西陣桜めぐりをしてみました。もちろん、ひとりで。

2013年4月4日(木)


西陣桜めぐりをしてみました。もちろん、ひとりで。

西陣。言うまでもなく、「織物の街」 です。
平安期は宮廷の 「織部町」 として、鎌倉期は公家や武家相手の 「大舎人町」 として、
そして応仁の乱以降は、山名宗全が本丸を置いた西陣跡で再建されたために 「西陣」 として、
現在に至るまで京都 or 日本の工芸技術 or 文化を代表する 「織物の街」 であり続け、
あり続けるがゆえに、色んな事が色々大変になってたりもするエリアであります。
そんな西陣の生み出す西陣織といえば、生産工程が高度に分業化されてることで、有名です。
で、分業化してると、当然というか何というか、お互いが近所に住んでる方が便利なので、
織物に関連したあらゆる業種の人たちが密集して暮らしてることでも、有名です。
現在は工場が郊外へ出たり、産業自体のが衰退したりで、往年の密集感はありませんが、
町並にはその名残が濃厚に残っており、特に残り香を感じさせてくれるのが、寺ではないかな、と。
人間が密集して生活するとなれば、昔の 「生活必需品」 だった宗教も入り用となるわけで、
西陣にはかなりの密度で、寺が、それも町衆からの信仰が篤い法華宗の寺が、林立してます。
それらの寺の多くは、観光化されるわけでもなく、檀家以外立入禁止というわけでもなく、
でも小さな寺から本山クラスの寺に至るまで、どこも不思議な現役稼働感みたいなのが漂ってて、
よそ者である私としては、その辺に何となく西陣独特の雰囲気を感じるというか。
そんな西陣の寺には、やはり観光化されるわけでもなく、身内以外見所がないわけでもない、
実に程良いサイジングで、程良い味のある桜が、あちこちでさりげなく咲いてます。
立本寺の桜にすっかり気を良くしたので、そんな西陣の寺の桜、愛でて回ってみました。
密集してるがゆえに、徒歩で楽にこなせる桜巡り、お付き合い下さい。


立本寺の桜を堪能した後、フラフラ歩いてやって来た、千本今出川交差点。
交差点の桜、早くもかなり散ってしまってます。2013年は、咲くのも散るのも、本当に早い。
ここからやはりフラフラ歩いて、西陣の寺を巡って行こうという魂胆ですが、桜、大丈夫でしょうか。
まず向かうのは、大報恩寺。と、本名を言っても通じない、通称寺の代表格・千本釈迦堂です。


いきなり散ってたらやだな、と不安な気分でやってきた、千本釈迦堂
応仁の乱さえ乗り越えて残った、京都市内では唯一の鎌倉時代製本堂で知られる寺ですが、
春の名物はやはり、大工の夫を気遣って死んだおかめの伝説に因む、枝垂桜・阿亀 (おかめ) 桜。
ヤバいかなと思ってたら、門前の桜は全然、最盛期状態。これはもう、全然大丈夫ですね。


と思って境内に入ると、阿亀桜、完全に散ってたの図。


「残念やったね」 と、桜の影で微笑むおかめはんの図。次、行きましょうか。


続いてやって来たのは、雨宝院 aka 西陣聖天。
弘法大師・空海が、嵯峨天皇の病気平癒を祈願した大聖歓喜寺をルーツに持つ、お堂です。
といっても、現在の境内は小さく、すぐそばの本隆寺の塔頭みたいに見えますが、桜は異常に充実。
遅咲きの珍種・御衣黄をはじめ様々な桜が咲き乱れ、近年、特に人を集めるようになりました。


で、桜。ここは、ちょっと早かったでしょうか。まだ空が見えますし。


ここ、最盛期は桜で天井が埋まります。だから、まだまだ。御衣黄も、もちろん蕾。


雨宝院の次は、もちろんそのすぐそばに建つ、本隆寺へ。
正式名称、慧光無量山本妙興隆寺。日真が創建した、法華宗真門流の総本山でございます。
天明の大火の際、本堂に安置された鬼子母神が火を止めたという伝説から、不燃寺の別名もあり。
不思議と庶民的な伝承の多い寺ですが、それを反映してか、のんびりとした近所風の人、多し。


で、桜。ただただ素晴らしい、桜。


桜。ただただ素晴らしい、桜。


桜。ただただ素晴らしい、桜。


次はちょっと離れますが、上品蓮台寺へ。本隆寺で急に思い出し、やってきました。
名前の通り、かつての埋葬地・蓮台野にありますが、元々 「蓮台野」 の名はこの寺に因むとか。
聖徳太子が母の菩提寺として開創されたとも言われ、かつえは12の塔頭を持つほど栄えた寺です。
現在は渋好みの典型みたいな寺ですが、春になると密集する枝垂桜に、多くの人が集まります。


で、枝垂れ桜。よく咲いてます。


枝垂れ桜。空海像も嬉しそうです。


北側のソメイヨシノは、早くも散り気味。子供が桜吹雪を喜んでました。


西陣中心部へ戻り、今度は本法寺へ。日蓮宗の、またもや大本山でございます。
籤引き将軍・足利義教により、焼けた鍋をかぶせられた鍋かぶり上人・日親が、1436年に創建。
本阿弥家が檀家であり、光悦は 「三つ巴の庭」 を設計。また、長谷川等伯による涅槃図でも、有名。
ですが、今回はタダ見できる桜だけ拝んでいきます。というわけで、妙に派手な多宝塔と、桜。


本堂と、桜。


鍋かぶり上人、ではなく長谷川等伯像と、桜。


かなり陽が弱ってきましたが、もう一軒くらい行けるだろうと思い、
千家やそれ系の家が並び、それ関係のおっさん達がウロウロしてる小川通を抜け、妙顕寺へ。
こちらもまたまた、日蓮宗大本山でございます。法華宗で、初めて勅願寺となった寺でもあります。
ただ、その厚遇にキレた比叡山の僧兵と、2世紀にわたり抗争を繰り広げた寺でもあります。


表の枝垂桜もいい感じでしたが、本堂周辺も、いい感じ。


本堂の裏辺りも、いい感じ。陽は、弱いけど。桜めぐり、ぼちぼち終了です。


最後にもう一発、大本山、行っときましょうか。というわけで、妙蓮寺へ。
本門法華宗大本山妙蓮寺。宿坊としても知られ、クリスマスネタでうちも泊まらせてもらいました
早くも10月くらいから咲き始める珍種中の珍種・妙蓮寺桜がここの名物ですが、他種の桜も、見事。
ただ、陽が完全にへたってしまったため、まともな写真が撮れず、これくらいで御了承下さい。


そういえば、クリスマスの時は工事中だった本堂、完成してました。
工事シートに隠れてた日蓮像も、復活。桜に囲まれ、何となく嬉しそうに見えませんか。
というわけで、西陣桜めぐりはこれにて、終了。西陣独特の雰囲気、感じてもらえたでしょうか。

客層は、いずれの寺もほとんど、同じです。
地元の中高年&中年女性グループ&家族連れ、渋めの観光客にカメ爺、そんな感じ。
同好の志が多く、同じ人と顔を合わせることが異常に多いのが、西陣の寺の距離感を表してます。
カップルの姿は、ほぼなし。というか、若者そのものの姿が、ほぼなし。
また、「ここが穴場なんだよ」 などと大声でくっちゃべるような糞野郎も、見かけませんでした。
ネイティブ全開の寺が多いとはいえ、アウェー感があったり排他的だったりすることはなく、
混雑することも貸し切りになることもない、程良い人出感も、いい感じ。
ただ桜を眺めるというのではなく、その寺&地域の歴史、そしてそこから生じる雰囲気を、
共に楽しみたいという独な方には、かなりおすすめではないかな、と。

そんな、西陣桜めぐり。
好きな人とめぐれば、より西陣なんでしょう。
でも、ひとりでめぐっても、西陣です。


大報恩寺 (千本釈迦堂)
京都市上京区七本松通今出川上ル
9:00~17:00

京都市バス 上七軒下車 徒歩約4分
嵐電 北野白梅町駅下車 徒歩約14分

千本釈迦堂 大報恩寺 – 公式
大報恩寺 – Wikipedia

雨宝院
京都市上京区上立売通浄福寺東入聖天町9-3
9:00~17:00

京都市バス 浄福寺下車 徒歩約5分
市営地下鉄 今出川駅下車 徒歩約20分

雨宝院 – 京都観光Navi
雨宝院 – 京都風光

本隆寺
京都市上京区智恵光院五辻上ル紋屋町330
境内拝観自由

京都市バス 今出川大宮下車 徒歩約5分
市営地下鉄 今出川駅下車 徒歩約15分

総本山 本隆寺について – 法華宗【真門流】
本隆寺 – Wikipedia

上品蓮台寺
京都市北区紫野十二坊町33-1
6:00~15:00

京都市バス 千本北大路下車 徒歩約3分
嵐電 北野白梅町駅下車 徒歩約25分

上品蓮台寺 – Wikipedia
上品蓮台寺 – 京都観光Navi


本法寺
京都市上京区本法寺前町617
10:00~16:00

京都市バス 堀川寺之内下車 徒歩約3分
市営地下鉄 鞍馬口駅下車 徒歩約12分

本山 叡昌山 本法寺 – 公式
本法寺 (京都市) – Wikipedia

妙顕寺
京都市上京区妙顯寺前町514
10:00~17:00

京都市バス 堀川寺之内下車 徒歩約5分
市営地下鉄 今出川駅下車 徒歩約10分

四海唱導 日蓮宗 大本山 妙顯寺 – 公式
妙顕寺 – Wikipedia

妙蓮寺
京都府京都市上京区妙蓮寺前町875
10:00~16:00

京都市バス 堀川寺之内下車 徒歩約3分
市営地下鉄 今出川駅下車 徒歩約16分

京都宿坊西陣 大本山妙蓮寺 – 公式
妙蓮寺 – 京都観光Navi