京都岡崎レッドカーペット2014へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2014年9月21日(日)


京都岡崎レッドカーペット2014へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

「アーキテクチユール」 すなわち 「Architecture」 の本義は、
「実躰を Building に籍り形式を線條躰裁に訴へて眞美を發揮するに在る」 がゆえに、
その訳語を 「造家」 より 「建築」 へ改めるべきと主張したのは、日本近代建築の祖・伊東忠太
京都の平安神宮は、そんな伊東が帝大院生時、共作ながらデビュー作として手がけた 「建築」 です。
明治28年、平安遷都千百年祭紀年祭のために平安京・太極殿の縮小ハリボテを岡崎に作ったら、
勢いでマジ神社化したという、 「仏作って魂入れず」 の真逆を行く創建経緯を持つこの神社に、
伊東らは 「古都」 としてのもっともらしさ、もとい、復古的な 「眞美を發揮」 するビジュアルをデザイン。
一歩間違えれば、万博パビリオンかネズミーランドに祈りを捧げるような奇景が生まれてた所を、
「眞美」 により見事超克し、今なお魅力と魔力が稼働し続ける 「建築」 として仕立て上げたのでした。
京都三大祭のひとつにして例大祭であるヒストリカル・コスプレ・パレード aka 時代祭に於いても、
平安神宮が持つもっともらしさ、もとい、復古的な 「眞美」 は、強い魅力と魔力を 「發揮」 してますが、
一方、復古的ではないのに何か 「平安神宮的」 な魔力を持つイベントも、この神社にはあります。
それが、毎年9月中旬に応天門前の神宮道にて開催される、京都岡崎レッドカーペットです。
要は、門前に赤絨毯敷いて各種パフォーマンスを行うという、行政絡みの振興策みたいなもんですが、
ヲタ動員を狙ってコスプレなどの風味も大量導入されてるため、その外観は極めて、魑魅魍魎。
特に2014年は、映画の宣伝で 『機動警察パトレイバー』実物大ハリボテまで御覧のように屹立し、
その真前ではフラダンスが行われるなど、 「状況、カオス!」 と叫ぶしかない事態が現出してます。
しかしそのカオス状況は、宗教ネズミーランド化しかねなかった平安神宮にある意味で相応しく、
また近代化の真中を進む一方で幻獣を愛し、作品にも混入させた伊東が喜ぶものかも知れません。
と、本気で思うかといえば、これも無論もっともらしさを 「發揮」 すべく吐き散らした大嘘ですが、
とにかくハリボテとコスプレが百鬼昼行する赤絨毯、行ってきました。


岡崎レッドカーペット2日目の13時前、平安神宮前の神宮道へやって来たの図。
あ、このイベント、概ね土日の2日間にかけて、開催されてます。今後はどうなるか、知りません。
御覧の巨大鳥居より南側は、大きなお友達が集まってる感じは、特になし。ベタな観光客ばかりです。
が、鳥居より北上すると様子はかなり変わり、若干のその筋の匂いがする輩で信号が混んでたり。


で、さらに北上した平安神宮門前、赤絨毯が敷かれたここが、レッドカーペットの会場。
その筋の輩 or 大きなお友達が一気に増え、皆でパトレイバーのデッキアップを待つこと、しばし。
デッキアップが行われるのは、11時・13時・17時の計3回。これから始まるのは、2回目であります。
あ、 「そもそもパトレイバーって、何」 な方は、こんなアホサイトなど観ずに原典を観てくださいね。


場所変えようかなと思ったその時、アナウンスが始まり、シリーズ説明+映画宣伝。
「岡崎の警備に入ります」 と宣言してから、「デッキアップ」の声で、デッキアップ開始。おっ。


おっ。おっ。おっ。おっ。おっ。おっ。おっ。おっ。おっ。おっ。


おっおっと驚いてる内に、レイバーは見事、屹立。デッキアップ、完了でございます。
何か効果音的でも鳴らして上げるかと思いきや、実に重機的な音とスピードのデッキアップでした。
レイバー、デカいようで小柄。ですが、小柄なようでデカい。で、微妙なそのサイズ感が、妙にリアル。
足下ではためいているBグル祭の幟も、ある意味で作品の世界観を尊重してるようで、妙にリアル。


まるで神像のように屹立したレイバーを、晴れた空をバックに有り難く拝むの図。
それにしても、しみじみよく出来てます。何も考えず適当に撮っても、普通に格好良いですからね。
ヲタ大騒ぎかと思いきや、2日目だからか、あるいは元々そんな温度なのか、騒ぐ様子はさほどなし。
むしろ、 「ガンダム芸人」 的ライトさで面白がりたがる堅気のおっさん連中が、何か鬱陶しいです。


一帯には、コスプレ多発。何故か 『紅の豚』 のポルコ・ロッソもいて、人気でしたよ。
「アーキテクチユール」 を、 「構造物以外の物品をも幷せて抱括するを以て之を見」 るとも定義し、
築地本願寺などの作品に謎の幻獣を大量に忍び込ませた伊東の霊も、さぞ喜んでいることでしょう。
門前にレイバーをもう一機配備し狛犬を気取れば、あるいはさらに喜んでくれるかも知れません。


デッキアップ後は、撮影禁止の声優のショーが続くので、レイバーを眺めること、しばし。
後は延々こんな感じなので、画像でお楽しみ下さい。まずは、ウェザリングが効いたレイバーの足。


13時半から始まった、レッドカーペット上におけるレイバーとフラダンスの出会い。


こちらもインパクトがある、レッドカーペット上におけるフラダンスと大鳥居の出会い。


で、13:50には、パトランプを鳴らしながらレイバー、デッキダウン。


で、寝転がると 「ロボット、寝てはるわ」 と地元の親子連れに言われがちな、レイバー。


14時からは、神戸から来たというコスプレ・サークルによる、ミニ・ミュージカル。


14時半からは、フィリピンから来たというコスプレ娘による、写真撮影会。


あ、先刻からちょくちょく幟が見えてましたが、すぐ横でやってるんですよ、Bグル祭。
正式名称、 『京都特B級ご当地グルメフェスティバル』 。親子連れメインの客で、よく流行ってます。
ただよく見ると、流行ってる店とそうでない店の差が激しいのが、それはそれで面白かったりしますが。
行列があるのは、かき氷とアイスクリーム。ラーメン屋は、キャッチ並みの呼び込みをしてました。


私は、高砂肉天焼きそばと敦賀ソースかつ丼で迷った後、ハモカツバーガーを食す。
三条会商店街のあみたつが出してるバーガーで、500円なり。ハモカツのハモとは無論、鱧です。
カツの表皮が異常に固くパンも異常に適当な出来でしたが、中身の鱧は、白身魚としては良い感じ。
Bグルらしからぬ鮮魚の香りを感じながら、一気に瞬殺。来年以降も出るかどうかは、知りません。


あ、書くのを忘れてましたが、京都岡崎レッドカーペットとB級グルメフェスティバルは、
この辺りに賑わいを創出するイベント 『京都岡崎ハレ舞台』 の一環という位置付けになってます。
『ハレ舞台』 イベントは他にもあり、2014年は平安神宮ででんぱ組とかも出るライブを、2日間開催
チケットを売ってたので、一瞬行こうかとも思いましたが、7000円くらいするので止めました・・・。


「歩道を歩け」 とエンドレスで言い続ける交差点の先のみやこめっせでは、
『ハレ舞台』 の連携イベントとして 『京都国際マンガ・アニメフェア』 略して 『京まふ』 を開催中。
有料ですが、入場料は千円ちょっと。寄ってこうかと思ったら、入場は15時半までと言われましたよ。
現在、15時半過ぎ。レイバーはまだまだ 「寝てはる」 でしょうが、レッドカーペットへ戻りましょうか。


と思って16時に戻ると、テストか何なのか、何故か起きてはった、レイバー。


で、何故かまたすぐに寝はったレイバーの前で、16時半からは、よさこい


寝てはると思ったら、17時には予定通りにきっちり起きはった、レイバー。


起きはったレイバーの前で、17時半からは、B-TRIBEのヒップホップダンス。


17:50には最終デッキダウンが行われ、また寝てはる、レイバー。


と思ったらまた起きはったレイバーの前で、18時半からは、よさこいアゲイン。


起き続けてはるレイバーの前で、18:15からは、学生の着物ファッションショー。


19時、本当の最終デッキダウンとなり、パトランプ光らせながら寝はる、レイバー。


撤収に向けてしっかりマスキングされる、特車二課トレーラーの 「警視庁」 の文字。
正直、デッキアップよりこのトレーラーでマジ移動してることに、萌えます。お務め、御苦労様でした。


レイバーがトレーラーで帰らはった後も、レッドカーペットは21時くらいまで続きます。
あと、やはり 『ハレ舞台』 の一環である 『岡崎ときあかり』 が始まるので、寄っておきましょうか。


『岡崎ときあかり』 は、2011年にも記事にしましたが、所謂プロジェクションマッピング。
京都市美術館の壁で行われます。で、まあこんな感じです。で、まあこんな感じなので、帰ります。
「ハリボテに神が宿った神社の魔力を受け、ハリボテレイバーも自走開始」 とはなりませんでしたが、
官製の枠を食い破るような魑魅魍魎の跳梁は実に楽しかった、2014年のレッドカーペットでした。

レッドカーペットの客層は、普通の平安神宮の客に、
ヲタ動員層と近隣&地元層を、4:6 or 5:5で混ぜたような感じのテイスト。
カップルは、通常なら十二分に多い量がいますが、体感的にはさほど多くありません。
他の層に埋没してる感じでしょうか。恋愛ハイの観光ハイや垂れ流しは、少なめです。
若者は当然多く、全体の6~7割くらい。半分ほどが遠来系で、ネイティブ感は濃くありません。
女性グループは、普通の観光 or 地元系が大半ですが、男はもちろん、大半がヲタ系。
中高年は、Bグル目当ての地元 or 近隣系がより多く、小さい子を連れた家族連れがメイン。
単独は、男はヲタ7割にカメ3割。爺もいることはいましたが、20~30代が多かったような。
女は、ヲタ腐女子。観光系や京都おひとりさま系は、かなり見かけませんでした。

そんな、京都岡崎レッドカーペット。
好きな人と行ったら、より魑魅魍魎なんでしょう。
でも、ひとりで行っても、魑魅魍魎です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:1
男性グループ:2
混成グループ:1
子供:微
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:微
中高年団体 or グループ:3
単身女性:微
単身男性:1
【ひとりに向いてる度】
★★
基本、単独で浮くことはさほどない。
Bグル祭を除けば、同志が多いため各種プレッシャーも無し。
人圧は割と高めだが、歩けないほど混んでるということもない。
ただヲタ濃度が低い場合、どこまで場に馴染めるかは、疑問。
あと、京都らしさがある催しかといえば、そんなこともない。

【条件】
日曜 13:00~20:30


京都岡崎レッドカーペット
毎年 9月中旬の土日 平安神宮前にて開催
(レイバーは毎年出動するわけではありません)

平安神宮
京都市左京区岡崎西天王町
6:00~17:00 or 17:30 or 18:00

京都市バス 京都会館・美術館前下車すぐ
市営地下鉄東西線 東山駅下車 徒歩約10分
京阪 神宮丸太町 or 三条駅下車 徒歩約15分
 

京都岡崎レッドカーペット – 京都文化祭典

京都岡崎ハレ舞台 – 京都文化祭典

平安神宮 – 公式