阿含の星まつりへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年2月11日(金)


阿含の星まつりへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

阿含の星まつり。
名前の通り、かの阿含宗が開催する宗教行事であります。
何故、阿含宗の行事を京都でやるのかといえば、総本山が京都にあるからであります。
清水寺の向こう、心霊スポット・旧東山トンネルの奥にゲートがある、総本殿・釈迦山大菩提寺。
単なる山奥みたいなその聖地に於いて、毎年建国記念日に行われるのが、星まつり、と。
正式名称である 「炎の祭典・阿含の星まつり 神仏両界大柴燈護摩供」 の通り、
総本山境内地にて超巨大護摩が、大炎上。それも、神仏両界分2つの超巨大護摩が、大炎上。
その浄火は、民の業苦を焼き尽くすかのように天空へ向け高く高く舞い上がり、
その煙は、遠く離れた市街地からでも確認できるほど迷惑、もとい、物凄かったりします。
しかし、星まつりが真に凄いのは、その圧倒的な動員力。参拝者は、何と50万人にも及ぶとか。
ちなみに、かの祇園祭・宵山の動員数でもだいたい、40万人。余裕で越えてるのです。
観光都市・京都にあって、数字が本当なら最大級のイベントである、星まつり。
その割には、観光案内各種では黙殺され味なのは、何故なんでしょう。不思議だなあ。
煙のみならず花火もバンバカ上がるわ、京都駅では山伏がウロウロしてるわ、
黙殺しようのない有様ながら、でも黙殺気味なのは、何故なんでしょう。不思議だなあ。
そのあたりの不思議さを探るため、というのは嘘で本当は純粋な興味本位で、
京都駅発着のシャトルバス乗り場へ早朝から出向きました。


出向いたのはいいですが、肝心のバス乗り場がどこか、わかりません。
時間は、朝の7時少し前。バスは7時から運行とアナウンスされてますが、早かったか。
観光案内所やバス案内所で訊いてみましたが、いずれも 「知らん」 「わからん」 と言うのみ。
迷った末、八条口(南口)で見かけた山伏に近づくと、そこがバス待ちの行列でした。


車輌はいわゆる路線バスではなく、高速バス。
80台ほどチャーターしまくり、ひっきりなしに発着してます。車内はいずれも、満員。恐ろしや。
運賃は片道300円。精算は着いた本山で行うので、小銭の用意や両替は不要です。
当日は、雪。薄く積もった雪景色を車窓に見せながら、バスはR1へ入り、東進。


15分ほど走り、東山トンネルを抜けたところで、バスを下ろされました。
山伏のウェルカム法螺貝を聞きながら清算を済ませ、ここからは会場までは、徒歩。
かなりの距離+かなりの坂+かなりの雪ですが、徒歩です。風林火山の心で、徒歩です。
道沿いには、信徒さんが案内兼サポート兼監視で立ち、「お帰りなさいませ」と出迎えてくれます。


15分ほど歩いて辿り着いた、会場、すなわち結界。
うっすらと雪化粧した二つの護摩壇は、どっちかが神界壇で、どっちかが仏界壇。
元は神界壇だけだったそうですが、一般客が増加するに連れ、連れ込まれる不成仏霊も増加。
それため、解脱成仏壇も作ったそうです。なるほど。で、どっちが仏界壇なんでしょう。


護摩への点火は8:30~9:00となってますが、
それに先駆けて7時半頃から、神事やら仏事やら各種奉納やら山伏問答が行われます。
『ゴジラ』 と 『ET』 を足したような黛敏郎・作曲 『星まつり序曲』 が爆音で響く中、まず山伏、登場。
音響の良さに呆れるほど感心してると、かの阿含宗管長・桐山靖雄大僧正猊下、登場。


雪の中、山伏たちに運ばれてくる管長。
ロンドン大学SOAS名誉フェロー、モンゴル国立大学学術名誉教授・名誉哲学博士、
チベット仏教ニンマ派仏教大学名誉学長・客員教授、サンフランシスコ大学終身名誉理事、
中国国際気功研究中心会長、日本棋院名誉九段などなど、凄い量の肩書きを持つ方でございます。


管長が登場しても、まだまだ点火は始まりません。
雪の中を一時間ほど、神事各種・奉納太鼓・山伏問答などが延々と繰り広げられます。
護摩壇はもはや、真っ白。ちゃんと燃えるのか心配になってきました。


で、9時10分、いよいよ点火。
法螺貝が響き渡る中、松明持った兄ちゃんたちが絶叫しながら護摩壇に、突進。


雪なにするものぞとばかり、点火して間もなく、炎、発生。


炎、爆発。


炎、膨張。


火事以外では滅多に見ることができない、巨大な炎。
このあたりから結界周辺の混雑は凄くなりますが、雪の方も全く止む気配なし。
傘で目を突かれる危険と隣り合わせで浄火を拝みながら、やっぱり火の力は偉大だなあと。
よくよく考えれば、ただ単に燃えてるだけ。花火でさえ、ない。なのに、この迫力、吸引力。


2つの護摩壇の間で働く山伏たち。
おそらく、いや間違いなく、灼熱地獄であることが想像されます。
何せこの雪景色にあっても、客席の火付近は暖かいですから。いや、はっきり言って、暑い。
安全圏の観客でさえそう感じるくらいですから、至近距離だと如何ほどの地獄かと。


炎から煙がとれたあたりから、音曲奉納が始まります。
出てきたのは、信徒さんらしき人たちの修験太鼓、そしてニューエイジ系のユニット。
太鼓、アレンジもテクもバキバキ、恐ろしや。ニューエイジは、胡散臭さが実にニューエイジ。
共に新興宗教テイストを濃厚に感じさせてくれ、味わい深いものがありました。


すっかり本燃えになった、神界壇と仏界壇、2つの浄火。
不成仏霊を焼いてる方が、仏界壇です。炎へ吸い込まれていく不成仏霊が、見えるでしょう。
あ、見えませんか。実は私も、全く見えません。すんません。本当に、どっちがどっちなんでしょうね。
客席は相変わらず、満員。柵の前に陣取ってないと、歩きながらでしか見物できません。


とはいえ火が安定してくると、総本殿を見物しようと移動する客も、多出。
結界周辺では目立った動きがなくなったっぽいので、私も釣られて移動しました。
護摩会場から総本殿の間には、護摩木やらお守りやら特別加持やらの店が、物凄い勢いで林立。
売る人もコスプレ全開で気合が入ってる人、多数。気の圧が凄く、正直歩いてるだけで疲れます。


売ってるものは宗教グッズのみならず、食い物店もあり。
「管長猊下御草案アゴン・ベイシック・サプリメント」 にて、おにぎりを買いました。
何故か奈良&和歌山のスーパー・オークワ製。それなら、めはり寿司や柿の葉寿司も売ってくれ。
あ、もちろん管長猊下の本の販売コーナーもしっかりありましたよ。


出ました、阿含宗総本殿・釈迦山大菩提寺。
18年の歳月と30万人の匠が関わったという、20世紀最大の日本式寺院建築です。
20世紀に建設された日本式寺院がどれくらいあるのかは知りませんが、とりあえず巨大です。
中では、やはり巨大な京都大仏を有料公開中。横の神楽苑では、雅楽をやってました。


「アゴン・パビリオン」 なる建物では、「密教占星術」 コーナーを設置。
メインは阿含宗および星まつりの紹介展示だそうですが、占いもある、と。当たる、と。
「脅威の的中率を誇る」 そうです。 「ズバリと占う」 そうです。やったかって、いえ、やってませんよ。
それより何か、疲れてきました。雪で足元が悪いのもありますが、心が何か、疲れてきました。


というわけで、帰ります。
沿道へ立つ信徒さんの中に 「やってらんね」 モードの人がいると妙に安心したり、
星まつりポスターを見て 「この異常に顔の濃い男前は一体どこの誰だろう」 とか思ったりしながら、
護摩会場まで戻ってくると、温度調節なのか、山伏がエンドレスで水をかけまくってました。


時間は、11時。この頃になると、火は安定してて、正直、地味。
ですが、会場の客はかなり残ってます。というか、新規に来る客はむしろ、多し。
そりゃまあ、そうですね。こんな雪の日に、早朝から出かけようという人は、そういませんよ。
結界をあとにして、もと来た山道を歩き、再びシャトルバス乗り場へ向かいます。


坂を登る新規客の 「しんどい」 を何度も聞きながら、
山伏が交通整理してたりするシャトルバス乗り場まで帰ってきました。
帰りは旧東山トンネル→清閑寺→清水寺のルートで歩いて帰ろうかと思ってたんですが、
本当に何かもうしんどいので、また300円払い、やはり満員のバスへ乗り込みます。


R1脇に屹立する星まつりオブジェに別れを告げ、
確か十条経由の遠回りで京都駅・八条口へ着いたのは、もう昼の12時。
しかし周辺には、チャーターされたバスがまだ大量に溢れてました。何せ、「50万人」 ですから。
とてもそんなにいたとは思えないけど。不成仏霊もカウントしてるんでしょうか。恐ろしや。

客層は、烏合の衆。
メインは当然ながら中高年ですが、他の層もほぼほとんどが揃ってます。
カップルは、少なめ。案外ちょくちょく見かけますが、色気のプレッシャーは、なし。
若い男性グループ+女性グループも若干いましたが、観光地のような浮ついたノリは、一切なし。
客の信徒率がどれくらいかは、ちょっと、わかりません。
わかりやすく旗を上げてる人や、山伏など各種コスをしてる人も多いですが、
単純に火が見たい一般客も多く、場違い感や浮きを感じることは、さほどありませんでした。
しかし、他の寺や観光スポットなどとは、明らかに雰囲気は違います。
何がどう違うのかは表現し難いですが、とにかく違うというか。
ひとりものにとって気がかりな勧誘の類は、なし。私が無視されただけかも知れませんが。
信徒さんの雰囲気を見るに、あくまでイベントとしての割り切ってる感じ、多大。
一般客の無礼・非礼・マナーの悪さを咎めるのも、見かけませんでした。

そんな阿含の星まつり。
好きな人と行ったら、より風林火山なんでしょう。
でも、ひとりで行っても、風林火山です。

阿含の星まつり2011へ行ってきました。もちろん、ひとりで。
阿含の星まつり2012へ行ってきました。もちろん、ひとりで。


【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:0.5
男性グループ:0.5
混成グループ:若干
修学旅行生:0
中高年夫婦:3
中高年女性グループ:1
中高年団体 or グループ:3
  (子連れはいるが、多世代家族は少ない)
単身女性:若干 (妙齢)
単身男性:若干 (おっさん+カメラ)

【ひとりに向いてる度】
★★★
プレッシャーの類は、特になし。
基本、一人で安心して楽しめるだろう。
ただし、雰囲気は何か、疲れる。

【条件】
祭日金曜 6:50~12:00

阿含の星まつり
毎年2月11日、阿含宗本山境内にて開催
京都市山科区北花山大峰町17-5

京都駅八条口からシャトルバスで15分
京阪バス 上花山花ノ岡町下車 徒歩約3分

先祖供養の総本山 阿含宗 – 公式

阿含宗 – Wikipedia