京都市美術館で行なわれた岡崎ときあかりへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年10月29日(土)


京都市美術館で行なわれた岡崎ときあかりへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

明治28年、京都復興を賭けた平安遷都1100年祭開催にあたり、
本来の平安京大極殿の場所だった千本丸太町付近に、レプリカ建造が提案されました。
が、市街地化してたため、断念。代わりに選ばれたのが、当時は田んぼだらけだった、岡崎でした。
田んぼだらけといってもこのエリア、近くで琵琶湖疎水が開通し、水と電気は極めて、豊富。
京都の近代化をアピールするイベント開催にはうってつけの場所となり、
また、イベント終了後も大箱の近代建築をぶっ建てるのには最適のロケーションということで、
図書館・勧業館・公会堂などの文化施設が次々と建てられました。
昭和8年に建てられた大礼記念京都美術館、現在の京都市美術館も、そのひとつ。
京都で行われた昭和天皇即位の大礼を記念して開設され、
戦後は表札から「大礼記念」を外して近・現代美術の舞台としての役割を果たし続けてます。
今回の「岡崎ときあかり」は、そんな美術館の壁へプロジェクション・マッピングなるものを投影、
昼間とは違う夜の美しさを見せることで、岡崎全体を活性化させようというものです。
プロジェクション・マッピングとは、建物の形状に合わせてデザインした映像を照射するもの。
要はライトアップの客寄せイベントですが、見るだけならタダなので、のこのこ出かけてみました。


時刻17時半くらいでしょうか、まだ始まってない時間の、京都市美術館。
建物の凹凸を見切るためか、プロジェクター10台オール同期で映写するためか、
各種パターンを投影して、細かく調整やってます。これはこれで面白い絵ですけど。


「ときあかり」の開始は、18時、それまで、周辺をブラブラと。
一帯の美術館や店舗は「岡崎 あかりとアートのプロムナード」という名で、連携して夜間営業中。
疎水記念館も、開いてました。写真は、その疎水記念館にあった、発電用水車。


疎水記念館の手前に立ってる「巨大な輝き像」も、ほんのりとライトアップ。
昼間に見てもかなりの異形ですが、闇の中で光が当たると、より異形感が増してます。
「岡崎 あかりとアートのプロムナード」、他には観世会館の客席無料公開なんてのもありましたよ。


ぼちぼちと開始時刻になったのでやってきた、平安神宮大鳥居。
もちろん大鳥居も、ライトアップ。はるか向こうの応天門も、しっかりライトアップされてます。
特に無茶苦茶人が多いという感じでもありません。ちょっぴり混んでる、くらいでしょうか。


でも美術館入り口前は、当然のように大混雑ではありました。
人間の頭越しに垣間見た、岡崎ときあかり。既に始まってます。なんじゃ、これは・・・。


人ごみを避け、敷地内の横から見た、プロジェクション・マッピング。
もちろん、京都市美術館の壁面がいつもこんな無茶苦茶な色をしてるわけでは、ありません。
壁面をマッピングして投影されるCGは、建物に異常な絵を映すというより、建物そのものを異常化。
で、写真で見ると全然わからないですが、このCG、動きます。動きまくります。


ワシントン・ナショナル・ギャラリー展の名画の上を流れ落ちる、光のしぶき。
この手のライトアップとしては、寺をぶっ飛びのサイケトランス化するDK LIVE が連想されますが、
こちらはより照射先の建物を尊重してるというか、利用してるというか。そしてとにかく、よく動く。


逆サイドから見た、「ときあかり」。壁にひびを入れております。
他にもインパクトのある絵がいっぱいあったんですけどね。でも、動きまくるので、写真が撮れん。
撮っても、ブレまくり。動画じゃないとこの面白さ、伝わらないかも知れません。


対象が持つパーツ・凹凸といった情報を利用しながら、映像による光や陰影を与えることで、対象が持つ様々な情報がある時はより立体的に、そしてあるときは全く別の表情を浮かび上がらせ、更には動かないはずのモノが本当に動いているかの様なリアルな立体感、空間感を表現することができるのです。」(プロジェクションマッピングとは?PMAJ
だ、そうです。プロジェクターは結構普通っぽいけど、インパクトは、なかなかです。


「ときあかり」、ノンストップでひたすら照射され続けるわけではありません。
音楽と込みになった映像作品の感じの体で、1セットが数十分。で、セットとセットの間は、休憩。
休憩の間は、壁をただ照らすだけ。写真は、その休憩タイムにじぃ~っと再開を待つ人民の図。


真正面が開いたので、玄関先で見てみた、「ときあかり」。
巨大あぶくが落ちております。ちなみに館内は営業中なので、下の玄関は普通に人が通ります。


さらに玄関先で見てみた、「ときあかり」。少女と鳥が照射されてます。
少女の足がパタパタしてるのが、わかるでしょうか。とにかく写真撮るの、難しい。


さらにさらに玄関先で見てみた、「ときあかり」。ぐにゃ~んと、なってます。
歪みかけの時が、気持ち悪いんですよね。本当に壁が動いてそうで、酔うというか。
映像制作を担当したのは、俳優・構成家・映像作家の窪木亨氏と、映像作家の吉光清隆氏。


さらにさらにさらに玄関先で見てみた、「ときあかり」。
巨大建築をローコストに異化するのも経済的かつ面白くていいですが、
小さな寺とかをとことん緻密に異化する様も見てみたいような。とにかく、以上であります。

客層は、地元6に観光4という感じ。観光は、あるいはもっと少ないでしょうか。
周辺にはベタな観光客がウロウロいるにも関わらず、何故かここにはあまり集まってきません。
逆に地元の人は、自転車に乗って大量にやってきます。門前の駐輪、多し。
京都新聞に試運転の記事が出たので、それ見て来たんでしょうか (私もそれで初めて知った)。
カップル率はさほど高くなく、学生っぽいのもさほど。観光ハイではしゃいでる奴も、少なめ。
玄関正面はかなり混み、エンドレスで歩道確保の交通整理が入りますが、マナーはすこぶる、よろし。

そんな、京都市美術館の岡崎ときあかり。
好きな人と見たら、よりプロジェクション・マッピングなんでしょう。
でも、ひとりで見ても、プロジェクション・マッピングです。
 

【客層】 (客層表記について)
カップル:2
女性グループ:3
男性グループ:1
混成グループ:1
修学旅行生:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:1
中高年団体 or グループ:1
単身女性:若干
単身男性:若干
【ひとりに向いてる度】
★★★★
浮くといえばそれなりに浮くが、
どうってことがないといえばどうってことない。

【条件】
土曜 17:50~20:00

 

岡崎ときあかり
岡崎・あかりとアートのプロムナードの一環として
毎年10月末ごろ、岡崎一帯で開催(多分)

京都市美術館
京都市左京区岡崎円勝寺町124
通常開館時間 9:00~17:00

京都市バス 京都会館美術館前下車すぐ
市営地下鉄 東山駅下車 徒歩10分

岡崎・あかりとアートのプロムナード
– 京都岡崎ポータルサイト

京都市美術館 – 公式