半木の道へ桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2013年4月5日(金)


半木の道へ桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

昔、京都には 「ニナガワフセイ」 なる妖怪がいたそうです。
と言っても、怨霊飛び交う平安時代の話ではありません。割と最近の話と聞きます。
私はよくわからないんですが、お年寄りの方や、若いながらもディープな京都人の方から、
この名を聞かされることが結構あり、その度に 「何なんだろう、その妖怪」 と不思議に思ってました。
「ニナガワフセイ」 のうち、「フセイ」 には 「府政」 という当て字が使われることが多いのですが、
それはこの 「ニナガワフセイ」 が、京都府の知事を務めてたことに由来するんだとか。
妖怪なのに、府知事。笑っちゃ、いけませんよ。京都はそういう、不思議大好きな街なんですよ。
何でも 「ニナガワフセイ」 、28年も知事をやったそうです。そう、28年。どっかの田舎の村長か、と。
府のトップに於いてそんな無茶苦茶な人事がまかり通るなど、現実には考えられませんから、
全ては 「200歳も生きた」 とかいった類の、ブラフ混じりな神話レベルの話なんでしょう。
とはいえ、神話や伝承が単なる現実として日常に紛れ込む不思議大好きな京都に於いては、
それこそ平安時代の怨霊の痕跡でさえしっかり残存し、時に観光スポットとなったりもするわけで、
「ニナガワフセイ」 が残した不思議な神話の痕跡もまた、史跡として数多く残ってたりします。
そのうちのひとつが、北大路大橋から北の加茂川沿いに桜が咲く、半木の道です。
「この道、殺風景だから、桜を植えろ。すぐ植えろ」 と、「ニナガワフセイ」 が言い出したために、
桜守・佐野藤右衛門氏が70本もの紅枝垂桜をたった3日で植えたという、半木の道。
発端からして信じ難いものがありますが、それ以前にここはそもそも石ころだらけのガレ地であり、
桜が育ったこと自体も、「ニナガワフセイ」 の妖力の表われと言えるのかも知れません。
今では 「ニナガワフセイ」 を知らぬ他所者も 「そうだ」 とか言って訪れるようになり、
すっかり京都の桜名所のひとつとなった感もある、そんな半木の道、
満開の紅枝垂桜に漂う妖力を感じながら、歩いてみました。


えと、本篇は正気に戻ってお送りします。写真は、出町商店街へ来たの図。
半木の道の最寄り駅は、北なら地下鉄北山駅、南なら北大路駅。ここ、全然関係ありません。
なのに来たのは、私が京阪沿線民だから。地下鉄 or バス代をケチるため、出町柳駅から歩こうと。
で、出町商店街。ふたばの前を華麗にスルーし、おた福屋で花見団子3本パックを買いました。


花見団子を仕入れて、葵橋から加茂川へ入ると、いきなり、桜。


この辺のは半木の道の桜ではなく、志波む桜。でも、実に、桜。


半木の道入り口の北大路大橋にさしかかると、急に、混雑。


入り口ではリットル型のオブジェが、謎に、お出迎え。


で、歩き始めると、見事に、紅枝垂桜。


見事に、紅枝垂桜。


見事に、紅枝垂桜。


見事に、紅枝垂桜、堤防、そして人間。


見事に、紅枝垂桜、河川敷、そして人間。


見事に、紅枝垂桜、石段、そして人間。


見事に、紅枝垂桜、石段、そして人間アゲイン。


見事に、紅枝垂桜。


見事に、紅枝垂桜、そして花見団子。


見事に、紅枝垂桜、そして飛び石。


渡った先で、見事に、飛び石から観た加茂川。


見事に、紅枝垂桜、そして花見団子アゲイン。


もう一度渡って、今度は本当に見事に、紅枝垂桜。


本当に見事に、紅枝垂桜、そして時計。


本当に見事に、北側入り口の岩。


そして本当に見事に、北山大橋の向こう。以上であります。

平日の真っ昼間ということもあるためか、
客の大半は中高年の地元民風で、それ以外の層の姿はかなり、少なめ。
観光客風やアホ学生の団体もいなくはないですが、ボリューム的にはどうってことなし。
カップルもいなくはないですが、やはり数的にも色気的にも、どおってことなし。
若い親子連れ、特に母子の親子連れが多いといえば多いですが、こちらも特に問題なし。
単独は、近所風の普通の女と、カメ男くらい。基本、実に穏やかな、普通の散歩道であります。
入り口でいきなり人が増えた時には、一瞬 「鬼門化してたか」 とか思いましたが、
歩き始めると混雑も外道さもさしてなく、宴会や馬鹿騒ぎをしてるような輩も見当たりません。
個人的には、穏やか過ぎて若干面白味に欠けるような気はするし、
何となく昭和の郊外感が漂ってるあたりに微妙なものを感じたりするんですが、
のんびり桜を見るには、いいスポットではないでしょうか。

そんな、半木の道。
好きな人と歩けば、よりニナガワフセイなんでしょう。
でも、ひとりで歩いても、ニナガワフセイです。

【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:1
男性グループ:微
混成グループ:若干
子供:0
中高年夫婦:2
中高年女性グループ:2
中高年団体 or グループ:4
単身女性:微
単身男性:微

【ひとりに向いてる度】
★★★★
プレッシャーやアウェー感は、感じない。
しかし、特に居心地がいいというわけでもない。
この手のテイストのスポットが馴染む方なら、
ゆったりと良い桜見物ができるだろう。
浮くかどうかは、その人次第。

【条件】
平日金曜 桜満開 11:30~12:30


半木の道
京都市左京区下鴨半木町
観覧終日自由

地下鉄 北大路 or 北山駅下車 徒歩約10分
京都市バス 植物園前 or 北山橋東詰 下車すぐ

なからぎの道 – 京都観光Navi

半木の道 – 京都新聞