バレンタイン・スイーツラリーをやらかしてみました。もちろん、ひとりで。 【前篇】

2014年2月14日(金)


バレンタイン・スイーツラリーをやらかしてみました。もちろん、ひとりで。

大切なのは、「動き」 を自分から起こすことです。
停滞している状況、逆風に煽られてる状況、そんな困難を打ち破るためには、
神風が吹くのを待つのではなく、自らが風となりフィールドへ駆け出すことが、何より大切です。
たとえそれが、消防署と放火魔を兼任するような、マッチポンプ的な行為であっても、です。
事件の少ない夏期、高校生に熱中死スレスレの野球大会をやらせる、どっかの新聞社のように。
紅葉直後&桜直前の閑散期に、電飾で無理矢理客を寄せ集める、どっかの古都のように。
そして、2月にチョコを売るべく、バレンタインなる愛欲祭日を捏造した、どっかの製菓業界のように。
誤解しないで下さい。私は彼等を 「インチキだ」 とキャンキャン批判したいのではありません。
彼等はいわば、猛者です。いずれも、自ら 「動き」 を作り出し、自らの苦境を克服した、猛者です。
そんな猛者の 「動き」 をもし批判したいと思うのなら、その 「動き」 へ充分敬意を払った上で、
自らフィールドへ駆け出し、新たな 「動き」 を作り出すことで、超克するべきなのです。
というわけで、私、2014年のバレンタインは、スイーツラリーをやってみました。
「何じゃそれは」 と言えば、嵐電がそんな企画をやってるんですよ。閑散期の 「動き」 として。
沿線の甘味処と提携し、店で幾らかの買い物でスタンプ&それ集めると景品、という。
このラリーを、バレンタインデーに回ろうというわけです。名付けて、バレンタイン・スイーツラリー。
嵐電スイーツラリー、別段バレンタイン限定ではなく、一日で回る必要も特にないんですが、
バレンタインの新たな過ごし方 for 独男を、積極的に提示したくて、やってみました。
奇しくも当日は、大雪。幾分早いものの、白銀の世界と冷んやりした空気感は、まるで、226。
鉄風味&蹶起風味という独男好みなテイストと共に巡る、過剰な甘味の連食が、
私たちの 「動き」 の蹶起となるのか、それとも単なる徒労&無駄遣いに終わるのか。
肉体的+精神的+金銭的にハードな戦いぶり、御覧下さい。


というわけでやってきた、13時の嵐電スイーツラリー出撃駅・四条大宮
出撃駅といっても、四条大宮から出発するルールは、特にありません。たまたまです、たまたま。
それにしても、雪、よく降ってます。写真では今イチわかりませんが。八幡より降ってるんじゃないか。
あ、右側に写ってるのは、甘味で壊れた舌の補正用に、ダイソー大宮店で購入した、都こんぶ


で、駅にて一日フリーきっぷを購入。これを含む指定の切符がないと、景品もらえません。
肝心要なスイーツラリーのスタンプ台紙も、奪取。台紙には、参加店の概要・地図も載ってます。
巡回必須の 「駅チカおすすめ店舗」 が、7軒。オプション扱いの 「駅チョウおすすめ店舗」 が、5軒。
このうち、「駅チカ」 からは3軒、「駅チョウ」 からは2軒こなすのが、ルールです。では、出撃。


と思いきや、いきなり駅を離れ、道端に雪が残る大宮通を北上してるの図。
何故か。 Dari K へ行く為です。京都でチョコと言えば、今は Dari K です。いや、知らんけど。
三条会商店街の Dari K 本店、嵐電から遠いですが 「駅チョウおすすめ店舗」 に名を連ねてます。
バレンタイン・スイーツラリーにとっては、本丸ともいえる存在。早めに叩いておくべきでしょう。


超ネイティブな商店街の中に立つ、Dari K 本店。左下、変な絵の店が、そうです。
フェアトレードのカカオにこだわり、京都のみならず、全国に多くのオシャレ系ファンを持つとか。
私、前は何千回も通ってますが、入ったことはありません。だって、怖いし。怖い人とか、いそうだし。
笑顔の奥から 「お前は来んな」 オーラを放射する店員とか、いそうだし。怖いよお、怖いよお。


震えながら特攻をかけると、2畳ほどの超狭い店内では、数名の女性が品定め中。
いずれも、何か業の深そうな遠来系。で、同じタイプの女性が後からエンドレスで入ってきます。
店は、全然怖くない女の子が対応。親切にカカオティーをくれたので、それ飲みながら私も品定め。
どれと決戦しようかな。でも、名物のチョコトリュフは、バレンタインで売切れとか言ってるぞ。


店員さんと業の深そうな女性の話を聞いてると、売切れは、トリュフ四つ入りの箱。
生チョコの箱に入れたトリュフ3つ入りはまだあるというので、結局それを買いました。1200円。
スイーツラリーは、一軒400円以上の買物が必須ですが、余裕でクリア。というか、むしろ圧勝です。
業が深そうな女性の邪魔になりながら、ラリーのスタンプも押してもらい、作戦完了、撤収撤収。


三条会作戦完了後、直ちに四条大宮へ戻り、今度こそ電車進撃、開始です。
白く染まる鉄路を、単行の電車は、西へ。あ、左に写ってるのは、台紙とスタンプであります。
ツクシっぽく見える何かは、Dari K の 「おすすめスイーツ」 である何ちゃら何ちゃらを描いたもの。
参加店それぞれが 「おすすめ~」 を設定し、スタンプに描画&割引とかしてくれるわけです。


実はこのスイーツラリー、AコースなるものとBコースなるものがあります。
Aコースは、好きな3店を回り、嵐電のゆるキャラ 「あらん」 のハンカチをもらう、まあ、ライト版。
Bコースは、先述の私が今やってるやつ。ハンカチに加え+ 「あらんのあづま袋」 がもらえるとか。
こっちは必須店があるので、割と大変。で、やって来たのはその必須店のある、帷子ノ辻駅


駅から数分歩いて到着した、必須 「駅チカ」 指定の店、パティスリールル
写真は、荒っぽい車が通りまくる三条通沿いで、渋過ぎる家と隣り合って立つ、その勇姿。
独男好みのディープさを若干感じさせてくれますが、でも名前がパティスリーですよ、ルルですよ。
怖い店員はいなさそうだけど、別の意味で怖い魔法熟女とかいたりして。怖いよお、怖いよお。


震えながら特攻をかけると、先客は全て、魔法熟女ではない普通のおばちゃん。
それも、明らかに、地元系。代替わりか何かで、昔からの常連さんを引き継いだ感じというか。
なので、急にリラックスして決戦相手の捜査にかかると、「バレンタイン弁当」 なる代物がありました。
名前の異常なインパクトに加え、550円という値段が実にこっちの都合にいいので、即、購入。


スタンプと共に、上から見るバレンタイン弁当。実に、弁当です。有り難く、保冷剤つき。
スタンプに描かれのは、ルルの 「おすすめ」 、ミニシフォン。現物見て、結構心が動きましたが。
6畳程の店内には、他にも美味げなケーキや焼菓子が勢揃い。カットロールとか、買いたかったな。
ただ今作戦は、電車移動も重要な要素。型崩れのリスクは回避しなくてはいけません。無念。


で、Dari K +ルルの袋を大事に抱え電車移動して来たのは、嵐山
今回は、特攻ではありません。決戦です。購入した甘味と、この風光明媚の地で、決戦です。
袋がかさばるので、ここらで甘味と一戦交えて消化してしまおう、どうせなら人目の多い所で戦おう、
スイーツと三つ巴の死闘を演じる私の姿を、観光客の皆さんに見せつけてやろうというわけです。


というのは、嘘なんですけど。実際の嵐山は御覧の通り、激寒+雪で、人、少なめ。
乗降客が多い普通の駅で食うより、人目につかないだろう。そう読んで来たら、大当たりでした。
嵐電線路と違って、雪が全然残ってないのは意外でしたけど。何か非常にややこしい雪であります。
でもまあ、寂寞感漂う風流な渡月橋&雪に煙る山を眺めつつ、嵐山決戦、やらかしましょうか。


先攻は、Dari K 。オシャレ箱に入った、何ちゃら&何ちゃら&何ちゃらというトリュフたち。
「冷蔵庫へ入れるか、寒い部屋で」 と言われたので、雪解水だらけのベンチに拡げてみたの図
単純計算すると、一個、400円。一瞬、泣きそうになりました。フェアトレードって、何か、しんどいな。
気休めなのか、付属の爪楊枝はオシャレな削り木仕様。そちらを使わせてもらい、では、実食。


ベンチが濡れてて座れないので、立ち食いでかぶりついた、トリュフ。
味は、何ともいやはや、400円。 「甘さ半分+苦さ2倍ならな」 とか思いながら、二口で完食。
残る二個は、いずれも一口。1200円を、一瞬で丸飲みです。フェアトレードって、何か、しんどいな。
それにしても、こんな形のものを観光地で立ち食いしてると、タコ焼き食ってる感、半端なし。


トリュフを瞬殺したあとは、ルルのバレンタイン弁当と、勝負です。
CD2枚組をちょっと大きくしたくらいのサイズの弁当には、クリームで描かれたLOVEの文字。
チョコクリームの平原の上には、ハート型のチョコが数個散りばめられ、イチゴも彩りを添えてます。
ボリューム、チョコトリュフとは段違い。クリーム平原の下も、怖い。地雷原みたいで、怖い。


地雷原をムッシャムッシャと掘り進んでいくと、奥にはスポンジが潜んでました。
スポンジはプリン程のサイズのが、4連。その周囲を埋めるように、大量の抹茶クリームも潜伏。
実にハードな盛り&ブチ込みぶりであり、ボリュームも極めてマッシブ。マジで弁当に思えてきます。
もちろん、こちらも突っ立って、格闘。何か 「立ち弁」 って感じで、私、今、凄く男らしいなあ。


そんな男らしい 「立ち弁」 姿に魅かれたのか、食中、観光客女子が寄ってきました。
私など眼中にない素振りで渡月橋の写真撮ってましたが、わかってますよ私も、女心って奴は。
嵐山でも、ひとりで平然とバレンタイン弁当を立ち食いする、真の漢。そんな真の漢に惚れる、女心。
わかってます、わかってますよ。と、甘さに心も麻痺させながら、バレンタイン弁当、完食。


塩味&もっさい酢味が、舌と脳を正常化してくれる都こんぶを食らいつつ、
暇そうな人力車の兄ちゃんから奇異の目で見られながら、渡月橋を渡り、嵐電駅へ戻ります。
正直な話、立ち食い@嵐山は、さほど浮きません。中国人&ゆとり倭人観光客の愚行が多いので。
なので女の子たちも、私を空気扱いできたんでしょう。結局は、自分との戦いということですよ。


というわけで電車に乗り、自分&スイーツと戦う狂気のラリー、続けます。
必須たる 「駅チカ」 を制圧したくて、やってきたのは 「駅チカ」 指定の eenie がある有栖川。
嵐山にはARINCO、嵯峨には鶴屋長生と、 「駅チカ」 指定になってる店はちゃんとあるんですが、
ARINCOは東京資本、鶴屋長生は和菓子なので、今回はなるべく避けておきたいな、と。


どうせなら、普段行かないようなオシャレ系の店ばかり、攻めたいな、と。
そう考えてやって来た、駅から徒歩約1分の、eenie 。外観だけからして完全に、それ系です。
eenie 、スイーツに加えて、雑貨も扱う店なんだとか。雑貨ですよ、雑貨。雑な貨物じゃないですよ。
「お前は来んな」 オーラどころか、セコムの警報慣らされたりしないかな。怖いよお、怖いよお。


震えながら特攻をかけると、中は普通で、買い物も普通に済ませてしまったの図。
eenie 、店内は外観通りのテイストですが、やってるのは普通のおばちゃん。応対も、普通。
ケーキ&自家製粉のクッキーにも心が動きましたが、バレンタインゆえ、止むなくチョコをチョイス。
で、饅頭屋のようなノリで見送られ、撤収。あれ、袋のシールに、桂の喫茶アマンドの文字が。


押してもらった、eenie のスタンプ。フリュイ・ルーロー = フルーツロールですな。
メインはあくまでケーキで、チョコはバレンタインゆえの仕入れものという感じだったんでしょうか。
これはもう一度、行かねばなるまい。店のビジュアルと、おばちゃんのノリとのギャップが、楽しいし。
と、再訪を考えつつも、今日はラリー制覇を優先して、次の店へ移動します。で、以下、後編。

バレンタイン・スイーツラリーをやらかしてみました。もちろん、ひとりで。 【後篇】 へ続く

バレンタイン・スイーツラリーをやらかしてみました。もちろん、ひとりで。 【前篇】
バレンタイン・スイーツラリーをやらかしてみました。もちろん、ひとりで。 【後篇】


 
 
 
 
 
Dari K ダリケー 本店
京都市中京区今新在家西町22
10:00~19:00 (売切れ次第閉店) 不定休

JR嵯峨野線 二条駅下車 徒歩約8分
市営地下鉄 二条 or 二条城前駅下車 徒歩8分
阪急電車 大宮駅下車 徒歩約8分

Dari K ダリケー – 公式
 
ダリケー (Dari-K) – 食べログ 
 
 
 
 
 
 
 
 

パティスリールル
京都市右京区太秦御所ノ内町27-10
10:00~20:00 不定休

嵐電 帷子ノ辻駅下車 徒歩約3分
JR嵯峨野線 太秦駅下車 徒歩約10分

パティスリールル – 公式

パティスリー ルル – 食べログ


 
 
 
 
 
eenie
京都市右京区嵯峨野有栖川町40-13
11:00~20:00 土曜定休

嵐電 有栖川駅下車 徒歩約1分
JR嵯峨野線 太秦駅下車 徒歩約13分

【eenie】京都 ケーキと雑貨の店 – 公式

eenie (イーニー) – 食べログ
 
 
 
 
 
 
 
 
 

嵐電沿線スイーツラリー
2012年より、閑散期を中心に展開中
今後どうなるかは、知らん

嵐電沿線スイーツラリー2014 – 公式PDF

嵐電沿線スイーツラリー2013夏 – 公式PDF

嵐電沿線スイーツラリー (第1回) – 公式PDF

嵐電 – 公式