京都府庁旧本館の観桜会へ、夜桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2013年4月5日(金)


京都府庁旧本館の観桜会へ、夜桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

最近よく言われることですが、京都にはレトロ洋館が結構、残ってます。
明治から昭和初期にかけて、全国に先駆ける勢いで建てられた、重厚なる洋館の数々。
大きな空襲を受けなかったためか、あるいは何であろうと大事に保存する習性が発揮されたのか、
それらは三条通を中心に結構な量&結構な質で残り、近年、人気を呼んでるわけです。
「京都の別の顔を見た」 みたいな。 「実は新しいもの好きの京都を見た」 みたいな。
個人的にはこれらの近代建築遺産、京都人の隠された進取の気風の表われたものというより、
東京遷都で焦った明治期の息吹 or 殺気をより伝えてる気がするんですが、あなたどう思いますか。
とにかく、それなりに見るべきものが多く、また人気スポットも数ある京都の洋館シーンにあって、
ぶっちぎりの由緒を持つものといえば、恐らく京都府庁旧本館ということになるんでしょう。
京都ハリストス正教会聖堂などを手がけたことで知られる京都府の設計技師・松室重光が設計し、
破格の費用をかけ明治37年に完成した、堂々たるルネッサンス様式の、府庁本館。
極めて完成度の高い意匠を誇り、そのハイクオリティぶりは単に焦りの表出レベルに止まらず、
その後、続々と洋式で建てられた各地の県庁舎の立派なお手本ともなりました。
昭和46年まで現役として使われ、以後も現在に至るまで様々な形で稼働し続けてる旧本館、
最近はもっぱらロケや結婚式、時にはコスプレ撮影会などにも活用されたりしてますが、
そんな流れの一環として、春の桜シーズンに開催されてるのが、観桜会。
口の字型に建てられた洋館の中庭に植えられた、枝垂桜。それで、花見をしようじゃないか、と。
花見のみならず、アーティストとかも呼んで、期間限定で美術館化しようじゃないか、と。
桜の最盛期には夜間も開放して、ライトアップやプロジェクションマッピングもしようじゃないかと。
それが、観桜祭であります。で、もちろん、夜間公開へ行ったわけであります。
古いものを何でも活用する京都の息吹 or 殺気、お楽しみ下さい。


19時ちょい前にやって来た、府庁旧本館の堂々たる入り口。
旧本館、既に妖しい色彩を帯びておりますが、まだ調整中らしく、座標合わせとかやってます。
プロジェクションマッピング担当は、新視角+circle side PLUS というとこで、タイトルは 「層流」 。
前面には結構な客が入ってますが、始まるのはまだ先みたいなので、中、入りましょうか。


プロジェクションマッピング中でも、旧本館の中にはもちろん入ることができます。
玄関には、美術館何ちゃらと、 『八重の桜』 の看板、あり。 『八重』 は、巡回展をやってるとか。
ここは元々、京都守護職上屋敷。八重の時代には、会津藩主・松平容保が守護職を務めてました。
まあ、縁があるというわけです。容保公の名に因んだ、「容保桜」 なる名の桜もあったりします。


で、その 「容保桜」 も含んでの、桜ライトアップ。


若干散り気味だけど、そんなのライトアップだから関係ない、桜ライトアップ。


刻々と色が変化して、写真がかなり撮りにくい、桜ライトアップ。


散り気味というか、完全に散ってる樹もあったりする、桜ライトアップ。


それに、どれが 「容保桜」 なのかもよくわからなかったりする、桜ライトアップ。


で、案外、壁に映った影が一番格好良かったりする、桜ライトアップ。


建物の中から観ると、これまた案外良かったりする、桜ライトアップ。


2階内部から観ると、まあまあだった、桜ライトアップ。


向きを変えても、やっぱりまあまあだった、桜ライトアップ。


もう一度じっくり撮ったら、やっぱり全く桜に見えない、桜ライトアップ。


桜ライトアップは今イチでも、夜の姿は実に美しい、旧本館廊下。


そんな美しさを破るように、『八重』 展は、犬がお出迎え。


美しさを破るとは言わないけど、美術館何ちゃらのアーティスト展示も、開催中。


大半はほぼ一顧だにされないとは言わないけど、アーティスト展示も、開催中。


で、表へ出れば、プロジェクションマッピング、真っ盛り。


壁に果物が出てきたり、車が走ったりして、真っ盛り。


でも、途中でリアル消防車が走り出したりして、興醒めだけど、真っ盛り。


数分のプログラムをリピートしてるので、途中で帰る人が多いけど、真っ盛り。


で、私も途中で飽きて、結局帰ることにしたの図。以上であります。

客の大半は地元風、若者も中高年も、同じ感じ。
岡崎でのプロジェクションマッピングに近い感じです。自転車率が高いのも、同じ。
これ目当てに気合い入れてやって来た感じの観光客は、ほとんど見かけませんでした。
カップルは、少なめ。若い人は多いですが、大半が 「ちょっと寄った」 という、薄いノリの人たち。
なので、馬鹿騒ぎなどはなく、概ね世間話などしながら、適当に見てる人、多し。
単独は、割と多め。というか、こちらも単に、帰り道に寄った感じの人ばっかりでしたが。
寄り道以外の人と言えば、男にカメがちょっといたくらいでしょうか。

そんな京都府庁旧本館の、観桜会。
好きな人と行けば、より旧本館なんでしょう。
でも、ひとりで行っても、旧本館です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:1
男性グループ:微
混成グループ:2 (仕事チックな人)
子供:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:1
中高年団体 or グループ:2
単身女性:1
単身男性:1

【ひとりに向いてる度】
★★★★
プレッシャーはなく、アウェー感もさほどない。
その代わり、面白さや盛り上がりも、さほどない。
建物自体もよく観たいなら、昼間に行く方がいいと思う。

【条件】
平日金曜 桜散り気味 19:00~19:50


京都府庁旧本館
京都市上京区下立売通新町西入薮ノ内町
通常公開 10:00~17:00 土日祝定休

市営地下鉄 丸太町駅下車 徒歩約10分
京都市バス 府庁前下車 徒歩約5分

重要文化財 京都府庁旧本館 – 京都府公式

京都府庁旧本館 – Wikipedia