柳家本店へ鱧を食べに行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年7月10日(日)


柳家本店へ鱧を食べに行ってきました。もちろん、ひとりで。

京都の夏といえば、鱧。
ですが、偽京都人の私には夏に鱧を食う習性などありません。
あ、いや、ちょっとだけ思い出はあります。幼少時、母が作ってくれた鱧の吸い物。
安物の骨だらけな鱧を、インスタントの出汁に放り込んだだけの代物。これがまあ、不味かった。
鱧大好きという関東の知人にこの話をすると
「それ!そういうのがいいんですよ」とか喜びましたが、実物を食えば閉口すること間違いなし。
本当に泣くほど不味く、それから私は鱧が嫌いになりました。
嫌いになればなるほど懐には優しい食材なので、特に困ることなく今まで生きて来ましたが、
しかし、京都の夏といえばやはり、鱧。
京都ベタスポットの単独正面突破を身上とするうちとしては、逃げるわけにはいきません。
本当にベタな老舗にはとても入れませんが、比較的庶民派な店でも美味しい鱧はあるはず。
そんな店を渡り歩く、夏季限定シリーズ 『ひとりで食べる鱧』。
予算は、5000円以内。金が続く限り続けます。次回か、下手すると今回で終了かも知れませんが。


京都の街は、ぼちぼちと祇園祭です。
祇園祭名物・電柱の黄色いのんを見ると「ああ夏やなあ」と気分になります。


月鉾組み立て中。
まず間違いなく、木で出来ています。


長刀鉾、組み立て中‏
ここだけの話ですが、木で出来ています。


行ったのは、三条富小路の角にある寿司屋・柳家本店。
おっしゃれ~な店やおっしゃれ~な人がうろついてる三条通の雰囲気を反映してか、
英字の案内などが出てますが、店の中は至って庶民的な雰囲気です。
メニューには 「鱧御膳」 4650円と 「鱧点心」 3250円、鱧しゃぶや箱寿司単品がありましたが、
私は鱧御膳を頼みました。


しばし待って出て来た、先付。
卵のなれずし on トマト、浮き袋のこごり、どっかの身を使った松風、そして骨煎餅。
もちろん、いずれも鱧の身を使ってます。


出ました、落とし。
右下に置いてる梅肉につけて、いただきます。


箱寿司。
寿司屋ゆえか単品でも出してる、確かな味わいです。


そして土瓶蒸し。鱧の身とエリンギ、豆腐などが入ってます。
上蓋を更にして、すだちを絞って。汁が美味しいです。


鱧の柳川。
写真ではわかりませんが、ごぼうがいっぱい入ってます。


鱧の皮ときゅうりの和え物。


ラストの水物。上にちょこっと生麩が乗ってますね。
以上、独男には贅沢極まる昼飯でございました。

鱧のフルコースとも言えそうな、 「鱧御膳」 。当然ながら、かなりのボリュームがあります。
こちらより品数が少ない 「鱧点心」 でも落としと箱寿司は味わえるので、
胃袋が厳しい方はそっちをチョイスするのもありでしょう。

客は、サービスランチを食べるおばちゃん二人組のみ。
宇治と伏見の細かい話をしてたので、地元ではなく近隣の方でしょうか。
店は、カウンターが10席ほどと、後に座席が2つ。
特に敷居が高い感じもなく、ジーパン独男のひとり客を敬遠してる印象も受けませんでした。
夜はどうか知りませんけどね。気になる方は自分で確認して下さい。

そんな柳家本店の鱧。
好きな人と食べたら、より夏の京都の風物詩なんでしょう。
でも、ひとりで食べても、夏の京都の風物詩です。

【ひとりに向いてる度】
★★★
昼は向いてると思うが、夜は知らない。

柳家本店
京都市中京区三条通富小路角中之町23
AM11:30~PM1:30
PM4:30~PM9:30
定休日 水曜日

市営地下鉄 京都市役所前駅下車 徒歩約8分
市営地下鉄 烏丸御池駅下車 徒歩約9分
京阪電車 三条駅下車 徒歩約10分

公式 創業大正十五年 柳家本店

食べログ 柳家本店