嵐電・桜のトンネルへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年4月12日(火)

桜のトンネル車内
嵐電・桜のトンネルへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

嵐電。正式名称、嵐山電鉄。
というのは、嘘です。もちろん。「嵐電」は、愛称。公式愛称。
本当の名前は、京福電気鉄道・嵐山本線および北野線。
「京福」の名前は何に由来しているかといえば、字のまんま、京都+福井。
もともとこの会社は、起点・嵐山から北野と出町柳を経由して鞍馬へ上り、
そのまま鯖街道を北上、日本海へ出て福井入りするという壮大な路線計画を持ってました。
というのも、嘘です。もちろん。チンチン電車で山越えは、つらいですよ。
京福電鉄は前身が京都電燈という電力会社であり、「京福送電線」なるものを敷設して、
夜の電力需要が高い京都と昼が高い福井との昼夜差を融通していました。
ついでに、電力の安定供給先を確保するため、両都市で鉄道も経営。
だから、名前が京福電鉄。両方をつなぐつもりは端からありません。
路面→山岳→海沿いを走破するチンチン電車が本当にあれば、楽しいんですけどね。
長年にわたり、京都と福井で古き良きローカル私鉄の風情を放ち続けてきた京福ですが、
21世紀に入って福井側が廃線+えちぜん鉄道として3セク化。
京都側もここ最近は観光により力を入れていて、嵐電の公式愛称化や駅のリニューアルを実施。
妖怪電車などイベント列車も多く企画され、この桜のトンネルもその一環というわけです。

四条大宮駅+一日乗車券
四条大宮駅から嵐電に乗り込みます。
時刻はもう夕刻ですが、何度かトンネルをくぐりたいので、一日乗車券を購入しました。500円也。
ちなみに嵐電の運賃は全区間200円均一。夕方からでも3回乗れば、元取れるってわけです。

帷子ノ辻駅・白梅町行きホーム
桜のトンネルがあるのは、嵐電北野線の鳴滝・宇多野間。
ほとんどの区間が単線、車輌もほとんど一両運行の、渋い路線です。
四条大宮からは直通列車がなく、帷子ノ辻駅で嵐山本線から乗り換えることになります。

桜のトンネル1回目
で、明るいうちに桜のトンネル、1回目。北野白梅町行きの前方かぶりつき、楽々と確保。
だいぶ散ってる感もありますが、まだまだ立派にトンネルになってます。

桜のトンネル2回目
宇多野駅で下車、千鳥式ホームを移動して帷子ノ辻行きに乗車、桜のトンネル2回目。
後方かぶりつき、また楽々と確保。線路そばには、撮り鉄な方が集まってらっしゃいます。

ディープな京言葉看板桜のトンネル線路沿い
鳴滝駅で降り、撮り鉄さん達が集まってたポイントへ行ってみます。
ディープ過ぎて目眩がする環境保護看板を横目で見ながらポイントへ着くと、
これまた目眩がするようなところに座ってる方がいらっしゃいます。

踏切から見た桜のトンネル
あと、何度か乗ったり、鳴滝駅そばの千成餅でうどんと赤飯を食ってるうち、夜になりました。
いよいよライトアップ、開始です。さっきのポイントへ、改めて行ってみます。

ライトアップされた桜のトンネル
やって来た夜桜電車。桜のトンネル通過中は減速&車内灯を消してくれます。
今回は東日本大震災の復興に向け、祈りと希望の明かりと題しての開催。
京都市観光協会の後援を得てるそうですが、例年とどう違うかは、知りません。

超至近距離で見る夜桜電車
走るというより歩いてる感じの夜桜電車を、超至近距離で見送る鉄+地元民+ガードマン。
ライトアップの時間は、1時間ちょっと。以前はもうちょっと長かったそうですが。
そういえば、帰りに「見逃した」「終わるの早い」とボヤいてる人を見かけました。

桜のトンネル車内
鳴滝からもう一度、乗ってみます。
もちろん減速してくれたところで、写真に撮ればただただ光の川であります。
鉄な方はあまり列車には乗ってこず、かぶりつきなのは主に普通の人。
で、もう一回宇多野から乗ったら、時間切れ、ライトアップ終了でございました。

嵐電嵐山駅ホーム鳥取砂丘からやって来た砂のお江
一日乗車券の元は充分取りましたが、でももっと「得した」気分を味わいたいので、
平野神社へ夜桜を観に行き、それでもまだ足りぬと思い、夜の嵐山へも寄ってみました。
駅前には、鳥取砂丘からやって来た、怖過ぎる砂のお江がお出迎え。

渡月橋のライトアップ
嵐山駅を出ると、丹波の婆ちゃん家へ行った時に感じた農耕の香りが、強く漂ってます。
人がいないのに健気に輝く、渡月橋のライトアップ。

大堰川右岸の桜
大堰川右岸の桜。人、あんまりいません。学生の団体が宴会の後始末してるくらい。
とにかく、寒い。帰りましょうか・・・。

車内の客層は、ごく普通の通勤 or 通学客。
鳴滝と宇多野で乗降する人は多いですが、観光客丸出しな人は、あまり見かけません。
混み方もどおってことなく、数人が立つくらい。
カップル、いることはいますが、地元モード。数的にも雰囲気的にもプレッシャーなし。
桜のトンネルを通過する時も、特にはしゃいだりすることはありません。
ごく普通の日常の中の、ちょっとしたお楽しみ。という感じでしょうか。

そんな嵐電・桜のトンネル。
好きな人とくぐれば、より京都電燈なんでしょう。
でも、ひとりでくぐっても、京都電燈です。

夜桜電車
【ひとりに向いてる度】(客層表記について)
★★★★
特になし。
車内も車外も、プレッシャーなし。

【条件】
平日火曜 17:30~20:00

嵐電 桜のトンネル
嵐電 北野線 鳴滝・宇多野間
毎年桜の開花に合わせて開催

公式 嵐電

Wiki 京福電気鉄道北野線