貴船べにやで、昼床を楽しんできました。もちろん、ひとりで。

2016年5月13日(金)


貴船べにやで、昼床を楽しんできました。もちろん、ひとりで。

何度も書いてることですが、当サイトで最もアクセスが多いのは、貴船の川床記事です。
鴨川の川床記事では、ありません。貴船の川床記事です。それも、カフェをめぐった記事です。
ひろ文の床へ行ったついでに、川床カフェ2軒へ寄っただけの記事が、昔も今も一番人気なのです。
この過酷な現実に直面した私は、 「何だ、結局は安いのがいいのか。ああそうかそうか」 とグれ、
アクセスが遙かに楽な鴨川エリアでコーヒーを飲み倒す川床カフェめぐりなんてのをやらかしたり、
更には和食の枠を超えてタイ料理川床なんてのも推してみたりもしましたが、状況は変わらず。
カフェ、そしてひろ文の貴船2記事は、今なお全鴨川記事を凌駕し、最大の稼ぎ頭であり続けてます。
この状態はつまり、貴船には高い人気があるということを、実にストレートに示してるんでしょう。
そして同時に、恐らくはその人気の割に、貴船に関する情報が少ないということでもあるんでしょう。
これは、やらねばならぬ。出費が痛くとも、やらねばならぬ。夏本番の到来など、待ってられぬ。
そう考えた私は、久しぶりに 「ゆか」 ではない 「どこ」 を求めて、5月の貴船へ向かったのでした。
今回赴いたのは、貴船の料理店が立ち並ぶゾーンのいわば入口に店を構える、貴船べにや
こちらのべにや、 「べにや」 という検索ワードで当サイトに流入して来る方が、妙に多いんですよ。
うちにはこれまで、べにやの記事は存在しませんでした。にも関わらず、飛んでくる人が多い。
ひろ文の記事で店前を通る程度のことは書いてますが、まあ、それだけです。にも関わらず、多い。
この状態はつまり、べにやには高い人気があるということを、実にストレートに示してるんでしょう。
そしてまた、恐らくはその人気の割に、べにやに関する情報が少ないということも示してるんでしょう。
これは、やらねばならぬ。出費が痛くとも、やらねばならぬ。夏本番の到来など、待ってられぬ。
そうも考えた私は、久しぶりに 「ゆか」 ではない 「どこ」 を求めて、5月の貴船へ向かったのでした。
そう、これはあくまでも新たな挑戦なのです。客数の基礎票を固めるという、新たな挑戦なのです。
固めた基礎票の層に、偶発的にでも当サイトのスピリットへ触れてもらう為の、新たな挑戦なのです。
決して、少し小金が出来て天気も良かったので、何となく貴船へ出かけたわけではありません。
断じて、行ったら店探しが面倒になり、一番駅近のべにやへ入ったわけでもありません。


というわけで、何となく13時発の叡電に乗って13時半に着いた、全てが新緑過ぎな5月の貴船。
叡電は、観光客的にも地元民的にも、混雑はなし。もみじのトンネルでも、騒ぐ者や見入る者はなし。
貴船口駅で降りたのも、観光客っぽいのが10人程度。ホームは、鞍馬へ向かう人達で溢れてました。
で、そのホームを出て、徒歩開始。一昨日まで雨だった為に、貴船川の水は程良く豊かで、美しい。


歩くといっても、貴船口駅から貴船のいわゆる料理店街までは、2キロ弱ほどと、結構な距離。
あ、無論、送迎バスや路線バスは走ってますよ。送迎バスは、ひとりでも乗れるか知りませんけど。
私が路線バスにも乗らないのは、単に金をケチってるだけです。あと、新緑を目で直接見たいという。
若葉と流水、そして花々。実に眩しい。ただ、適当に歩き始めた為か、何か途中で疲れてきました。


「新緑ももうお腹一杯かな」 と思い始めた頃、川を覆う更なる新緑の奥に見えた、べにやの床。
駅から歩いて来た独 or 物好き者は、貴船・川床のファーストルックを、こんな風に得るわけですね。
で、きっと歩くのがもうしんどくなり、 「この店でいいか」 と考え、一応調べてみようとするわけですね。
で、きっとそういった検索行動増加が、当サイトへの検索流入増加に繋がってたりするわけですね。


時間は、14時。店の前を一旦通り過ぎながら、果てさてこれからどうしようかなと思案します。
べにや、確かに料理店街の入口とも言える店ですが、ここから店が林立してるわけでもありません。
貴船の料理店街が本格的に始まるのは、ここからもうちょっと、先の方。200mくらいはあるでしょうか。
そこまで歩いて、どの店に入るか思案してたら、昼の営業が終わってしまうかもな。どうしようかな。


べにや、さっき見た感じでは、床席に余裕あるみたいだったしな。もう歩くのも、しんどいしな。
と、私もまた見事に 「この店でいいか」 状態となり、入店しようと改めて正面にやって来た、べにや。
しかしその店構えは、そんな舐めた根性を跳ね飛ばすように、立派。右側のメニュー板を確認します。
5月の推しは、3200円の櫃まぶしや4100円のミニ会席みたい。床料など全込みで、5000円前後かな。


今日の予算は、MAX1万。無論、出来れば、抑えたい。5000円なら、ちょうど良い感じかもな。
みたいなことを思案してると、店のおっちゃんが 「どうぞどうぞ、いらっしゃい」 と声をかけてきました。
「ひとりですけど、川床、大丈夫ですか」 と訊くと、訊き終わる前から 「大丈夫大丈夫、どうぞどうぞ」 。
で、そうですかそうですかと入店し、立派な土間で靴を脱ぎ、和服の仲居さんの案内で、奥の床へ。


で、床。 「ゆか」 ではない「どこ」 。


床。 「ゆか」 ではない 「どこ」 。


川。 「かわ」 ではない 「せん」 。


滝。 「たき」 ではない 「だき」 。・・・とにかく、風流なこと、半端ありません。


べにやの床は3ブロックが開いてて、上流側の2ブロックが満員。中々の大バコでございます。
注文したのは、ミニ会席。値段は先述通り、4100円。これでも、7月~8月に比べたら半額以下かも。
貴船の床、5月の昼は特に安いんですよ。その分、飲物を推してくるかと思ったら、そんなこともなし。
一人客は飲まないと見切ってるのかな、とか思ってる内に運ばれてきた、ミニ会席の箱盆&八寸。


で、八寸。


箱盆の、焚き合わせ。


箱盆の、造り。


箱盆の、山菜小鉢。


という感じで、風流もひったくれもない勢いで飯を食いつつ、景色もそれなりに楽しみます。
5月の床は、当然ながら、涼しめ。寒いということは全然ないですが、沿道との気温差は結構、あり。
流石は川の上、というわけです。それにしても、水、美しい。水量が多いと、気温、下がるんでしょうか。
3人ほどいる仲居さんも、団体客で忙しそうながら一人客も放置せず、丁寧に対応してくれましたよ。


で、そんなことを感じながら、天ぷら。


ちょっとだけ鰻が入った、茶碗蒸し。


食事の〆は、吸い物+香の物+櫃一杯の白飯。


飯後に食らう、貴船名物の栃餅。


デザートは、クリームを添えたマンゴーアイス。


この頃には団体が帰ったのでじっくり見る、大バコ感溢れる床と滝。


という感じの、ミニ懐石@床でございました。川の上にいたことをしみじみ感じつつ、帰ります。
玄関前へ行って精算すると、お代はメニューの額と同じ4100円。全込みで、あの値段だったみたい。
おまけに、このまま貴船口駅まで戻るのなら、送迎バスで送るとも言ってくれましたよ。流石、大バコ。
貴船神社界隈を散策したかったので遠慮しましたが、その帰りに寄れば送るとも。何か、恐縮です。


で、帰り際には、 「お靴、お願いします」 と言われ、小汚いスニーカーを用意してくれましたよ。
ハイキングやら山歩きやらで、小汚い靴を履いた客は多い所だと思いますが、でも何か、恐縮です。
で、その小汚い靴で玄関を抜けると、 「どうぞどうぞ」 のおっちゃんにも送迎を薦められ、やはり遠慮。
沢山の人が丁寧な仕事をしてる大バコで、何か得した気分になれた、べにやの昼床でありました。


時間、15時。カフェ営業をやってる店の有無確認もしようと思い、神社方面へ向かってみます。
料理店街、昼営業タイムはとっくに終了だろうと思ったら、多くの店がまだ余裕で昼営業しまくり中。
鳥居茶屋のおばちゃん達を始め、あちこちの店で 「お食事どうですか」 と何度も声をかけられました。
こっちは白飯を3杯も食い、満腹。金があっても、寄り様がありません。カフェはないかな、カフェは。


呼び込みの視線の隙を突く様に、川床カフェをやってる店を探しますが、見当たりません。
以前訪れた貴船倶楽部 = 右源太も、川床カフェの営業はなし。更には、外からの床撮影も禁止化。
その床を背景に、禁止化の原因であろう中国人団体が、狂った様な勢いで記念撮影しまくってました。
やはり以前訪れた兵衛も、カフェ床営業はなし。そうですかそうですかと思いながら、帰りましたとさ。

べにやの客は、中高年の地元系団体(30~40人)が1組、
家族連れ系の少人数グループが数組、そして単独の妙齢女性が若干名、以上。
前の道には中国人やアホな若者がやたら多いですが、店の中にそういう輩は、いません。
あと、どうでもいいことですが、駅から料理店街までの道を歩いてるのは、何故か独り者ばかり。
それも、男性よりも女性が、多し。ひとりの時代、来てるんでしょうか。

そんな貴船べにやの、昼床。
好きな人と行けば、より川床なんでしょう。
でも、ひとりで行っても、川床です。


【ひとりに向いてる度】
★★★
アウェー感や敷居の高さは、感じない。
ひとりの気まずさも、なし。むしろ、恐縮するほど。
ただし、オンシーズンはどうなるか、知らん。

【条件】
5月 平日金曜 14:00~15:00
 

貴船べにや
京都府京都市左京区鞍馬貴船町17
11:30~19:00

叡山電鉄 貴船口駅下車 徒歩約20分
京都バス 梅宮橋下車 徒歩約1分
 

京都貴船 川床料理旅館 貴船べにや – 公式