大覚寺の秋の夜間特別拝観・真紅の水鏡へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2014年11月28日(金)


大覚寺の秋の夜間特別拝観・真紅の水鏡へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

旧嵯峨御所大覚寺門跡に、私は 「赤」 のイメージを勝手に抱いてます。
嵯峨天皇が建立した離宮を前身とし、言うまでもなく真言宗大覚寺派本山である、大覚寺。
般若心経写経根本道場としても知られ、また 「いけばな嵯峨御流」 の総司所でもある、大覚寺。
別段、赤化した宗派 (何だそれ) の寺でも、赤化した流派 (何だそれ) の寺でもありません。
むしろ赤化の真逆を行くようにロイヤル極まる寺なんですが、私にとっては 「赤」 なのであります。
そう思う理由は、端的に言えば、宝塔です。宮廷文化の風情を伝える大沢池の畔に立つ、宝塔です。
大覚寺が寺化したきっかけである、嵯峨天皇の心経写経1150年を記念し建立された、心経宝塔。
この赤い宝塔、嵯峨野の深い闇の中でライトに照らされると、赤さがより印象的なんですよね。
それが、境外の一条通あたりからチラっと見えたりするのも、インパクトがあったりするんですよね。
当サイトは大覚寺、観月の夕べ宵弘法年越しなどなど、何故か夜にばっかり訪れているため、
闇の中に浮かび上がる宝塔の姿を見る機会が自然と増え、 「赤」 の姿が印象づけられたわけです。
「だから何だ」 と言われたら話が終わりの、個人的事情に基づく個人的感慨に過ぎませんが、
ただ 「赤化した門跡寺院」 という冗談が湧く程度には、大覚寺の 「赤」 、強烈という話であります。
それに、ロイヤル極まるこの寺の方から積極的に赤化を打ち出す機会も、ないわけではありません。
大沢池は 「日本初の花見」 ともされ、桜の名所としての知名度も非常に高い大覚寺ですが、
実は紅葉も充実しており、池畔に続く紅葉の並木道は京都でも他に例がないという話もあるほど。
秋になれば、ライトアップされた紅葉が大沢池の水面に映る夜間特別拝観も実施されており、
その夜間拝観が 『真紅の水鏡』 と題されるなど、なかなかな赤化加減を見せてくれてるのです。
そんな 「赤」 を堪能するべく、またぞろ夜の大覚寺へ出かけたのでした。


客引きしてる人力車の兄ちゃんから完全スルーされたJR嵯峨嵐山駅を出て、
観光客の姿をほぼ見ないまま新丸太町通を渡り、住宅地を延々歩いて到着した、19時の大覚寺。
観光客の姿は結局、この辺に来るまで見かけませんでした。皆、バスかタクシーで来るんでしょうか。
あ、御覧の唐門前は実に入り口感溢れるセッティングになってますが、夜間拝観入り口は別です。


ここでも客引きしてる人力車の兄ちゃんから完全スルーされながら唐門を通り過ぎ、
その西側に設営された大沢池に直結の夜間拝観受付へ行って、拝観料500円を支払い、境内へ。
拝観料、昼間と同じです。何かお得な様な気がしますが、入れる場所は昼間より大きく制限されます。
といっても、伽藍は割と昼と変わらず、大沢池の方が大幅制限。池に落ちる人が多いんでしょうか。


で、入ればすぐに茶屋があり、気になる 「蓮カレー」 の字の向こうに、チラ紅葉。


そして少し進めば、ライトアップされた紅葉。


もう少し進めば、ライトアップされた大沢池と、紅葉。


観月の夕べで働き過ぎて休んでる船と、チラ紅葉。


緑でライトアップされた何らかの葉と、池の彼方の紅葉。


奥へ進めば、ぬれ縁に覆い被さるかのような、紅葉。


その奥には、ウェルカム紅葉を配置した、五社明神。


さらにその奥には、燃えるような紅葉と、 「赤」 の権化たる心経宝塔。


ぶっちゃけ色調調整で若干赤味を下げても、まだまだ赤い、心経宝塔。


心経宝塔の手前では、閼伽堂と、その奥で輝くチラ紅葉。


池に寄れば、石仏に覆い被さるかのような、紅葉。


灯籠の借景には、灯籠の外側で火が燃えているかのように、紅葉。


そしてその向こうから始まるのは、紅葉の並木道。


「赤」 の洪水のような、紅葉の並木道。


こちらはもっと色味が色々溢れんばかりの、紅葉。


色味を色々浴びせかけられるような、紅葉。


薄めな場所も、闇が妙に魅力をブーストしてる、紅葉。


青味もまた、どこか味になってる、紅葉。


もはや、味も何もわからんような勢いの、紅葉。


何もわからんまま喉へ押し込まれるような、紅葉。


とか言ってる内に到着した、紅葉の並木道の終点。


で、改めて引き返して遠目で眺めた、 『真紅の水鏡』 。


実は人がいっぱいで、誰かの頭も入ってる、 『真紅の水鏡』 のアップ。


目の色調が狂いそうな程 「赤」 を浴びた後、一応観るかと思い入る、諸堂。


一応観るかと思いながら一応観る、村雨の廊下。


一応観るかと思いながら一応観る、宸殿前の嵯峨菊の何ちゃら。


そして20時頃、一応観るかと思ってぬれ縁へ上がると、また覆い被さるように、紅葉。
五大堂では、奉仕のおばちゃんが 「甘酒の接待がある」 とか言ってましたが、この時間には終了。
19時頃は多めだった客も、この頃はぐっと減少。ひとりで行くなら、20時頃がいいかも知れませんね。
ただ、気になってた蓮カレーを帰りに食おうと思ったら、茶屋自体の営業が終わってました。無念。

客層は、カップルがメインです。
遠来系というより近隣系の学生風が多く、他の若者層も似たり寄ったりのテイスト。
恋愛ハイや観光ハイはそれなりにありますが、境内が広いため、プレッシャーは薄めかなと。
中高年は、あからさまに遠来の観光客が多く、30代~40代がメイン。夜ゆえか、老人は少なめ。
あと、何故か地元 or 近隣系の親子連れ、多し。子連れ中国人親子も、割と見かけました。
単独は、男は老若問わずカメ、女は普通の観光客という感じでしょうか。

そんな大覚寺の、秋の夜間特別拝観・真紅の水鏡。
好きな人と行けば、より赤化なんでしょう。
でも、ひとりで行っても、赤化です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:4
女性グループ:1
男性グループ:微
混成グループ:1
修学旅行生:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:若干
中高年団体 or グループ:2
単身女性:微
単身男性:若干

【ひとりに向いてる度】
★★
客層そのものは、かなりなアウェー。
狭い場所なら、問答無用で★判定だったかも知れない。
ただ、境内が広いため、各種プレッシャーはかなり緩和される。
蓮カレーに興味がなければ、20時頃から行くのがおすすめ。

【条件】
平日金曜+紅葉盛り過ぎ 19:00~20:20


秋の夜間特別拝観・真紅の水鏡
毎年 11月中旬~12月初旬 開催

大覚寺
京都市右京区嵯峨大沢町4
通常拝観 9:00~17:00

JR嵯峨野線 嵯峨嵐山駅下車 徒歩約17分
嵐電 嵐電嵯峨駅下車 徒歩約20分
京都市バス・京都バス 大覚寺バス停下車 すぐ
 

旧嵯峨御所 大覚寺 門跡 – 公式

大覚寺 – Wikipedia

夜間特別拝観 – 大覚寺 公式