清水寺の千日詣りへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年8月14日(日)


清水寺の千日詣りへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

一回行っただけで、1000回分。
そんなポイントアップデーのある店なら、誰だって個人情報売り飛ばしてカードを作るもんですが、
実際にそんな気前の良いサービスをやってるのが、清水寺の千日詣り。
観音様最大の功徳日である8月9日から16日の間にお参りをすると、千回分の功徳があるそうです。
超ボーナスポイント。しかも、会員登録は不要。仏からウザいメールとかも、来ません。
「さすがユーザーと正面から向き合い続ける清水寺さん。ニーズがちゃんとわかってますねぇ」とか、
「率先してライトアップして客呼びまくる寺は、やっぱりやることが違うっ」などと、
賢い消費者づらして、狂った戯言でも吐いてみたいところですが、
しかし、京都で千日詣りといえば、清水寺よりも、愛宕神社であります。
京都で生活する上で一番大切なのは、台所に愛宕神社の火伏せのお札を貼ることであります。
千日詣りについてどうこう言うなら、先にあっちを参拝するべきなのであります。
実際、行こうとしました、7月末日。嵐山まで行きました。でも、やめました。しんどいから。
夏の最中に、標高900mの登山。ダメです。ありがたい前に、体に悪いです。
で、代わりに清水寺にお参りすることにしたわけです。こっちも、坂がいい加減しんどいですが。
ちなみに千日詣り期間の終盤は、夜間参拝と夏季ライトアップも同時開催。
ライトアップの観光モードと、千日詣りの宗教モードが、どう融和してるのかを観てきました。


京の七夕・鴨川会場を後にしてやってきた、20:40の二年坂。人、いません。
実際にはそれなりに客が歩いてるんですが、春や秋の夜に比べたら、明らかに人は少ないです。
暑い最中に坂を登る気にはなれんというのも、もっともですが。実際この日も、ロクでもない猛暑。


仁王門前、御馴染のビジュアルでございます。しかし、ここまで来てもやはり人は少なめ。
いないのは、人だけではありません。清水寺夜間拝観にはいつもある、あれが、欠けてます。
そう、ビームですよ、ビーム。やはり電力問題ゆえでしょうか。


ビームなきライトアップの実態を確認したいところですが、まずは千日詣りへ。
千日詣りの期間中は、普段は入れない本堂内陣をありがたく拝観することができます。
大黒さんの横に作られた、特設ゲートみたいなところから、観音さまの元へ。


撮影禁止なんで写真はありませんが、たくさんの観音様を拝ませていただきました。
1000日分、あるいは66640日分とまで言われる功徳は、あるのでしょうか。
夜間拝観のある14~16日は、ここで20時から特別法要も行なわれるそうです。
ツアー客みたいな団体の人達が、坊さんのガイドにあれこれレクチャーされてましたよ。


で、舞台。人、少ない。そして何か、暗い。
ビーム自粛のみならず、全体的にかなり出力を抑えたライトアップとなっております。
震災直後は平気で出力全開だった清水寺ですが、やはり夏は苦しいというところでしょうか。


舞台を逆から眺める。やっぱり、暗い。いつものギンギラギン感がありません。
観光全開というより、近所の人たちが夕涼みにでも来てるようなビジュアルでさえあります。


いつもより暗い、奥の院。その分、妙な凄みが出てますが。
ちなみに奥の院、これから補修工事に入ります。いや、もう入ってるんでしょうか。
工事は、本堂が白アリに食われてることが発覚したからではなく、前から決まってたものであります。


すでに補強の鉄材がついてる奥の院の舞台から、京都市街を望む。
しばらくこの眺めとも、お別れです。いや、ライトアップ自体も今だ、先行き不明ですが。
それにしても、暗い。写真撮るの、しんどいです。撮れても何か、異様な絵になります。


行灯を減らして少しでも電力をセーブするためか、子安堂まわりの道は、封鎖。
暗い急坂を降りて音羽の滝へ下ります。このあたりの茶屋、今夜は全然営業してません。


薄暗い光で照らされた、本堂・舞台の「食われた」足。
どうでもいいけど、境内のあちこちが工事中。白アリ被害の発覚と、何か関係あるんでしょうか。


背中にビームを背負わない、三重塔。初めて観るかも知れません。
良いか悪いかでいえば、どっちでもいいですが、どうにもこうにも地味ではあります。


で、仁王門に帰った時には、22時前。完全に人、いません。
追い出しアナウンスに背中を押され、やはり人の少ない茶碗坂を下りて帰ります。

客層は、清水寺ライトアップのいつも通りのテイスト。
昼間の客から中高年を抜いて近隣の発情カップルを足した、みたいな。
もちろん、多くは観光客。リアクションや行動パターンも、いつも通り。
ただ、夏に坂を登るのがしんどいためか、カップルの数、そして客数自体も多くはないです。
二年坂・産寧坂が無人になる時があるくらいで、プレッシャー&ダメージは比較的少ないかと。
千日詣りの客は、多くが地元テイスト。しかし、ディープ全開で質・量が殺到するわけでもありません。
春・秋よりはのんびりと、そして濃い闇を感じながら清水寺が体感できるという感じでしょうか。
あ、千日詣りだろうが猛暑だろうが、単独はもちろん、少ないですよ。

そんな、清水寺の千日詣り。
好きな人と詣れば、よりキングなんでしょう。
でも、ひとりで詣っても、キングです。

【客層】 (客層表記について)
カップル:3
女性グループ:1
男性グループ:1
混成グループ:1
修学旅行生:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:若干
中高年団体 or グループ:1
単身女性:若干
単身男性:若干

【ひとりに向いてる度】
★★★
茶わん坂から登ってタダ見カップルの群をかわせば、
他の季節よりはそこそこ快適に
夜の清水寺を楽しめるかも知れない。
ただしもちろん、夏に坂を登ると、暑い。

【条件】
日曜 20:40~21:45

清水寺
京都府京都市東山区清水1-294
通常拝観 6:00~18:00
京阪電車・清水五条駅下車 徒歩25分
京都市営バス「清水道」及び京阪バス「五条坂」
下車徒歩約15分

夜間拝観
3月10日~20日 3月24日~4月8日
8月14日~16日 11月10日~12月2日

公式サイト 音羽山 清水寺

wikipedia 清水寺