北野天満宮の梅花祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年2月25日(金)


北野天満宮の梅花祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

学問の神様と呼ばれる、平安時代のエリート・菅原道真。
実際に頭が良く有能であり、それゆえ家格を超え右大臣にまで昇進した、菅原道真。
しかしそれが面白くない藤原時平により謀略を企てられ、大宰府へ流され、死んだ、菅原道真。
生きてるうちは配流も困窮も我慢した道真でしたが、死後は雷神と化し、京の街を呪いまくり。
首謀者・時平のみならず、陰謀関係者各位へ片っ端からヴードゥースプラッターをお見舞いし、
ビビりまくって名誉回復を決めた朝廷にもブチ切れ、遂には雷で御所をストライクアタック。
焼死体続出の惨状を見せつけられた醍醐天皇は、のちにショック死。
頼むからもう勘弁してくれと、朝廷は道真を主祭神とする北野天満宮を造営。
で、道真の命日である2月25日には、道真が愛した梅を大々的にフィーチャアした祭りを開催。
それが、この梅花祭なのであります。恐るべき因縁を持つ祭なのであります。
なので、本来は呑気に梅の観賞などをしてる場合ではありません。
縁日に並ぶ露店で、呑気に鯛焼きや回転焼きなど食ってる場合でもありません。
何故か毎回やってきて、楼門前に陣取る富山ブラックラーメンを食ってる場合でもありません。
ちゃんとお参りしないと、呪われるのです。雷を落とされるのです。大変なのです。
で、私は祈ってきました。祈るためだけに、天神さんへ出かけてきました。
偉いのです。真面目なのです。そしてひょっとすると、暇なのです。


いつも通り参道に屋台が並ぶ、天神さんの日の天神さん。
しかし呪いを恐れる民は、食い気そっちのけで我先に社殿へ向かいます(嘘)。
北野天満宮に着いたのは、午後過ぎ。なので、梅花祭の神事各種はとっくに終わってました。
上七軒の芸妓さんたちがお手並を披露するという野点も、とっくにチケット完売。


普通にお祈りして、何か買い食いして帰ってもいいんですが、
それではあまりにも普通の天神さんと変わらないので、梅苑へ寄ることにしました。
約50種1500本の規模を誇る、北野天満宮の梅苑。でも受付に張り紙には 「五部咲き」 の文字。
大丈夫かなとか思いつつも、600円払って中へ。チケットは、茶菓子付きです。


で、(゜x ゜) 梅ー。


(゜x ゜) 梅ー。


(゜x ゜) 梅ー。


(゜x ゜) 梅ー。


(゜x ゜) 梅ー。


右、(゜x ゜) 梅と布ー。左、(゜x ゜) 多分梅ー。


(゜x ゜) 梅ー。
「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」。
早く咲かないと道真に呪われるとでも思ったのか、ギリセーフの咲き加減を見せる、梅苑。
天気は曇りで、西風強し。満開になる前の花を、強風が吹き飛ばしていました。


もうひとつな梅苑を満喫したあとは、さあ、茶菓子食お、茶菓子。
超満員の茶席にて、入場券についた半券をもぎってもらい、お茶を茶菓子をいただきます。
茶席をやってるのは、すぐ近所の有職菓子御調進所・老松。もちろん出る茶菓子も、老松謹製。
やはり名物である七軒だんごや酒饅頭など、有料オプションメニューもあり。


麩焼煎餅・管公梅、梅入り梅煎茶、ポット、茶碗、そして半券。
お茶、粉末です。自分で茶碗に入れ、自分で湯をかけ、自分で飲みます。
管公梅は、麩煎餅らしく成分の半分以上が空気という感じ。あっという間に食いきりました。
で、さっさと退散。苑内には秀吉の御土居跡もありますが、それもスルーして、退散。


境内・三光門前広場では、芸妓はんによる野点がまだ継続中。
秀吉が意気込んで開催したものの、結局一日で嫌気がさしてケツを割った、北野大茶湯。
その因果な茶会に因み、昭和27年から上七軒総出で開催されてるのが、この梅花祭野点です。
閉ざされたゲートでは、 「券ないの?」 「ないんです」 やりとりがエンドレスでループ。


絵馬所から見た、野点。遠くにチラっと芸妓はんの姿、あり。
ここだけ単独男性率、というかオッサン率やカメラマン率が突出して高いです。
ちなみに野点拝服の料金は、拝服券+宝物殿拝観券+撤饌引換券の三連券が、1500円。
先着3000枚限定で、1月25日より頒布開始。で、当日はしっかり売り切れ、と。


さて、お参りです。呪われないよう、真摯に祈ります。
有能な人の足を引っ張って、ごめんなさい。有能な人に濡れ衣を着せて、ごめんなさい。
有能な人に冷や飯を食わせて、ごめんなさい。有能な人を寒い所へ追いやって、ごめんなさい。
さあ皆さんも、心当たりのある皆さんも、一緒になって祈りましょう。


ディープな祈りを捧げたため、腹が減りました。
なので、天神さんの日にだけ出店する長五郎餅の境内茶屋へ寄っていきます。
オーダーは、長五郎餅と煎茶のセット、350円。店前で買った食券を渡す前から、出てきました。
味は、(゜Д゜)ウマー。そういえば、長五郎餅も北野大茶会ゆかりなんですよね。


境内茶屋を出た時に出くわした、時ならぬ芸妓はん撮影会。
どうやら野点が終わったようです。花をバックに、凄い数のおっさん達が密集してます。
芸妓はん、このあと上七軒までゾロゾロとおっさんおばはん達を引き連れ帰っていきました。
見るもん見たし、食うもん食ったし、私もぼちぼち帰りましょうか。


とか言いながら、まだ食い足らずに寄った、へんくつうどん。
深夜営業というか、朝までぶっ通しで開いてるカルトなうどん屋として有名な店です。
天神さんの日は昼間から通しでやってるらしく、夕方4時前に通りがかった時も開いてました。
古着の露店と一体化したような玄関から、中へ。


お客さんとビール飲んでるおっちゃんに何とかオーダーを頼み、
おばちゃんが何故か半ギレで作ってくれたスタミナうどん、850円。味は、普通。
妙齢女性が勘定しようとすると、酔っ払いのおっさんグループの一人が金を受け取り、
その金を 「おつり、おつり」 とか言いながら、酔っ払い夫婦の嫁がぶんどってました。カオス。

梅苑、やはり天神さんの日だけあって、平日ながら混んでます。
といっても、茶席をのぞけば身動きもとれないような酷い混み方ではありません。
客層は、中年夫婦+中年女性グループ、多し。でも遠来の観光客はそんなに多くない感じ。
観光ハイ丸出しな人は少なく、近隣感強し。場の雰囲気は、割と落ち着いてます。
カップル率、低し。色気のプレッシャーも、少なし。若者自体も、やや少なめ。
外人が妙に多いですが、これも観光客っぽいというより在住派がより多い感じでしょうか。
中国人などアジア系は、団体ではなく少数女性グループが多め。で、比較的マナーはよろし。
もっとも、メインの神事のあった午前中がどうだったかは、知りませんが。

そんな北野天満宮の梅花祭。
好きな人と行けば、より (゜x ゜) 梅ーなんでしょう。
でも、ひとりで行っても、 (゜x ゜) 梅ーです。

北野天満宮の梅花祭へ行って、野点を拝服してきました。もちろん、ひとりで。 (2014年)

【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:2
男性グループ:若干 (おっさんグループ)
混成グループ:0
修学旅行生:若干
中高年夫婦:2.5
中高年女性グループ:2.5
中高年団体 or グループ:1 (若い家族連れ)
単身女性:0.5
単身男性:0.5 (おっさんカメラマン)

【ひとりに向いてる度】
★★★
色気のプレッシャーは少ないが、
人圧は単純に高い。
あと若干、普通にアウェー。
カメラを持ってないと、若干浮くかも知れない。

【条件】
平日金曜 13:30~16:30


梅花祭
毎年2月25日 開催

北野天満宮
京都市上京区馬喰町
通常拝観 5:30~17:30

京都市バス 北野天満宮前下車すぐ
嵐電 北野白梅町駅下車 徒歩約10分
JR 嵯峨野線 円町駅下車 徒歩約22分

北野天満宮 – 公式

梅花祭(ばいかさい) – 北野天満宮

北野天満宮 – Wikipedia