、と。
で、その三つが合体した「尊天」こそが「すべての生命を存在させる宇宙エネルギー」だそうです。
えと、宇宙というのは、何というか、宇宙です。エーテルがあることになってるかもしれない、宇宙です。
私が言ってるんじゃないですよ。先方がそう言ってるんだから、しょうがないじゃないですか。
境内のケーブルに乗ると、豊かな自然を眺めながら「宇宙エネルギー」を説明してくれるのが、
天狗よりも、最近よく出るという熊よりも、ある意味怖い、鞍馬寺。
紅葉スポットは本殿金堂周辺で、紅葉狩りだけならこの辺を見るだけで十分ですが、
もっと山奥に入ると、650万年前に金星人が降り立ったポイントである奥の院魔王殿があり、
そこを巡る山道=奥の院コースもまたハイキングコースとして人気があります。
えと、金星人というのは、何というか、金星人です。六星占術の金星人ではない方の、金星人です。
私が言ってるんじゃないですよ。先方がそう言ってるんだから、しょうがないじゃないですか。
奥の院を抜けると、そこは、貴船。ここも、鞍馬と同時に紅葉シーズンへ入ります。
というわけで、鞍馬・奥の院・貴船を歩き通し、紅葉と金星人をいっぺんに堪能してみました。


14:45、叡電で鞍馬に着いたの図。出発時は空いてましたが、宝ヶ池からおばさま大量乗車。
言葉使いや話の内容から、大型バスで来られた方々のようです。八瀬か大原からの移動でしょうか。
通勤電車並みの混み方で、途中の秋の叡電名物「もみじのトンネル」も全く見えず。


疲れたので、多聞堂の牛若餅で栄養補給しようとしました。が、あいにく売り切れ。
腹減ったまま仁王門を抜け、拝観料ではなく愛山費200円を払い、ケーブルの駅へ向かいます。
あるんですよ、ケーブル。宗教法人で唯一の鉄道事業者っていう。ちっこいけど。
が、ちっこいゆえか混雑に対応しきれず、平日なのに堂々の25分待ち。


もちろんケーブルなど待たず、約30分、かなりの坂道を登ります。
「鞍馬の火祭り」で有名な由岐神社をゼーゼー言いながら通り過ぎ、「大自然」の中を金堂へ。
秋口だと、汗をかくのと、その後の体の冷えを配慮しといた方がいいかも知れません。
登山の道中は、人少なめです。観光丸出しな方々は、ケーブルを根気よく待ってるんでしょうか。


あ~、よっこいしょっ。本殿の手前まで来ました。見事に、紅葉です。
澄んだ空気の中で美しい色彩を眺め「心しずかな安らぎのひと時」を過ごしたいところですが、
あいにく心臓と肺がバックバクいってるので、全く平穏な気持ちになれません


もうひと踏んばりして、あ~、よっこいしょっ。やっぱり見事に、紅葉です。
もうちょっと良いカメラと良い腕があれば、多少は現場のきれいさが伝わるんでしょうけどね。
自力で登ると、より御褒美感が増すというものです。


で、とりあえずお参りです。まるで神社のような見た目を持つ、本殿金堂
中では、千手観音菩薩・毘沙門天王・護法魔王尊の三身一体「尊天」が、奉安されてます。
ちなみに魔王尊、年齢は16歳。地球の人間とは異なる元素で出来てるため、歳をとらないんだとか。
私が言ってるんじゃないですよ。先方がそう言ってるんだから、しょうがないじゃないですか。


金堂前の六芒星には、イスラエルとかシリウスとか言ってる人が集まるわけでもなし。
いるのは中高年グループ、中高年夫婦、そして時ならぬ山ガール一派など、普通の人たちばかり。
山ガール、このあと奥の院にも突入。山中の静寂を笑い声でかき消しまくってました。


紅葉を堪能したあとは、金星人のUFO着陸ポイントへ向かいます。
本殿金堂の左手、光明心殿の奥から奥の院コースはスタート。
与謝野鉄幹・晶子歌碑霊宝殿を通り過ぎたところで、かような気迫みなぎる山道が現われます。
参拝にあたっての注意一覧。マムシ、毒虫、クマ、そして人間。怖いものだらけです。


地蔵堂僧正が谷不動堂義経堂、そして魔王殿をつなぐ、奥の院コース。
コースといっても、けもの道状態、爆裂です。大自然を必要以上に感じることができます。
左は御存知、この地で天狗と剣の修行を行った義経を祀る、義経堂。右も御存知、木の根道


20分ほど歩いてたどり着いた、奥の院魔王殿
650万年前に金星からこの地へ降り立ったという護法魔王尊 = サナト・クマラを祀ってます。
何でそんなことになってしまったのかはよくわかりませんが、とにかくそういうことになってます。
「クマラ」と「クラマ」が、よく似てるからでしょうか。


魔王殿は、中も周囲も、特に金星な霊気が漂ってる感じはありません。
チラホラとそれ系な感じの方を散見する程度。普通と言えば、すごく普通なお堂です。
しかし、どんなものも好きなように読み替えできるのが人間のイマジネーションであり、
そのイマジネーションを集中的に誘発する点では、やはりここには何かがあるんでしょう。


魔王殿をあとにして、貴船側の西門を目指します。
かなり急な下り坂の山道には、やはり過剰なまでにマイナスイオンと宇宙エネルギーが充満しまくり。
途中、宇宙エネルギーでひん曲がった大木が道に覆いかぶさってました。イマジネーションです。


魔王殿から15分ほどで、鞍馬寺の西門に到着。坂のきつさで、結構、ヘロヘロです。
ここから鞍馬寺を目指し険しい山道を登る方が、かなりいました。絶対、しんどいと思います。
ちゃんと愛山費を徴収してる西門を通り、貴船川にかかる小橋を渡れば、
そこは川床の出る避暑地として、そして紅葉の名所としても有名な、観光地・貴船。


貴船の中心である、貴船神社でございます。
独男には特に関係ありませんが、縁結びの神としても有名です。
そして、これも独男には特に関係ありませんが、縁切りの神としても有名です。
上流の奥宮では、わら人形に五寸釘を打ち込み呪咀神に信仰を捧げる丑の刻参りなんてのも、
こっそりやってるとかやってないとかで、全国的に名を馳せてます。


山歩きで腹が減りましたが、さすがに観光地、安そうな店がありません。
なので、徳永秀明のカバーものが延々と流れる露店で「料亭のおでん」600円なりを食らいます。
食うだけ食ったら、立ち並ぶ朱塗りの春日灯籠が立ち並ぶ参道石段を登り、参拝です。


本殿および社務所の前へ行くと、急にカップル率が上昇。
社務所は17時には閉まると思ってたので妙だなと思ってたら、ライトアップをやるんだとか。
貴船神社名物の水占いが、なかなかの繁盛ぶりを見せてました。
独男がやってみるのも、いいかも知れませんね。架空の相手との縁結びを、祈願したりね。


で、お参りしたら、とっとと退散です。
ライトアップのカップル率もリサーチしておきたいところですが、日が暮れるとここ、マジで寒い。
夜を想定した格好をしてなかったので、震えながら、脱出。叡電貴船口駅を目指します。
もちろん、徒歩で。道中ポツンと光るライトアップが、非常に美しいです。


約2キロの道を30分ほどかけて歩き、駅に到着。
あ、もちろんバスは出てますよ。バス代ケチるカップルや中高年夫婦とたくさんすれ違ったけど。
聖と俗と、あと何かよくわからんものが、激しく交錯するお出かけでございました。

客層は、若年女性グループと中高年女性グループが多い感じでしょうか。
といっても突出して多いというわけではなく、他の層もそれなりにいます。
貴船を除けば、カップル率は低め。その貴船も、特に色気爆裂という感じはありません。
いわゆる「濃い」人が大騒ぎしてるということもなく、基本は穏やかで静かなところです。
単独は、普通の男性と、ちょっと濃いめの女性がいるくらい。
混み加減も、団体を上手くかわせば、さほど問題にはならないでしょう。

そんな、鞍馬寺と奥の院と貴船神社の紅葉。
好きな人と見たら、より紅葉なんでしょう。
でも、ひとりで見ても、紅葉です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:2
女性グループ:2
男性グループ:若干
混成グループ:0
修学旅行生:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:2
中高年団体 or グループ:2
単身女性:微量
単身男性:若干
【ひとりに向いてる度】
★★★
カップルはまあまあいるが、色気のプレッシャーはさほどない。
人圧のプレッシャーも、よっぽど運が悪くなければ問題なし。
ただ、イマジネーションが豊かな人には、
いろいろと大変なものが見えて大変かも知れない。

【条件】
平日金曜 14:45~17:30

 

鞍馬寺
京都市左京区鞍馬本町1074
9:00~16:30
叡山電車 鞍馬駅下車 徒歩約5分
山頂の本殿へは、ケーブル2分+徒歩約10分
or 徒歩のみ30分

鞍馬寺 – 京都観光Navi
鞍馬寺 – Wikipedia
 
 
貴船神社
京都市左京区鞍馬貴船町180
6:00~20:00 (社務所は9:00~16:30)
叡山電車 貴船口下車 徒歩約30分
京都バス 貴船下車(冬季は土日祝のみ運行)
徒歩5分

貴布禰総本宮 貴船神社 – 公式
貴船神社 – Wikipedia

京都・貴船 – 貴船観光会