東映太秦映画村のナイターまつりへ行ってきました。もちろん、ひとりで。
東映太秦映画村のナイターまつりへ行ってきました。もちろん、ひとりで。
全盛期には邦画の実に6割を生産していたという、映画の街・太秦。
そこら中に旧跡が残り、そこら中に着物屋が溢れ、そこら中に職人が住んでいる京都は、
時代劇にとっては正に、聖地。この地独特の職人気質もまた、映画制作に強い親和性を発揮。
当初は関東大震災から疎開してきただけの撮影所も、どんどん太秦に定着&増殖し、
「日本のハリウッド」と呼ばれるほどの製作本数を誇るのみならず、
大映の『羅生門』『雨月物語』などでは、技術面・芸術面でも国際的な評価も獲得しました。
が、テレビの登場により、昭和30年代をピークとして映画産業は一気に、斜陽化。
ひたすら映画だけで食ってきた太秦の多くの撮影所は、苦境に立たされることになります。
ラッパから札束バラまいて見境なき作品クオリティを実現していた大映が、先頭切って倒産。
他社もスタジオを東京へひき上げ、東映撮影所のオープンセットもまた、なかば廃墟化。
生き残り策を模索した撮影所の従業員が思いついたのは、そのオープンセットの公開でした。
映画製作の裏側を、製作してる現場そのものを、そのまま見せる。
このスタイルで、1975年に東映太秦映画村は「開村」。日本初のテーマパークが誕生した瞬間です。
食える程度に稼ぎが出てくれたらという期待に反し、映画村は大当たり。
以後、京都の新たな文化観光資産として、現在に至るまで高い人気を維持し続けています。
ナイターまつりは、そんな映画村がお盆の時期に行なう催し。1998年から始まりました。
普段は夕方で閉まる村をライトアップして公開、
入園時間は短くなりますが、そのぶん料金が安くなるのも、お得なイベントです。
8/16のリニューアル以降に使われるという、新ゲート。今夜は、まだです。
私はJR太秦駅から行ったんですが、ここまで、異常に歩かされました。
リニューアルに際しては太秦駅近くにもゲートが出来て、徒歩5分くらいに改善されるそうです。
映画村の入り口らしい入り口である、東映城大手門。
自転車がやたら停まってますが、駅の駐輪場に隣接してるわけではありません。
全て、映画村の客。遠来の観光客ばかりと思ってたので、意外です。半額だからでしょうか。
券売所で通り札=入場券1000円也を買い求め、大手門をくぐります。
入ってすぐの中央広場で出迎えてくれる、映画の泉、そして背後には映画文化館。
周囲には夜店とかも出て、ちょっとしたお祭り状態です。
中央広場の横には、忍び櫓兼無料休憩所あり。
忍び櫓と『忍たまランド』開催中の本丸御殿の間を、ロボット忍者が開けっぴろげに「忍」んでます。
で、その『忍たま』。
半分だけ出来てる撮影用の日本橋から、茶屋や土産物店が並ぶ通りなどを眺める。
日本橋付近の宿場町にいた、元気の良さそうな白馬。
夜の江戸の町。奥にあるのは、芝居小屋。
芝居小屋・中村座では、忍者ショーを開催。人がいっぱいで、全然見れませんが。
中村座のロビーには、往年の名作のポスターが、ずらり。
ちなみに、ショーがはけたあとの中村座は、こんな感じ。
サービス精神旺盛な侍が客に声をかけまくる、夜の江戸の町。
子供が「おもんない、帰りたい」とゴネたりもする、夜の江戸の町。
どうでもいいことですが、照明、明る過ぎ。
寺じゃないのでしょうがありませんが、もうちょっと暗い方が雰囲気出る気もします。
本物は海の無い京都で海鮮居酒屋を営む、池田屋。
銭湯、名づけて『柳湯』。三条の『柳湯』の方が、絶対に絵になると思います。
廓。自分の娘を赤い格子の中へ入れて、写真を撮ってる男親がいました。
異様にやつれた、人形太夫。経年劣化か、あるいはリアリティ重視なんでしょうか。
手裏剣ではなく、刀を構えた忍者が客を引く、夜の手裏剣道場。
撮影用プールから定期的に現われる、怪獣。
ここは東映ですから、某ガッジーラではありません。が、ガッジーラみたいに何かを噴きます。
カメラがバカなので妙に怖く写ってますが、リアルはもうちょっとしみじみ系です。
明治ゾーンのチンチン電車。明治というより昭和な佇まいですが。
背後には、食堂あり。映画村、異常に飲食店が多いです。客単価上げるのに、必死であります。
異常に多いにも関わらず、いずれの店もそこそこ客が入ってるのがまた、不思議。
村内飲食施設で見かけた、ナイターメニュー。
それなりの値段ですが、無茶苦茶でもありません。食ってないので中身はわかりませんが。
オープンセットを一回りしたので、わざわざ夜間に来ることもないですが、
一応御挨拶という感じで屋内施設のヒーローランドへ。
バカップルの男に「何かあそこ、赤い」と印象批評をされていた、ヒーロー達の雄姿。
ゴダールの右手は、ちゃんと汚れてる(by フリッパーズ・ギター)。
アカレンジャーの右手も、ちゃんと汚れてる。
バトルフィーバーJのバトルジャパンは、左手もちゃんと汚れてる。
並んで客をお出迎えする怪人。
小さなお友達にも、大きなお友達にも人気の、プリキュア。
ライダー、大地に立つ。
映画記念館へ移り、東映動画コーナーでの某労組アニメ・伝説の透過光。
泣く人は泣いてください、山中貞雄 『街の入墨者』 の絵コンテ入り台本。
そうこうしてるうちに、クローズの21時になってしまいました。うーむ、時間が足らん。
照明がどんどん落ち始めましたが、この暗い雰囲気がまあ、いいこと。
一度節電バージョンのナイターとかやってくれないでしょうか。
どうでもいいことですが、出口へ向かう途中、
「おつかれさまでした、あ、お客さんやった」とスタッフのおばちゃんに間違われました。
場違いなのはわかってますよ、ええ。
客、多いです。
大半が、若い子連れ。幼児を連れてるのから、中学生ぐらいのを連れてるのまで。
大手門前の自転車、そして帰るときに見た京都ナンバーの車の多さから、
おそらくほとんどの客が、地元系か近隣系だと思います。
テイストは、いわゆるニューファミリー風ではなくもうちょっと古典的に庶民的というか。
「もうこんなとこまで来て泣かんときぃや!!せっかく来たんやから見なもったいないやろっ!!!!」
と、所構わず泣き叫ぶ子供相手に母親が全身全霊をかけてブチ切れる姿が拝めたりします。
ベビーカーを盾にして割り込む類のマナーの悪さ・無神経さはありませんが、
古典的なマナーの悪さと、逆に気を使いあう古典的なマナーの良さが混在するみたいな、テイスト。
カップルは、そこそこ。あとの属性は、いずれもちょっとずつ。
外人の姿は少なく、そもそも観光客っぽい人自体が少なめ。
単独は、男女ともほとんど見かけませんでした。
あ、『プリキュア』コーナーで「大きなお友達」の姿はちょこっと見ましたけど。
そんな、東映太秦映画村のナイターまつり。
好きな人と行けば、より映画って本当にいいものですねなんでしょう。
でも、ひとりで行っても、映画って本当にいいものですねです。
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【客層】 (客層表記について) カップル:3 女性グループ:若干 男性グループ:若干 混成グループ:若干 修学旅行生:0 中高年夫婦:0 中高年女性グループ:0 中高年団体 or グループ:7 単身女性:0 単身男性:0 |
【ひとりに向いてる度】 【条件】 |
東映太秦映画村
京都府京都市右京区太秦東蜂岡町10
通常営業 9:00~17:00
ナイターまつり 16:30~21:00
嵐電 広隆寺駅 or 帷子ノ辻駅下車 徒歩約5分
JR嵯峨野線 太秦駅下車 徒歩約5分
京都バス 太秦映画村前下車 徒歩2分
太秦広隆寺前 下車徒歩5分
常盤仲之町 下車徒歩5分
京都市バス 太秦開町下車 徒歩1分
太秦映画村道下車 徒歩5分
公式 – 東映太秦映画村