千本釈迦堂の大根焚きに行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年12月8日(木)


千本釈迦堂の大根焚きに行ってきました。もちろん、ひとりで。

京都の冬の到来を告げる、師走の風物詩・大根焚き
鳴滝の了徳寺や、その近所の三寳寺も有名ですが、やはり大根焚きといえば、千本釈迦堂
鎌倉時代に茲禅上人が大根の切り口に梵字を書き魔除けにしたのが始まりとされ、
現代に至るまで中風&諸病除けの御利益を求め人々が食し続ける、実に歴史ある大根焚きです。
集められた大根を加持祈祷して輪切りにし、大鍋で煮込み参拝者に振舞うその様は、
「京都の師走の風物詩」という感じのニュースなどで目にした方も多いでしょう。
そう、京都の大根焚きが取り上げられる際、出てくるのは大抵、ここです。
もちろん他の大根焚きも、特に了徳寺の大根焚きは結構な頻度で取り上げられますが、
どこが一番メジャーかと考えるなら、千本釈迦堂ということになるんじゃないでしょうか。
でも、何でやろ。何か違いって、あったっけ。人気とか動員数とかの問題か。
味の違いやろか。味やったら、僕、三寳寺が一番好きやけど。一番ようしゅんでたし。
と、アホなことを考えてると、思いつきました。千本釈迦堂の大根焚きって、野外でやるやん。
了徳寺と三寳寺がお堂の中で食するの対し、千本釈迦堂はお堂の外。
どこの大根焚きも狭いところが超混雑状況となりますが、室内での混雑はカメラ置きにくし。
より取材しやすい千本釈迦堂に、マスコミは行くようになった。そうや、きっとそうや。
と、やはりアホなことを考えながら、大根、食べに行きました。
当日は、雨。「お堂の外で食べる」のが、完全に裏目に出たシチュエーションでございました。


千本釈迦堂、山門。大根焚きの看板、出てますね。
五辻通を歩いて釈迦堂へ向かったんですが、途中、大勢の大根帰りの人とすれ違いました。
中には、買った大根を鍋に入れてもらってる人もいたりして。のっけから、強烈にネイティブです。


12月も中旬に入ろうかというのに、まだまだ粘る、紅葉。
2011年の紅葉は、本当に遅い。この日も、大根食ってから嵯峨へ紅葉見に行ったりして。
青葉バックの紅葉まつりを余儀なくされた嵐山の観光業者さんらは、
逆に紅葉バリバリのまま嵐山花灯路に突入できて、今ごろきっとウハウハでしょう。


雨にも関わらず、境内は結構な混雑。
大根チケットを購入する「ハウス」では、ちょっとした行列もできてました。
ここで券を買い、引き換え所で箸と交換し、箸を持ってる奴に大根が渡されるというシステム。
ちなみに大根チケット、1000円なり。境内に入るのに、拝観料は要りません。


大根焚きの中枢部、特設厨房。
巨大な鍋が7つくらいドーンと並び、五千本の大根の提供と調理を平行してやってます。
奉仕のおばちゃんたちは、無限ルーティンのように大根を焚いて焚いて焚きまくってました。


雨ざらしのところも混んでますが、テント座席はもっと混んでます。
大根もらったのはいいけど、食べるところがない。探してる間にも、大根に雨が入る。
しばらく彷徨ったのち、どうにか空き場所を見つけ、さあ食べよ食べよ。


こちらが、千本釈迦堂の大根焚き。
デカい大根の輪切りが3つと、小さい揚げ。味は、かなりあっさりめ。雨、入ったか?
皮が残ってて、ここの食感が、よろし。ペロっとはがれた皮だけを食べると、これがまた、美味。
あっという間に食い切りました。ごちそうさまでございました。


食うもの食ったので、しばし境内をうろつきます。
物販コーナーでは、名前書いて祈祷してくれるを生大根を販売中。一個、1000円。
他にも、釈迦堂名物のおかめのお面600円など、渋いアイテムが目白押し。
業者の売店も多数出ていて、漬物や飴などの出店もありました。


千本釈迦堂といえば、何といっても本堂
応仁の乱さえ生き抜き、1227年の創建当事のままの姿だという、京都市内最古の建築。
古さも凄いですが、そんな凄いもんを文化財扱いせず、普通に現役稼動させてるあたりも、凄い。
右は、時ならぬ紅葉に彩られた、北野経王堂。


やはり時ならぬ紅葉に彩られた、ぼけ封じの観音さま。


やはり時ならぬ紅葉に彩られた、おかめの像。


やはり時ならぬ紅葉に彩られた、爆笑する大黒さん。
帰りましょか・・・。


霊宝殿には、団体さんの姿あり。
この人たちもやっぱり大根を食べるのでしょうか。食べる場所、ないぞ。

客層は、基本、地元の中高年ばかり。極めて、ネイティブです。
ただ、ネイティブだけど他所のネイティブさとテイストが違うのは、西陣ならではでしょうか。
カップル、非常に少ないです。物好き系がちょっとと、普通がごくちょっと。
そもそも若者自体が少ないですが、やはり物好き系の他所者はそこそこいたりします。
単独は、女はおしゃれではないディープな外来系。男は、カメラマンと変人。そんな感じ。

そんな千本釈迦堂の大根焚き。
好きな人と食べたら、より大根焚きなんでしょう。
でも、ひとりで食べても、大根焚きです。

【客層】 (客層表記について)
カップル:若干
女性グループ:微量
男性グループ:微量
混成グループ:0
修学旅行生:0
中高年夫婦:2
中高年女性グループ:4 
中高年団体 or グループ:4
単身女性:微量
単身男性:若干
【ひとりに向いてる度】
★★★
色気のプレッシャーは全然ない。
混雑も、観光混雑ではないので、さほど疲れないだろう。
アウェー感はなくもないが、それを礼儀正しく楽しめばいいと思う。

【条件】
平日木曜 12:40~13:50

 

千本釈迦堂(大報恩寺)
京都市上京区今出川七本松上ル
9:00~17:00

京都市バス 上七軒下車 徒歩約3分
嵐電 北野白梅町駅下車 徒歩約13分
市営地下鉄 今出川駅下車 徒歩約25分

大報恩寺(千本釈迦堂) – Wikipedia

大報恩寺(千本釈迦堂) – 京都観光Navi