法金剛院へ紅葉を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2012年11月21日(水)


法金剛院へ紅葉を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

花園の地に建つ、法金剛院
名前だけ見ると、「金剛」 の字面と濁音感、「法」 から分泌されるスクエアさ、
そして 「花園」 の醸し出すラグビー感が、何となく男の子向けなイメージを沸かせる寺です。
「超合金みたいな体の坊主が、精神棒持って仁王立ちしたり、スクラム組んだりしてる」 みたいな。
しかし実際の法金剛院は、蓮を始めとする四季折々の花、苑池を生かした浄土式庭園
そして、開基・待賢門院の失われた愛が売りの、極めて女の子向け寺院であります。
古来よりの名勝・双ヶ丘の東麓にあるこの地は、元々は平安初期の右大臣・清原夏野の山荘。
雅なる詩歌管弦の宴が催され、天皇の行事もあったそうですが、夏野の死後は、荒廃。
その地を新たに法金剛院として復興したのが、白河法皇の寵愛を受けた、待賢門院璋子でした。
7歳にして白河院の養女となり、何というか、恐らくは書けないような方面において深く愛され、
愛されるままその皇子・鳥羽天皇の嫁となり、どちらの子かわからん崇徳天皇を生み、
おかげで白河院の死後は果てしなく凋落、鳥羽院も若い女・美福門院にガンガン走ってしまい、
孤独なメンヘラ&クラッシャー魂を、現世の極楽浄土・法金剛院の建立で癒した、璋子。
現代の独男からすると、理解不能を越えて面白がるしかしょうがない共感不能な生涯ですが、
メンヘラ&クラッシャーは時代を超えて共感不能だったのか、寺は鎌倉期以降、衰退。
融通念仏で有名な円覚上人が再興を果たしますが、それも応仁の乱でパー。
江戸期にはとことん荒れ果て狭くなり、明治後は道路と山陰線に境内の南側をぶん取られ、
昭和も後半になって、ようやく創建時の庭園が発掘・再現され、現在に至ります。
そんな法金剛院、紅葉もまた、見もの。なので、見てきました。
妙に色濃い昭和感と共に、花園の秋、ご覧下さい。


法金剛院がある花園は、花園ラグビー場の近所ではなく、京都市右京区。
と言われて、具体的な土地鑑が働く人がどれくらいいるのか、ちょっとわかりませんが。
とりあえず妙心寺からご覧の丸太町通を西へ向かったところ、左手のバス停奥に寺はあります。
右の高架は、JR嵯峨野線。右奥の変なドームは、JR花園駅。鉄道だと、ここが最寄駅。


法金剛院山門を、丸太町通から眺めるの図。
山門からはみ出た紅葉の赤と、街路樹の銀杏の黄が、美しいコントラストを形成してます。
それにしても、寺から敷地をぶん取ってできた道路、交通量、多し。車、全然途切れてくれません。
同様にぶん取ってできたJRも、近年は電化・複線化が進み、電車がバンバカ走りまくりです。


そんな喧騒を逃れて山門をくぐれば、経蔵前に紅葉、そして受付。


500円払って中へ入ると、やはり紅葉、そして嵯峨菊。


さらに奥へ入ると、書院と、嵯峨菊。


受付で、まず仏殿へ行けと言われたので、行って拝んだ、仏殿&撮影禁止の仏像。


仏を拝んで清められた気分となり、改めて、庭。


池と亀島、松と紅葉、そして池に反射した松と紅葉。


紅葉、そして池に反射した紅葉。


池に反射した紅葉、そして池に浮かぶ何らかの岩。


庭園東側、紅葉と、見事な借景であるグリーンハイツ大和。


車と電車の走行音をBGMに眺める、庭園南部の紅葉、苔、石段、落葉。


やはり車と電車の走行音をBGMに眺める、庭園南部の紅葉と反射紅葉。


亀島と、それに覆いかぶさる紅葉。


紅葉ナメで望む、書院。


紅葉と、何らかの樹木。


紅葉と松、そして順路へ置かれた何らかの岩。


昭和になって発掘・再建された、侍賢門院お気に入りの青女の滝。


発掘されたのかどうかは知らない、仏足石。


こちらは発掘された、宝篋印塔と石仏。


帰り際、改めて観た、苔と落葉、そして紅葉と卍瓦。


境内外の駐車場で、これが一番とも思えた、タダ見紅葉。以上でございます。

客は、中高年グループ×1、中年夫婦×2、単独おっさん×2、
中年単独女×1、帰り際に中高年グループ×1と単独男が1人入っただけ。
いずれの客も極めて静かであり、体感的には限りなく貸し切りに近い状態でございました。

そんな法金剛院の、紅葉。
好きな人と観たら、より紅葉なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、紅葉です。


【ひとりに向いてる度】
★★★★
客が少なく、シチュエーションは理想的。
が、丸太町通の車の音+JRの音が、丸聞こえ。
あと、隣のマンションが借景になったり。
その辺を考えると、★★★★。

【条件】
平日水曜 紅葉ピーク 13:40~14:40
 
 
法金剛院
京都市右京区花園扇野町49
9:00~16:00

JR嵯峨野線 花園駅下車 徒歩約5分 
京都市バス 花園扇野町下車 徒歩約2分
京都バス 花園駅前下車 徒歩約5分

法金剛院 – Wikipedia

法金剛院 – 京都観光Navi