白峯神宮の七夕祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年7月7日(木)


白峯神宮の七夕祭へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

白峯神宮。
御存知、「日本国の大魔縁」となったことで知られる崇徳天皇を祀る神社です。
保元の乱に敗れ、讃岐国へ流罪とされ、都を呪いながら死んでいった、崇徳帝。
「皇を取って民とし、民を皇となさん」と血で書きつけたその呪いのパワーこそが、
鎌倉以降長らく日本を武士の国にしてしまったと考えたのは、大政奉還を控えた維新政府。
「この呪い、何とかしとかないと、マジヤバし」と考えたのか、実に明治改元の2日前、
讃岐国より京都へ帰還した崇徳帝の御霊は、この白峯神宮へ遷霊されたのでした。
しかし、この神社が祀ってるのは恐怖の大魔縁だけではありません。
境内には多くの摂社がありますが、中でも東側で大きな存在感を放ってるのが、精大明神。
この土地は元々、蹴鞠の宗家・飛鳥井家の邸宅跡。で、精大明神はその飛鳥井家の祖先神。
ゆえにこの神様、蹴鞠はもちろん、サッカーは初めとした球技各種の上達に効能があると言われ、
プロアマ問わずたくさんのスポーツ関係者から篤い信仰を集めてます。
白峯神宮の七夕祭は、崇徳帝ではなくこの精大明神のお祭り。精大明神例祭。
蹴鞠はもちろん、舞楽や、かつて七夕踊りとも呼ばれたという「小町をどり」なども奉納されます。
あいにくの雨ですが、舞殿での蹴鞠というのもそう見れるものではありません。


堀川今出川をちょっと東に入ったところにある白峯神宮、その鳥居と看板。
近所には、そこら中に支店を出してる京菓子・鶴屋吉信の本店があります。
カウンターで和菓子職人の仕事が見れる茶房がありますから、寄っていくのもいいですね。


七夕飾り、そしてパープルサンガの提灯。
ちなみに、写真ではよくわからないかも知れませんがこの日の雨、豪雨です。


で、精大明神。飛鳥井流初代・飛鳥井雅経が、和歌と蹴鞠の守護神として崇拝しました。
当然、今日の祭壇などは本殿ではなくここに設置されてます。


精大明神の横にある撫で鞠、そして絵馬所。
当然ながら、絵馬はサッカーを始めとするスポーツ関連の祈願ばかりです。
といっても、境内の雰囲気が体育会系のノリだったりすることは特にありません。
体育会系の神社というのもよくわかりませんが。でも、あるといえばあるような気もしますが。


毬庭です。張られたビニールの上に、雨水が溜まりまくってます。
本来ならここで蹴毬も小町をどりも行なわれるんですが、天候はどうしようもありません。
撤収して観覧スペースにしてくれると、嬉しいんですが。ちょっと狭いんですよ、拝殿のまわり。


14時ジャスト、神職たちが雨の中を拝殿へ向かい、神事開始。
スーツを着た氏子さんらしき中年男性たちと、老人カメラマンたちもまた、拝殿へ集結します。


まずは京都和楽会による山城舞楽の奉納。明治以降に生まれたもの。
岡山藩の楽人であった岸本芳秀が創始した吉備楽を元に、京都に入って山城舞楽となったそうです。
この時点での客層は、カメラおじさんがメイン。というか、他にはあまり人がいません。


続いて、蹴毬です。人、結構増えます。
ここで行われる蹴鞠は、正式の鞠装束をつけて行う鞠会 = 晴会。天気は雨ですが。
鞠を蹴る人 = 鞠足は、8人で座を組み、4人が四隅に立って、残りはOB処理。
もちろんリフティングがメインであり、ゴールを決めて拝殿を破壊するなんてことはありません。


あくまで、雅に。でも当然ながら、屋根の下で球を蹴ってるとこういうOBも起こります。
この毬、十数万するんだとか。水で濡れると一発でアウト、ものは静岡でしか作れない、とも。
鞠足の人は本気で慌て、球が無事と知ると本気でほっとされてました。


後半は、一般参拝者も交えての蹴鞠体験コーナー。老若男女が雅な遊びを嗜みます。
仏教とともに日本へ伝わり、独自に定着した蹴鞠。
宮中で社交・教養の場として重要視され、のちに武士、室町以降は一般庶民にも普及しました。
明治維新で途絶するも明治天皇より保存の命と御下賜金があり、現在の蹴鞠保存会が発足。
現在も保存会には今上陛下より御下賜金が賜われるそうです。


蹴鞠のあと、しばし待って16時半から小町をどりの開始。ここから一気に客が増えます。
7月7日に芸事の上達を祈願するという宮中行事・乞巧奠にて、
和歌を届ける文使いの供をする娘たちが、道中に歌い踊った舞踊を原型にしたという、小町をどり。
お清めか何かでしょうか、お母さんの手の輪を女の子たちがくぐっていきます。


紫の鉢巻き、髪に銀簪、小袖の片肌脱ぎ、緋襦袢姿、金欄の襷と帯を締めた装束で、
太鼓を左手に、撥を右手に、しなをつくりながら、テープの歌に合わせて可憐に踊る女の子たち。
抱っこして連れて来られたような幼い娘も、舞台に上がるとしゃんと躍るのが、不思議です。


をどりを2セットこなして、大きいお姉さんと何かやって、無事終了。お疲れ様でした。


私も何か疲れたので、近くの桔梗屋できつねうどん。
店のおっちゃんが「今日、阪神が・・・」と客に話しかけてましたが、
「ああ、うちらそんなん全然知らんし。関係ないし」と瞬殺されてました。

客層は、地元の人がメイン。
小町踊りの女の子たちの母親、婆ちゃん、カメラ持った爺ちゃん、そして若干の父親。
いかにもカメラ老人好みながら、その手の輩は案外少なめ。単に雨天だからかも知れませんが。
観光客&修学旅行生は、ちょこちょこ入ってきますが、途中で帰る者が多し。
祭り目当てで来たのではなく、あくまで蹴鞠の神様を見に来ただけという感じ。
「これから何かやるんですか?」などと訊いてくるが、答えてもあまり興味は示さなかったり。
帰らないのは、単独もそうでないのも、ディープな人。最初からいて最後までいるという。
カップルは、少なくとも目視できる範囲では見かけませんでした。
女性グループは外人込み or 外人のみのグループが、ちょこっと。
単独女性は、おひとりさま及びおひとりさま予備軍風。
単独男はカメラマンと変な若いやつ。女の子をやたら撮ってるようなのとか。あと何故か、坊主率高し。

そんな白峯神宮の七夕祭。
好きな人と行けば、より七夕なんでしょう。
でも、ひとりで行っても、七夕です。


【客層】 (客層表記について)
カップル:0
女性グループ:1
男性グループ:0
混成グループ:0
修学旅行生:1
中高年夫婦:若干
中高年女性グループ:3
中高年団体 or グループ:4
単身女性:1
単身男性:2

【一人に向いてる度】
★★★
地元メインだが排他的でもなく観光的でもない。
プレッシャーは特になし。
が、あんまり小さい女の子を熟視して、
あらぬ疑いをかけられても、知らない。

【条件】
木曜 13:40~17:40

白峯神宮
京都市上京区堀川今出川東入飛鳥井町261
境内自由
京都市バス 堀川今出川下車 徒歩1分
市営地下鉄 今出川駅下車 徒歩8分
公式 白峯神宮