2011年への年越しを、京都で迎えました。もちろん、ひとりで。 【3】

2011年1月1日(土)


2011年への年越しを、京都で迎えました。もちろん、ひとりで。 ラストです。


終夜運転の京阪に乗ってやってきた、5時半の下鴨神社。
そういえば出町柳のあたりでは、臨時運転の市バスがまだ走ってました。
人、そこそこいます。といっても、初詣帰りの学生っぽいはしゃいだ男集団&混成グループ、多し。


相生社前の見事な雪かぶり木。そして終夜営業の巫女さんたち。
歳旦祭を目当てに来た感じの人は少なく、むしろ帰る人の方が多い感じです。
私もとりあえず初詣を済ませ、何をやるんだろうとか思いながら、6時の開始を待ちます。


で、6時、歳旦祭が始まりました。
アナウンスを聞いたわけではないので、これが歳旦祭なのかどうかは知りませんが。
とにかく元旦のまだ暗いうちから、下鴨神社では河村家一門による謡曲初めが行われるのです。


ひたすらに謡い続ける、紋付袴姿の人たち。
舞はなしで、とにかく謡い続けます。吐く息が、衝撃的なまでに、白い。
斜めを向いて座ってるのは、もちろん本殿の神様に奉納するため、だと思います。人、居るけど。


いいもの見れたと思いますが、生憎私には能の教養はありません。
闇夜+雪の中で聴く謡は極めて神聖な響きを放ってますが、何より寒い。見てられない。
というわけで、火鉢完備の茶店へ逃亡。生姜が効いた甘酒200円なりは、麹も濃厚で、美味。


甘酒補給で暖を取ってから、橋殿に戻ってきた6時40分。
まだまだ座ったままで謡い続ける社中の皆さんの向こうで、陽が上り始めました。
明け方の空と積もった雪が、凄い景色を見せてくれます。ヘボな写真では何にも伝わりませんが。


しばらくすると、一人が仕舞を始めました。
謡う声と、床を踏む音が、雪でしんとなった空気を切り裂きます。
ちなみに見物人は、10~20人ほど。改めて、とんでもないものを見てる気がしてきました。


7時前、すっかり夜が明け、真っ白さが露になった境内。
雪に覆われた太鼓橋を横目に、仕舞の奉納はさらに続きます。実に、とんでもない。
でもやっぱり私には能の教養は全然ないので、もったいないけど逃亡させてもらいます。


出町柳まで戻ってくると、ちょうど、初日の出。
京都は中途半端な山に囲まれてるため、さほどドラマチックな初日の出は楽しめませんが、
雪が積もってる状態で見ると、それなりに映えるもんです。鴨川&出町デルタには見物人、多し。


出町橋から見た、北山方面。
完全なる「どこの高山都市やねん」状態。雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪雪、です。


で、また京阪に乗って戻ってきました、祇園四条。
元旦早朝の人のいない南座前と花見小路を歩いて、六波羅蜜寺の皇服茶へ向かいます。
このあたりも昨日は雪が積もってましたが、さすがにかなり溶けたようです。


とか思ってると、まだまだ真っ白だった建仁寺。
ハイエナのような観光客もカメラマンもおらず、近所の人がのんびり散歩してるだけの境内は、
ある意味、シュールでさえありました。摩利支天堂の初詣案内を見ながら、さらに南へ。


頭に雪を積んだ地蔵に出迎えられ、六波羅蜜寺に到着。
皇服茶は開祖である空也由来、無病息災のご利益があり、正月三が日に授与してもらえます。
境内では福徳自在初稲穂の授与もやってて、早朝ながら結構な人出です。


小さい梅と小さい結昆布が入った、皇服茶。
奉仕の人が持ってきたお茶と300円を交換するシステムです。おまけのお守り付き。
客は、若い家族連れと年配の家族連ればっかり。カップルどころか、若者自体あまりいません。


無病息災のご利益を得て六波羅蜜寺を辞し、
いい加減疲れたのでネカフェで休もうと思い、四条へ向かう途中に見た、団栗橋からの鴨川。


逆サイドから見た、鴨川。


で、四条のポパイについたら、夜と同じく満席。
なので、やはり夜と同じく三条のポパイまで歩き、やはり夜と同じく通常料金で入る。
元旦に、暗くて狭いブースでひとりで食べる「ふんわりダブルシュークリーム」は、最高です。


11時過ぎ、ポパイを出て、平安神宮へ。
初詣客で混みまくってるですが、だからこそ特攻をかけなくてはいけません。寝不足で眩暈するけど。
そんな私の燃え上がる情熱を感じてか、だいぶ溶けてしまった、橋の雪。


何故か大量にある津山ホルモンうどんの屋台を見ながら、
歩行者天国になってる神宮道の真ん中を通って、平安神宮・応天門へ。
本格的に雪が溶け始めたので、応天門の下、直撃くらうと怪我しそうなほどの雪崩ラッシュ。


真っ白な、元旦の平安神宮。当然ながら、無茶苦茶混んでます。
ただ、プレッシャーの類は案外と薄め。観光客風も多いですが、雰囲気は穏やかです。
といっても数はあくまで多いので、お参りは大変ですが。私は並ぶの嫌いなので、諦めました。


東側の神楽殿では、京都能楽会による初能奉納中。
次第を見ると、何となくありがたそうな名前が並んでますが、やはり私にはわかりません。
でも無料なので、しっかり、とことん、見ていきます。


案外空いてる、神楽殿。中は、死ぬほど寒いです。
中高年の方々は熱心に観覧されてますが、私はこの寒さでもう、ギブアップ。
地元の八幡さんにもお参りしないといけないし。ひとり年越し、これにて打ち止めでございます。

「京都で年越し」みたいな観光宣伝が多い昨今ですが、
他のシーズンやイベントに比べると、やはりどこも観光客は若干減る感じでしょうか。
もちろん、清水寺など行くところへ行けば、しかるべき層が観光ハイで大暴れしてるわけですが、
多くの場所ではさほどプレッシャーは感じず、ネイティブよりの正月が味わえました。
実家に帰るのをやめてまで来るほどのもんでもないとは思いますが、
諸般の事情で帰れんという方や、海外などの遠出する元手がないという方は、
一晩中ウロウロしてみるのもいいんじゃないでしょうか。

そんな、京都の年越し。
好きな人と越せば、よりゆく年くる年なんでしょう。
でも、ひとりで越しても、ゆく年くる年です。
 
2011年への年越しを、京都で迎えました。もちろん、ひとりで。 【1】
2011年への年越しを、京都で迎えました。もちろん、ひとりで。 【2】
2011年への年越しを、京都で迎えました。もちろん、ひとりで。 【3】

2012年への年越しを、京都で迎えました。もちろん、ひとりで。 【1】
2012年への年越しを、京都で迎えました。もちろん、ひとりで。 【2】

2013年への年越しを、嵐山で迎えました。もちろん、ひとりで。 【前篇】
2013年への年越しを、嵐山で迎えました。もちろん、ひとりで。 【後篇】

2014年への年越しを、京都で迎えました。もちろん、ひとりで。


下鴨神社
京都市左京区下鴨泉川町59
6:30~17:00 元日0:00開門

京都市バス 下鴨神社前下車すぐ
京阪電車 出町柳駅下車 徒歩約10分

世界遺産 下鴨神社 – 公式
賀茂御祖神社 – Wikipedia

六波羅蜜寺
京都市東山区五条通大和大路上ル東
8:00~17:00

京都市バス 清水道下車 徒歩約7分
京阪電車 清水五条駅下車 徒歩約7分
阪急電車 河原町駅下車 徒歩約15分

六波羅蜜寺 – 公式
六波羅蜜寺 – Wikipedia

平安神宮
京都府京都市左京区岡崎西天王町97
6:00~17:00 大晦日は終日開門

京都市バス 京都会館美術館前下車すぐ
市営地下鉄 東山駅下車 徒歩約10分
京阪電車 神宮丸太町 or 三条下車 徒歩約15分

Heian Jingu Shrine / 平安神宮 – 公式
平安神宮 – Wikipedia