上賀茂神社の夏越大祓へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年6月30日(木)


上賀茂神社の夏越大祓へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

夏越祓の茅の輪をくぐりまくり、オーラスです。
小さめの神社を一日中駆けずり回り、茅の輪をくぐりまくった夏越デイでしたが、
締めはやはり世界遺産、超メジャー級で行こうじゃないかということで、上賀茂神社であります。
といっても「みなづきのなごしのはらえするひとはちとせのいのちのぶというなり」と言いながら
輪をくぐるだけではありません。結構な神事も行われるので、そっちも見物しました。
上賀茂神社は、祓、禊祓を非常に重要視してるそうです。
理由は、祭神である賀茂別雷神が母・玉依比売命の禊の最中に降臨したからだとか。
大和国・葛城から、山城国、そして上賀茂地域に定住した賀茂県主族は、神を求めた、と。
一族の祭祀の権を与えられた玉依比売命は、神の降臨を願って毎日川辺で禊をした、と。
すると、川上から仁塗の矢が流れてきたので、持ち帰った、と。
その夜、何か神を感じ、子供が生まれた、と。で、その御子が祭神・賀茂別雷神だった、と。
このような由緒ゆえ祓を大切にし、この夜の夏越大祓&人型流しも荘厳に執り行われます。
元々夏越祓は12月の晦日に共に「大祓」という国家的な除災行事だったそうで、
奈良時代には朱雀門前に百官が集まり、大祓詞を読み上げるという大層なものだったとか。
上賀茂神社の夏越大祓はもしかすると、そんな平安以前の祓の姿を伝えてるかも知れませ
地元の神社で地元の人たちがささやかに無病息災を願うのとは一味違う、
世界遺産ならではの祓いの儀、ご堪能ください。


穢れを清めにやってきた参拝客を、二の鳥居の前で迎える松明。
鳥居の向こうに茅の輪が見えてますね。近辺では賀茂ナスや野菜などを売る露店あり。
その隣では、上賀茂青年会みたいなのが、グリーンティとTシャツ販売してました。


茅の輪。
昼間に訪れた各社とは違い、さすが世界遺産、大量の人たちが物凄い勢いでくぐりまくってます。
もちろん、私も。「みなづきのなごしのはらいするひとはちとせのいのちのぶというなり」。


何故か突っ立ってる、JTB寄贈の本部テント。
人形奉納の受付や、この日限定商品である茅の輪守500円也の販売なんかをしてました。


20時ジャスト、橋殿前で篝火が焚かれ、神事開始。川を挟んで北と南に参拝者が分けられてます。
北、テントのまわりにカメラマンいっぱい。南、舞殿の下にパイプ椅子、そして立ち見。
私が到着したのはほぼ開始時刻20時ジャストでしたが、もう、人でいっぱい。
北へ移動しようとしましたが、下流の方の橋が通行止めで渡れませんでした。


神事を行う神官さんたちもしっかり茅の輪をくぐって、お清め。
「道、空けてください」と雅なアナウンスをしながら境内を歩き、さっきの橋殿へ向かいます。


流麗なる雅楽が奏でられる中、厳かに人形流しが開始。
参拝客が罪や穢れを移した人形を、祝詞を唱えながら奈良の小川へ流している、はずです。
遠いとこから見てるので、細かいことはわかりませんけど。多分、そうです。


ゆっくりゆっくり、ちょっとずつちょっとずつ、人形を流していく神職。
「あぁめんどくせぇ!!!」と、ティッシュ配りのバイトの兄ちゃんが品物を川へ投げ捨てるがごとく、
人形をいっぺんに放り出すようなことは、もちろんしません。


「風そよぐ ならの小川の夕暮は みそぎぞ夏のしるしなりける」。
百人一首にある、この禊を詠んだ藤原家隆卿の歌です。
「夏越祓で奈良の小川に人形が流されると、夏が来た感じがするなあ」という歌です。嘘です。
写真は、特に風情もなくゴミのように川を流れる人形、およびそれを撮るフラッシュの反射光。


人形を流し終わると、川を挟んだ北側と南側の参拝者を順にお祓い。
続いて神職は、神の何ちゃらとかいうのを流します。手元から落下してる白い何かが、何ちゃらです。


最後に神職自身と雅楽演奏者を念入りにお祓い。
他人のヤバいものを大量に触ってるので、当然であります。で、終了。30分強の神事でした。
平安以前の姿を感じたかと言われたら、私は平安以前の記憶がないのでよくわかりません。
多分、平安以前っぽかったんじゃないでしょうか。きっと、そうです。おそらく、そうです。


で、帰ります。いや、帰る前に一応本殿をお参りしておきます。
どうでもいいことですが、帰りの上賀茂神社前バス停は、ものすごい混雑。
でも、御薗橋を渡って上賀茂御薗橋バス停から乗ると、結構空いてましたよ。

客層は、烏合。
ただし、観光テイストは限りなく薄し。完全に、地元仕様。
といっても、もちろん「上」の地元感であり、DQNやらアホの子がウロウロするようなノリは希薄。
カップル率、低し。学生っぽいのがちょこちょこいるくらい。
家族づれは、多し。中高年&若いの、ともに多し。
女性グループも多し。混成グループは、外人ばっかり。
単身女性はディープなおひとりさま風で、単身男性はカメ・非カメ両方。
カメラマン、夜の割にはちょっと多い感じでしょうか。

そんな上賀茂神社の夏越大祓。
好きな人とくぐれば、よりちとせのいのちのぶというなりなんでしょう。
でも、ひとりでくぐっても、ちとせのいのちのぶというなりです。

【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:2
男性グループ:若干
混成グループ:若干(外人多し)
修学旅行生:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:1
中高年団体 or グループ:5
単身女性:若干
単身男性:若干
【ひとりに向いてる度】
★★★
プレッシャーは特になし。
可もなく不可もなく。

【条件】
平日木曜 19:50~20:50


上賀茂神社
北区上賀茂本山339
市バス・京都バス 上賀茂神社前 下車すぐ

上賀茂神社 公式
上賀茂神社(賀茂別雷神社)公式Webサイト

Wikipedia 賀茂別雷神社