亀岡平和祭・保津川市民花火大会へ花火を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2016年8月7日(日)


亀岡平和祭・保津川市民花火大会へ花火を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

爆発を、 「美」 として描く or 堪能すること。それは、平和な状況でのみ可能な行為です。
いや無論、戦時下でも爆発の描写そのものは決して珍しくはなく、むしろ盛んに行われるでしょう。
しかしそれらは概ね、 「勝利」 「成果」 or 「悲劇」 「非人道性」 などを表象する為のものであり、
爆発によって四散する命をもエレメントとして取り入れるような 「美」 の表現には、まずなり得ません。
殺される側にとって爆発の惨状は、当然ながら 「美」 とは懸離れた地獄として現前するのであり、
また殺す側にとっても爆殺の美化は、どれだけ正当化のロジックを駆使してもなお困難を極めます。
死者に祈りを捧げると同時に、こっそりと死者の死の瞬間を審美する脳天気な 「美」 の享楽は、
脳天気な平和状況に於いてのみ成立するものであり、ある意味で、平和の証とも言えるわけです。
8月の日本に於いて、爆撃の再現としか思えない花火大会が平和祈願の名目で開かれるのは、
送り火の風習を持つ盂蘭盆会終戦記念日のタイミングが重なったという我が国固有の事情に加え、
爆発が享楽し得るほど我々は平和であると、死者を含む世界へ宣言する為なのかも知れません。
「亀岡平和祭」 と堂々銘打たれたイベントの一環として行われる京都府亀岡市の花火もまた、
平和ゆえに可能な爆発の享楽を、夜空に舞い踊る魂火の審美を、存分に楽しめる催しです。
口丹波の中核都市・亀岡市は、1955年に 「世界連邦平和都市宣言」 を発し、 「平和祭」 を開始。
同時に、市の真ん中を流れる保津川 = 大堰川 = 桂川にて、約5000発を爆発させる花火大会も開始。
南丹・八木の凄まじさに隠れてる印象がなくもないですが、その規模はなかなかに爆発的であり、
花火貧民たる京都市民にとっても、JRに乗って爆発の飢えを満たしに行く貴重な機会となってます。
そんな亀岡の花火、当サイトとしては夏の定番行事を押えるべく今回の特攻に挑んだんですが、
写真の方は、花火の爆発が持つ 「美」 、それこそ死すらも孕む 「美」 に、焦点を合わせてみました。
長時間露光で光を叙情的に描くのではなく、飛び散り弾け飛ぶ瞬間の光こそを動的に描くことで、
「美」 の真只中で四散した命へ脳天気にシンパサイズし、共に夜空を舞おうと考えたわけであります。
そう、これはあくまでも、新たな挑戦なのです。脳天気な平和を手放さない為の、挑戦なのです。
断じて、単に人が少ない遠方まで離れて望遠で撮ってみたら、妙な絵になったのではありません。
決して、手持ちゆえシャッター速度を上げ、妙な絵がもっと妙になったのでもありません。


亀岡の花火は、8月7日の固定開催。で、この年は日曜開催。で、大混雑な18時半のJR亀岡駅
京都を出る時点で満員+円町と嵐山でもっと乗り込んだ客が、一斉に電車からホームへ溢れます。
「ホームでの花火鑑賞禁止」 の張紙を眺めながら待ち、牛歩で階段を上って、糞詰り状態の改札へ。
ICカード使えるけど、混むんですよね。改札を抜けると、帰りの切符購入客で、通路も糞詰り状態。


蝸歩で駅を出て川側へ進むと、有料観覧席&有料客向け屋台ゾーンが現われますが、通過。
外へ出ると混雑は緩和されますが、まだ普通には歩けません。夕陽を眺めながら、また牛歩します。
しばらく歩くと、屋台が少し出てる 『保津川下り』 乗り場へ出ましたが、こちらも通過して保津大橋へ。
花火打ち上げは、大体この辺。で、無料エリアは、橋を渡った東岸。で、橋への道は、レミング状態。


花火の際の保津大橋、19時以降は歩行者のみとなるので、歩道、こんなに混まないんですが。
現在、18:55。惜しい。無念さを耐えながらレミングの波に飲まれ、自らもレミングとなり、しばし蝸歩。
「花火鑑賞禁止」 の看板を眺めながら蝸ってると、東岸に、無料民向け露店ゾーンが見えてきました。
露店ゾーン、鉄板が出す煙で、花火より先に煙りまくり。地元の子供達が、大集結してるみたいです。


やっとこさ橋を抜け、東岸へ到着。といっても、めぼしいポイントはほぼ全て客で埋まってますが。
私は最初から立ちっぱ上等なんですけど、背後の宅地にも客がいて邪魔になる為、遠慮して移動。
上流側へ延々歩いて行くと、見物客が地元系らしき家族連ればかりになり、混雑もマシになりました。
ということは、この辺でも観れるな。と考え、暗くなった空に浮かぶ月で、望遠テスト。いい夜空です。


とか思ってる内に、20時、打ち上げ開始。
ど━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


どどどどどど━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


ぼ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


びょ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


ば━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


ひゅるひゅるひゅるぼぼぼぼぼ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


じゅぼんじゅぼんずどどどどどどどど━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


どんっわ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


どば━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


どば━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


どばばばば━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


ぽ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


ひゅんひゅんひゅんずばばばひゅんひゅんずばばば━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


ずばばばばばばどばばばばばばずばばばばばばどばばばばばば━━━━━━━━━━━ん。


じょわじょわじょわじじじじじじじじょわじょわじょわじじじじじじじょわじょわじょわ━━━━ん。


どうんっばお━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


どばばずばばどばばずばばどばどばずばどばどばずばどばばばずばだばどばどど━━━━ん。


ひゅんひゅんひゅんばばずばばどばどばずばどどば━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。


どばばばばばばばばばどばばばばばばばばどばばばばばばばばば━━━━━━━━━━ん。


ば━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ん。
で、21時過ぎ、終了。単玉が多めでしたが、首が凝るほど高く上がる花火でございました。


で、終わると客は橋へ向かう、と言いたいところですが、この辺の客は皆、逆の西側へ移動開始。
流されるまま、私も移動開始。シャッター押しに指が飽きたので、写真も撮らず延々と西へ進みます。
人が減って身動きが自由になっても、勢いで西へ歩いてると、花火目当の車が団子状態の道へ到達。
その道をわけもわからず歩くと、何とか亀岡駅に繋がる道へ入り、22時前、やっと駅へ着きました。


22時の亀岡駅、駅前の露店ゾーンが健在+電車客も多く、大混雑。しんどいな。避けたいな。
と思ってると、駅前の 『さぬき亭製麺所』 が営業してたので入り、 「かき氷うどん」 なるものを食す。
冷やしうどんの氷をかき氷にしたメニューで、食後はオプションでシロップ投入。これで、650円。お得。
で、最終一本前に乗ったら、結局、大混雑。平和は平和でしんどいなと思いながら、帰りましたとさ。

客層は、場所によって結構テイストが変わります。
電車内および電車で来る客は、右京区系な地元20代カップルと若い家族連れが多め。
電車を降りると、ここに地元系の若者と家族連れが混ざり、現場へ近付く毎に後が増えます。
橋近辺のゾーンは、地元のジャリと電車系のジャリが大勢を占め、若干浮ついた感じ。
保津川東岸の無料観覧ゾーンは、本文でも書いてる通り、橋から離れるほど近所の人が増加。
全体として見た場合、20代~30代をメインにした烏合の衆としか、言い様がありません。
ただ、若い阿呆しかいない感じではなく、汎関西的なテイストのネイティブ祭という感じでしょうか。
観光客っぽい人間は、ほとんど目にすることなし。せいぜい、学生っぽいのがいる程度。
とはいえ、移住系が多い市でもあるので、ネイティブ全開ゆえのアウェー感も割と希薄です。
単独は、カメのおっさんくらい。他は、単に地元 or 近所の人が観に来てるくらい。

そんな亀岡平和祭の、保津川市民花火大会。
好きな人と観たら、より平和なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、平和です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:3
女性グループ:1
男性グループ:1
混成グループ:若干
子供:1
中高年夫婦:若干
中高年女性グループ:若干
中高年団体 or グループ:3
単身女性:超微
単身男性:微

【ひとりに向いてる度】
★★★
アクセス途中の混雑を夏の風情と割り切り、
長距離徒歩も厭わなければ、上質の花火をゆっくり楽しめる。
完全に地元仕様の花火だが、アウェー感はさほどない。
カメラを持ってれば、単独で浮くということも多分ないと思う。

【条件】
日曜 18:30~22:30


 
 
 
 
 
亀岡平和祭・保津川市民花火大会
毎年8月7日 保津大橋上流にて開催

JR嵯峨野線 亀岡駅下車 徒歩約15分
 

亀岡平和祭・保津川市民花火大会 – 公式

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