大石神社へ桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2015年3月31日(火)


大石神社へ桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

大石神社。京都・山科にあって、その名が示す通り、大石を祀る神社です。
といっても、巨大な石を御神体的に祀るといった、プリミティブな信仰が息づく社ではありません。
何ちゃらの何ちゃらとして余りにも有名な、大石良雄 aka 大石内蔵助を祀る神社であります。
大石内蔵助。江戸期の何ちゃら藩にあって何ちゃらに何ちゃらするものの、その何ちゃらが何ちゃら。
直ちに何ちゃらの為に何ちゃらを決意した大石は、入念なる何ちゃらを行った後、見事、何ちゃら。
その何ちゃら振りは 『何ちゃら』 として物語化され、日本人の心性に合ったのか神話レベルで浸透。
近年は日本のみならず、ハリウッドでRNN47的に何ちゃら化されたのも、記憶に新しいところです。
そんな大石が、何ちゃらの為に何ちゃらをする準備段階の際、隠棲してた地こそが、京都・山科。
何ちゃらの気配を敵に気取られぬ為の偽装か、あるいは単に都会に来て何ちゃらしたくなったのか、
伏見の色街・橦木町へ出かけては 「隠棲」 ならぬ 「淫性」 に励んだという説もあったりしますが、
とにかくそんな隠棲に於ける大石との縁に基づき創建されたのが、こちら大石神社なのであります。
創建されたのは昭和初期と、かなり最近。創建を提唱したのは、上方の浪曲師・吉田大和之丞
境内には、 『何ちゃら』 を演じたスターから奉納されたお宝アイテムを多数所蔵する宝物館が建ち、
また、戦前の関西圏に於ける芸能パワーの残り香が感じられる点でも興味深いスポットなんですが、
それと同時に、いや近年はある意味でそれ以上に人気を呼んでるのが、 「大石桜」 なる名の桜
神社創建の際、建設地に生えてた枝垂れ桜を境内に定植して、御神木にされたというこちらの桜は、
元々は名無しの御神木だったそうですが、親しまれる内に自然と 「大石桜」 なる呼称が定着。
現在は桜の名木として、正直さほどアクセスが良くない立地ながら、多くの参拝者を集めてます。
そんな大石桜、何ちゃらの何ちゃらを何ちゃらすべく、観に行ってきました。


大石神社の最寄り駅は、市営地下鉄・椥辻駅。といっても、下車約徒歩25分ですけど。
京阪バスに乗れば 「大石神社」 下車すぐですが、私はバスが嫌いなので、椥辻駅から歩きます。
駅を出て新十条通へ入り、いかにも郊外、いかにも山科といった風景の中、西へ向かうこと、しばし。
満開にはまだ微妙に早い時期ですが、沿道の桜は良い咲きっぷり。大石桜、期待できそうですね。


しばらく歩くと、 「大石神社前」 という交通標識が現れ、その傍には御覧の石碑あり。
「左 大石良雄 旧跡」 と掘られた字。そして、同じく左の脇道を指す岩屋寺の看板も、背後にあり。
岩屋寺は、大石が隠棲の際、境内に家を設けた寺。大石神社はきっと、その隣にでもあるんでしょう。
と思いながら岩屋寺へ向かうと、擦れ違う人が 「よう間違われるらしいで」 とか言ってます。あれっ。


で、到着した岩屋寺と、その桜。


境内に堂々と立つ大石の何ちゃら碑と、桜。


これが大石桜に違いないとか思った、見事な枝垂れ桜。


いや来てよかった大石桜、とか思いながら観た、仏の背中と桜。


とか思いながら境内に出てた案内図を見ると、大石神社、岩屋寺とは全然違いました。
ここはここで、凄く良いんですけどね。いるのは地元の母子と老人ばかりで、雰囲気も穏やかだし。
ただ、今日の目的はあくまで、何ちゃらが何ちゃらな大石桜。案内図に従い、大石神社へ向かいます。
謎の老人テニス声を聞きながら、絶対にミスリードされてるとしか思えない山道を進むこと、しばし。


で、竹林の隙間から桜が見えたと思ったら、大石神社の真正面へいきなり到着。


そう、こちらの枝垂れ桜こそが、正真正銘、本物の大石桜でございます。


境内に流れる和風BGMが微妙に残念ですが、大石桜でございます。


しかし、それにもめげず、本堂へ枝垂れかかるような勢いの、大石桜でございます。


そんな大石桜の勢いを目の前で観れて、嬉しそうにも見える、本堂。


そんな嬉しそう本堂の傍から、大石桜を見つめる、大石狛犬。


そんな大石狛犬を向こうから見つめる、大石願掛け像。


そんな大石像願掛け像の上へ枝垂れかかるような、大石桜ではない桜。


で、討ち入り成就に効く大石像願掛け像に、討ち入り成就を祈願。


で、武器調達で討ち入りを支えた義人を祀る義人社に、武器調達も祈願。


で、境内を出て、改めて勢いのある大石桜に対しても、今後の枝垂れを祈願。


で、大石桜の足下で何故か飼われてるロバの花子にも、今後のロバを祈願。


そんなロバの花子を観ながら引いた籤は、 「討ち入り籤」 とかではなく普通の籤。


そんな籤を引いた後に入った、何ちゃらや何ちゃらのお宝が一杯な、宝物館。


そんな宝物館の真横にそびえる、ベタだけどおおらかな咲き振りが映える、桜。


やはりベタだけど、風土の良さを感じさせる咲き振りが魅力的な、桜。


そして、往路で端折った参道は、御覧の通り、桜が満開なのでございます。


こちらもやはり、おおらかな咲き振りが実に魅力的な桜なのでございます。


で、結局最後にやって来た本当の入口・一の鳥居を、逆光にて眺めるのでございます。
15時で逆光ということは、東向きなんですね、大石神社。江戸・高輪の方でも向いてるんでしょうか。
そういえば帰り際、中国人数人のグループが乗ったタクシーと、奥に見えてる参道で擦れ違いました。
中国人、喚きながら境内へ入り、 「あれっ」 という感じですぐまたタクシーに乗り、去って行きました。

客層は、基本的に地元の母子および中高年ばっかり。
境内に和風BGMが流れてたので、俗化してるのかと思いきや、謎なくらい地元寄りです。
時折、総員連れの家族連れや、中高年&孫というグループも見かけますが、
客の基本ラインはあくまで、母子および子供数人の母子と、中高年の各種2~3人連れ。
ネイティブ感が強い層ですが、宅地開発されたエリアゆえ、アウェー感はさほどでもありません。
地元民以外で見かけるのは、たまに観光系おばはんが来たり、中国人が来たりする程度。
単独は、普通の地元風。連れがどっかにいるような感じの人ばかりでした。

そんな大石神社の、桜。
好きな人と観たら、より何ちゃらなんでしょう。
でも、ひとりで観ても、何ちゃらです。

【客層】 (客層表記について)
カップル:若干
女性グループ:微
男性グループ:0
混成グループ:微
子供:0
中高年夫婦:微
中高年女性グループ:2
中高年団体 or グループ:7
単身女性:0
単身男性:1

【ひとりに向いてる度】
★★★★
客層はネイティブ系が主体だが、
アウェー感は特にないし、むしろ穏やかな気分を楽しめる。
が、わざわざ遠方から来る程のものかどうかは、不明。
忠臣蔵絡みの見物ついでに観る程度で来れば、いいかなと。

【条件】
平日火曜+桜満開 13:50~15:00


大石神社
京都市山科区西野山桜ノ馬場町116
9:00~16:00

京阪バス 大石神社下車 徒歩約1分
市営地下鉄 椥辻駅下車 徒歩約25分
 

京都山科 大石神社 – 公式

大石桜 – 大石神社

大石神社 – Wikipedia