将軍塚のライトアップへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年3月27日(日)

京都市街上空を飛ぶヘリ
将軍塚大日堂庭園のライトアップへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

いきなりベトナム戦争なトップ画像、恐縮です。
別段、このヘリが将軍塚へ降りてくるというわけではありません。たまたま飛んでただけです。
ただ、こんな写真が簡単に撮れるくらい、将軍塚は結構な山の上にあるということであります。
平安京造営に際し、征夷大将軍・坂上田村麻呂の像を埋め王城鎮護としたという、将軍塚。
桓武天皇はここから下界を見下ろして平安遷都を決めたというほど眺望が良好な、将軍塚。
しかし時が下った現代ではその眺望が仇となり、京都有数のドライブ&夜景スポット化。
夏ともなれば、無料展望台を目指して不埒な輩が夜ごと車で東山ドライブウェイを駆け上がり、
思い出を持って帰る代わりに道沿いへゴミを不法投棄したりする地となりました。
しかし現在の将軍塚、果てしなく俗化&劣化してるかといえば、そんなこともありません。
徒歩アクセスは今もなお困難を極め、己の足で訪れる者には未だ強い聖性を保持。
それに将軍塚本体は、青連院飛地境内にあたる大日堂が有料区域に入れ、しっかりガード。
ここには有料の展望台と庭園もあり、春と秋には庭園のライトアップなんかも開催しますが、
認知度は低く、隠れたパワースポット(笑)としての存在感もキープ。
もちろん桜が本咲きになればそれなりに人は来るので、その前に聖なるライトアップを楽しもうと、
芽さえ出てない時期にひとり、山を登ってみました。もちろん、徒歩で。

長楽寺の門
徒歩で将軍塚へ行く場合、円山公園の奥の長楽寺から向かうのがよろしいようです。
「地球の歩き方」京都特派員の方が、そう書かれてました。
なので、安易な私は安易に真似して、同じルートの踏破を目論見ます。
閉ざされた長楽寺の門、その左にある石段を登ると、現われるのは公園みたい場所。
そこをさらに奥へ進みます。

「将軍塚道」という道標聖天堂
公園奥にある「将軍塚道」という道標。もちろん、ここをのぼっていきます。
しばらく行くと聖天堂へ到着。ここから先は完全に山道です。

山道の三叉路
地蔵が点在する急な山道を登っていくと、三叉路に出ます。
片方は「東山山頂+粟田口」、もう片方は単に「東山山頂」。
単に「東山山頂」の方は平坦気味だったので、そっちへ進みました。

大日堂山門
しばらく楽に歩いてると、あっけなく到着。この門のわきあたりに、山道は出ました。
トータルタイムは15分くらいでしょうか。大日堂、青蓮院とは違ってかなりいなたい雰囲気です。

大日堂本堂
お堂の中にいるのも坊さんではなく、住み込みらしき老夫婦と孫っぽい子。
近づくと、棒で窓を開け「桜まだ咲いてないで、気候のことはおっちゃん何ともならんで」。
「ライトアップ、やりますよね?」と訊くと、「やるやる、でもまだ明るいしな。暗なったら、やるわ」。
そんなテイスト。開花前なのは承知で来てますから、500円払って庭園へ入ります。

夕暮れの西展望台
「北展望台から行きなさい」という爺ちゃんの教えに背いて直行した、西展望台。
無人です。高さ十数メートル、京都市街を見下ろせるにも関わらず、無人です。
しばらくすると、若年混成3人組が現われましたが、しばらくすると、またいなくなりました。

夕暮れの北展望台
北展望台。こちらも、無人です。ひたすら冷たい風が吹いてました。
夕陽に染まる市街地上空を、トップ画像のヘリが飛んでたので「何かいな」と思ったんですが、
この日のこの時、河原町のランドワンの屋上が火事があったそうですよ。

枝の庭園
暗くなってきた頃、爺ちゃんがスイッチオンしたのか、ライトアップスタート。
まだ陽が暮れきってませんが、青蓮院の青にかけて、空が青いうちから撮ってみました。
しかし、何を試みようとも木を照らしてるだけなのには違いありません。

将軍塚本体
将軍塚。国家が危機に瀕した際、鳴動すると言われています。
太平洋戦争が起こる直前にも、鳴ったそうです。最近は鳴ったという話は、聞きません。

将軍塚から見た京都の夜景
街の照明が点いた頃、もう一度展望台に行き、夜景を望む。
「だから何だ」という思いでいっぱいになる夜景であります。

枝々のライトアップ①枝々のライトアップ②
枝々のライトアップ③枝々のライトアップ④
栄枯盛衰の永い歴史を感じながら見る、美しき枝々のライトアップ。
そして、東郷元帥や大隈重信のお手植え松なども、ライトアップ。

大王松と庭園
展望台が無人ですから、庭園だって無人です。
三つの願いが叶うという大王松、そして中根金作による将軍塚枯山水庭を独り占めしながら、
こんな時にこんな所で何してるんだろと根源的懐疑に捉われそうになったので、帰ります。

市営の無料展望台
大日堂を出て立ち寄った、市営の展望台。こちらは無料のためか、若干人がいました。
もちろん皆さん、車で来てます。何故なら、車じゃないと凄く不便だからです。
でも私はこれから、歩いて帰ります。何故なら、車がないからです。

東山ドライヴウェイをナイトウォーク
夜の山道は危険だし怖過ぎるので、帰りの道は東山ドライヴウェイを、ナイトウォーク。
時おり轢き殺されそうになりながら、真っ暗な坂道を蹴上に向かって歩きます。
ちなみにここ、二輪は走れません。この時も、バイクの2人乗りが警察に捕まってました。

人がいないので、客層うんぬんは省略します。
桜のシーズンか夏場にでも、またひとりで突っ込んでみたいと思います。

そんな将軍塚庭園ライトアップ。
好きな人と観たら、より王城鎮護なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、王城鎮護です。

青連院門跡の提灯
【ひとりに向いてる度】 (客層表記について)
★★★★
ここには人間なんかいないよ!

【条件】
平日日曜 17:30~19:45

青蓮院門跡 別院 将軍塚
京都府京都市山科区厨子奥花鳥町28
通常拝観 9:00~17:00
ライトアップ 17:00~21:30
地下鉄東西線蹴上駅下車徒歩30分
(ただし徒歩アクセスは困難)

公式 将軍塚について | 天台宗 青蓮院門跡

夜間の特別拝観 | 天台宗 青蓮院門跡