高台寺の七夕会夜間拝観へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年7月3日(日)


高台寺の七夕会夜間拝観へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

京都随一の観光寺院・高台寺と、織姫と彦星が年に一度の逢瀬を果たす七夕。
この2つの組み合わせと聞いて、あなたは一体どんなものを思い浮かべるでしょうか。
ねねの道を和風テーマパークと勘違いしてうろついてるようなカップルどもが、
ペラッペラな安物の浴衣を着て群れ集うイベントを想像されるでしょうか。
あるいは、「新しい形で京都を楽しもう」「もっと自由にお寺を楽しもう」みたいなことを言って、
壁みたいな化粧した女と「ですよねぇ」ばっかり言う男が「つながる」イベントを想像されるでしょうか。
もしくは、ねねの秀吉への愛を無理矢理に前面へフィーチャアする形で、
秀吉像&ねね像に七夕飾りをつけるような、何かもうよくわからないものを想像されるでしょうか。
7月7日ではなく、7月7日に近い土日に毎年開催される、高台寺の七夕会。
公式サイトでは「地元の子供たちから短冊を集める」とかホンワカ路線なことが書かれてますが、
恋愛ハイの輩に蛾の習性を発揮させる高台寺名物・夜間拝観も、しっかり同時開催。
和風テーマパークが和風ディズニーランド並の鬼門に化けること、必至と思われるのであります。
怖い。ちょっともう、怖い。でも、あんまり怖いと、怖さの程度を確かめたくもなる。
そんな肝試しのような興味から、初夏の夜の高台寺を訪れました。
で、現場で見たものは、そんな馬鹿げた予想とは全く違う、高台寺の意外な姿でした。


決死の覚悟でやってきた、日暮れ前のねねの道。人、いません。
高台寺お得意の派手な看板も呼び込みもなし。圓徳院と大黒天のとこの売店も閉まってました。


他の寺院はどこも夜間拝観をやってないため、ねねの道自体も何か、暗し。意外です。
春と秋の夜間拝観では、人多過ぎて足を踏み外しがちな石段をサクサクと登り、境内へ。


子供から集めた短冊は、天満宮、茶屋の周囲など、庫裏の前に飾られてます。
なので、無料で観覧可能。ただし無料ゆえか、光がちょっと安っぽいですが。
ここも人は、家族連れっぽいのがちょっとだけ。でもどうせ、中は人だらけなんだろ、わかってるんだ。
そんなことを思いながら、500円の夜間拝観料金を払い、境内へ。


境内へ入るとさっそく現われる、灰屋紹益と吉野太夫の好みの茶席・遺芳庵。
しかし、バックが青くて、かつ撮るのが安カメラだと、ミニチュアのセットみたいに見える・・・。
それにしても、人、いません。あ、ちなみに受付での待ち時間は、ゼロでした。


観月台を遠目に見つつ、書院へ向かって貸切のような境内を歩きます。
書院あるいは実質休憩所には、さすがに人がそこそこいました。
といっても、2・3組くらいですが。若い女の子2人組が、太腿丸出しでくつろいでたりとか。


通路を歩いて方丈へ移動、方丈前庭を初めてゆっくりじっくり眺めます。
通常のライトアップ時のような演出はありませんが、これはこれでいいもんです。


観月台、偃月池、開山堂、そして何らかの石。
深い静寂をイメージさせるビジュアルですが、現場は結構、にぎやかです。
七夕の短冊を応募して無料招待された子供、およびその家族の声とか。
子供が泣き叫ぶ声、それを叱る母親の絶叫、祖母の「先行かんといてって!!!!」みたいな。


臥龍池、木、そして臥龍池に写った木。
家族連れの大音声に加え、東大路通から響く物騒な救急サイレンや警察のアナウンス、
そして池に生息するカエルの「ゲロゲ~ロ~、ゲロゲ~ロ~」という野太い鳴き声。
そんなサウンドと、このビジュアルの、コラボレーション。これも、ねねの愛が生んだ奇跡です。


観月台の中。大混雑の時はそれほど意識しませんでしたが、人が少ないと、
この庭園が狭い境内をグルグル回らせ広く感じさせる空間設計になってることがよくわかります。


臥龍廊、開山堂、臥龍池、臥龍池に写った臥龍廊、木。
夜は視野が狭いためか、よけいに広く感じます。作為的な造りが上手く隠れてるともいえます。


霊屋。
客が少なくても係員はちゃんといて、写真撮影ご遠慮くださいとちゃんと注意してくれます。


竹林、そして石段。


重文、そして傘亭。いや違った、重文の傘亭。
昼間は震災支援の特別茶席をやってるそうですよ。


重文・時雨亭、そしてその裏の木。係員の女の子が、丁寧に解説をしてくれました。
いや、もちろん木じゃなく傘亭と時雨亭のですよ。


竹林の中を通り過ぎると、あとはお帰り口。


天満宮前に戻ってくると、茶屋が空いてました。
「ねねわらび」をひとりで食おうかと迷いましたが、迷うと急に恥ずかしくなり、
何故か売店で高台寺胡麻豆腐なるものを買い、そのまま坂を下って帰りましたとさ。

何度も書いてますが、人、本当に少ないです。
短冊を応募してくれた地元住民へのサービスが、メイン。特別感謝デーとでもいうか。
普段の商魂むき出しではない、高台寺の別の魅力が見れたとも言えますし、
逆に、商魂むき出しの姿もあれはあれで高台寺の魅力なんだと再認識できた気もしました。

客層は、先述の無料招待家族が大半と、あとは少しのカップルと中年夫婦。
家族連れは実に賑やかではありますが、観光ハイの狂騒感とはもちろん、無縁。
観光客も少人数グループが多く、落ち着いた雰囲気でに拝観してました。

そんな高台寺の七夕会特別夜間拝観。
好きな人と観たら、より七夕なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、七夕です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:2
女性グループ:若干
男性グループ:0
混成グループ:若干
修学旅行生:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:0
中高年団体 or グループ:7
 (DQNまではいかないが、そっちテイストの
 漂う家族多し。もちろん全員地元系)
単身女性:若干
単身男性:若干
【ひとりに向いてる度】
★★★★
夜の高台寺を落ち着いて見たい人には、おすすめ。
ただし何かのきっかけで、
急に人が沢山くるようになったら、知らない。

【条件】
土曜 19:30~21:00


高台寺
京都府京都市東山区高台寺下河原町526
通常拝観 9:00~17:00
七夕会 17:00~21:30

京都市バス 東山安井停下車 徒歩5分
京阪電車 祇園四条駅下車 徒歩約20分
阪急電車 河原町駅下車 徒歩約20分

公式 鷲峰山 高台寺