梅小路公園の紅葉まつりライトアップを観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2016年11月25日(金)


梅小路公園の紅葉まつりライトアップへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

幼い頃、山陰本線の車窓から梅小路貨物駅を眺めた記憶が、かすかにあります。
私の親は丹波出身なので、帰省で山陰線へ乗ることが珠にあり、その際に見たわけですね。
完全な幼児の疎覚えなので、本当に自分の目で見た記憶なのかどうかも現在では怪しいですが、
ただ、私鉄しか走ってない地元では見たことがなかった超大規模なる 「鉄」 の世界を垣間見て、
「これから遠くへ行くんだ」 という旅情 or 寂寞感のようなものを感じたことは、確かに記憶してます。
平安期は平清盛の西八条第が建ち、江戸期は土御門家の本拠地であった京都南部・梅小路が、
広大なる貨物駅を擁する一大 「鉄」 ゾーンと化したのは、もちろん、日本に鉄道ができた明治以降。
洛中の繁華街は線路が通し難い為に、京都の玄関口たる京都駅は南部にて作られることとなり、
それに伴って貨物扱いもその近所・梅小路で行われることとなり、梅小路貨物駅は誕生したのでした。
以後、近代&現代を通じて長く活躍した梅小路駅でしたが、1990年に設備が移転し、空き地化。
やがて空き地はJRから京都市へ売られ、買った京都市は何ちゃら記念として空き地を公園に整備。
かくして梅小路貨物駅は、庭園やビオトープなどで構成された都市公園・梅小路公園へ再生し、
長じた私が便所へ寄った際には、個室の壁を登ったその筋の方と目が合ったりもしたわけであります。
梅小路公園、近年は敷地内に京都水族館ができ、旅客新駅も開設予定と活性化が著しいですが、
庭園 「朱雀の庭」 もまた、より集客を図るべく晩秋には「紅葉まつり」 を開催し、ライトアップも実施。
京都駅からギリ歩いて行ける夜の紅葉スポットとして、ジワジワ認知と人気を高めつつあります。
と、幼少の頃に抱いた 「鉄」 な印象からすると、私的には隔世の感を感じまくる今の梅小路ですが、
しかし千年単位で物を考える京都では、100年ほどブイブイ言わせた 「鉄」 こそ過客に過ぎず、
紅葉の映える庭園へと姿を変える方が、ある意味、この街らしい流れと言えるのかも知れません。
そんなことを思いながら、私もまた便利さに釣られて、夜の梅小路公園へ出かけてみました。
庭の名物という 「逆さ紅葉」 は、私の心を 「遠く」 へ連れて行ってくれるでしょうか。


梅小路公園の最寄駅は、無論、京都駅。丹波口駅も近いですが、こっちの方が色々便利です。
和傘風な照明の京都タワーを眺めながら出た18時の京都駅は、帰宅&観光ラッシュで、死の混雑。
爆走する帰宅者&前方不注意の観光客の間をすり抜け駅前を出たら、後はひたすら西へ歩きます。
市バス、あるいは昭和全開な京阪京都交通バス国道線に、ちょっとだけ乗るというのも味ですけど。


塩小路通を西へ進み、リーガの前の歩道橋まで来ると、辺りに微妙な昭和感が漂い始めます。
旅情 or 寂寞感の欠片もない現・京都駅に比べると、この辺は再開発がまだ先という感じでしょうか。
さらに西へ進むと、昭和全開な国道線に昭和全開なCMを出し続けてる 「とんかつ一番」 もあったり。
幼い頃に感じた 「梅小路感」 が少しある気がして、私は楽しいです。 「一番」 の豚も、楽しそうです。


とか思いながら西へ歩いてると、大宮通へ到達し、梅小路公園の東側ゲート前へ着きました。
ここまでとは一転して、旅情も寂寞感も昭和感もとことんない京都水族館の雄姿が、御出迎えです。
水族館、紅葉まつりと連携した夜営業は、ないみたい。というか、紅葉まつりの気配自体も、特になし。
やってるのか、ライトアップ。あ、私がその筋の人と遭遇した便所は、画面左のさらに左にあります。


日を間違えたのかとか思いながら、公園内を西へ進むと、ウェルカム紅葉の光が見えました。
で、そのウェルカム紅葉と共に聳え立つ 「紅葉まつり」 看板。 「朱雀の庭」 入口、到着であります。
「朱雀の庭」 は、梅小路公園の南西端。ここへ来るだけなら、丹波口駅の方が最寄かも知れません。
尤も、丹波口駅まで行く山陰線に乗るのが、面倒ですが。で、新駅も同様に面倒だと思うんですが。


「朱雀の庭」 入口は、レストランや貸室などを併設した 「緑の館」 という施設の中。
そこの2Fから入るという、面白い様式となってます。入場受付も、その2F。で、階段を昇段。


で、階段を昇段し、ボランティアっぽい雰囲気のスタッフの人から、入園券を購入。
京都の作庭技術と技法の枠を結集したという 「朱雀の庭」 、では入らせてもらいましょうか。


で、入ってすぐ、2階の高さから、かなり暗くてよくわからん庭を眺める。


かなり暗い中を歩き始め、ライトのあるとこだけ赤く光る紅葉を眺める。


広大な為か、ライトが全然足りてなくて、ほとんど真っ暗な道を眺める。


で、もう少し進むと現われた、調子良さげな紅葉。


さらにもう少し進むと現われた、さらに調子良さげな紅葉。


さらにさらにもう少し進むと現われた、さらにさらに調子良さげな紅葉。


さらにさらにさらにもう少し進むと現われた、さらにさらにさらに調子良さげな紅葉。


で、ここまで観た紅葉を、少し離れた辺から眺めること、しばし。


そして、名物 「逆さ紅葉」 も、離れた辺から眺めること、しばし。


で、今度は思いっきり近付いて、オリジナルとコピーを合わせて楽しむ 「逆さ紅葉」 。


もっと近付いて、 「逆さ」 の部分だけ凝視する形で楽しむ 「逆さ紅葉」 。


今度は後へ下がって、逆さ樹木も共に楽しむ 「逆さ紅葉」 。


下がった先にある休憩所で食った、100円しるこ。


で、しるこを食ったら、 「逆さ紅葉」 近くで池の渡り石と紅葉を眺める。


渡った先で、暗過ぎる地面を照らすスタッフがいたその地面を眺める。


渡った先をさらに歩き、レストランなどの建物を借景に紅葉を眺める。


で、光る通路を通って休憩所へ戻れば、後は帰るだけ。 「朱雀の庭」 、以上です。
「もう少し庭の詳細に触れろ」 とか言われそうですが、本当に暗くてよくわからないんですよ。


で、休憩所の裏から有料ゾーンを退出。光り輝く京都タワーの方へ向かって、歩いて帰ります。
京都タワーの光、庭の中からもよく見えました。いや、近くを走るJRの光の方が、もっと見えました。
梅小路の 「鉄」 感、健在のようです。 「逆さ紅葉」 より、私の心を 「遠く」 へ連れて行ってくれたかも。
というか、 「緑の館」 のレストランが出す食物臭が、心を現世へ止め繋ぐんですよね。腹減ったな。


「腹減ったな」 と思った瞬間、豚の笑顔が脳を埋め尽くしたので、そのまま 「とんかつ一番」 へ。
外人客と入れ違いで入った店内は、満員。2階では学生が宴会中で、私の後では客の子が睡眠中。
頼んだとんかつ850円は、リアルな歯応えがある、昭和なとんかつ。ライス200円と共にガツ食いです。
大きく変わったようでいながら、あまり変わってないようでもある、そんな梅小路の夜でありました。

梅小路公園の紅葉まつり、客のメインは地元 or 近隣系のカップル。
ネイティブ全開な層というよりは、移住系っぽい消費者感が濃く、極めて凡庸な感じ。
他の属性の客はあまりいませんが、概ね地元 or 近隣系。観光感は、かなり希薄でした。
単独は、若いカメ。男女いずれも、カメばかりです。

そんな梅小路公園の、紅葉まつりライトアップ。
好きな人と観たら、より梅小路なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、梅小路です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:6
女性グループ:若干
男性グループ:0
混成グループ:0
子供:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:0
中高年団体 or グループ:2
単身女性:微
単身男性:若干

【ひとりに向いてる度】
★★
客筋的には、かなりアウェーでよろしくない。
人圧そのものは、特に問題にならないレベルだが、
動線が限定されている為、避け場が少ないのが、難。
紅葉の質は、 「逆さ紅葉」 以外は、まあまあ。

【条件】
平日金曜+紅葉ピーク 18:00~20:00


 
 
紅葉まつり
毎年11月下旬 梅小路公園にて開催
 

梅小路公園
京都市下京区観喜寺町56-3

JR各線 京都駅下車 徒歩約15分
京都市バス or 京都京阪バス
七条大宮・京都水族館前
梅小路公園・京都鉄道博物館前下車すぐ

梅小路公園 – 公式

梅小路公園 – Wikipedia