大原野神社へ紅葉を観に行って来ました。もちろん、ひとりで。

2017年11月24日(金)


大原野神社へ紅葉を観に行って来ました。もちろん、ひとりで。

大原野神社。京都の大原野というエリアにある神社です。わかりやすい名前です。
「だから、その大原野というのが何処だ」 という疑問さえ抱かなければ、わかりやすい名前です。
場所は、京都のほぼ西の端の辺。 「京都大原三千院」 で有名な大原の辺では、断じてありません。
大原があるのは東北方面の果ての辺なので、むしろかなり、逆。真逆方向とさえ言えるでしょうか。
もし、どっちかをどっちかに間違えて出掛けたら、その日一日が潰れかねないほど、離れてます。
「そんなもん間違えるか」 という話ですが、ただバスしか公共の足がない点は、大原も大原野も同じ。
恋に疲れた女がひとり、 「バスでしか行けない」 という前情報と 「大原」 という言葉に幻惑されて、
何となくバスに乗ったら筍の直売所の前で降ろされた、なんてこともあったりするのかも知れません。
もっとも、バスでしか行けないくらい奥座敷的な場所ゆえに、自然が豊かなことでも両者は同様。
間違えたのが秋なら、むしろ間違えた自分を誉めたくなるような紅葉に、きっと出会えることでしょう。
で、そんな大原野に建つ、大原野神社。本来は、こんなふざけた紹介など許されない社です。
プレ平安京たる長岡京への遷都の際、桓武天皇が鷹狩を楽しんだ風光明媚の地・大原野に於いて、
国家鎮護を担うべく、藤原氏の氏神・春日大社の神霊を勧請する形で創建された、大原野神社。
こうした創建の由緒が示す通り、京都にあって 「京都以前」 のエッセンスを強く持つ古社であります。
平安遷都後も無論、藤原氏は娘が生まれる度に祈願を行い、朝廷も二十二社として奉幣を継続。
その雅なる様は紫式部にも愛され、 『源氏物語』 第29帖 「行幸」 に於いても描かれている通りです。
現代に入ると、周囲に増えた宅地住民の氏神的存在となりますが、まだまだ自然そのものも多く、
市内中心部 or 郊外 or 府下とは一味違う、このエリア独特のおおらかな美景を見せてくれてます。
そんな大原野神社、千眼桜や睡蓮、また名産・筍と、自然的には春 or 夏のイメージが強いですが、
「千世までも 心してふけ もみじ葉を 神もをしほの 山おろしの風」 で知られる通り、紅葉も名物
なので、その紅葉を拝むべく、出掛けてみました。もちろん、大原とは間違えずに。


「とか言いながら、やっぱり間違えて大原に来てしまった!!」 なんて展開は、無論ありません。
河原町駅周辺は混んでたけど、大阪行き車内はガラ空きの阪急に乗って、13時、東向日駅に到着。
ここから、バスです。係員が路上で誘導をやってるのが格好良い駅周辺を抜け、大原野方面へ出発。
とんでもないカーブをとんでもない曲がり方したりしながら、空いてるバスは南春日町を目指します。


で、中年夫婦ばかりが5組ほどの客と共に、南春日町でバスを降りたら、参道を歩いて神社へ。
イントロでも触れた通り、この辺の自然の感じは、独特です。少なくとも私には、独特と感じられます。
開発の進み方は普通に郊外的ですが、自然の色合が豊かで、周囲の山々も何か優しいんですよね。
という優しい気持ちで、大型バス爆走&車路駐しまくりの参道を進むと、社と紅葉、見えてきました。


で、到着した、大原野神社。紅葉、良い感じのようです。これで拝観無料は、有難い。
まずは、一の鳥居を囲むかのようなウェルカム紅葉を、じっくり、拝む。


一の鳥居から溢れているかのようなウェルカム紅葉を、さらにじっくり、拝む。


一の鳥居をくぐって参道へ入り、二の鳥居とウェルカム紅葉を、拝む。


二の鳥居の後から、太陽にライトアップされたようなウェルカム紅葉を、拝む。


で、神域へ入り、鯉沢の池の周りにて眺める、紅葉。


さらに池の周りにて眺める、何かの屋根と紅葉。


紅葉と共に眺める、池と橋、そして池に反射した橋。


紅葉、浴びるかのように眺める。


紅葉、吹雪くかのように眺める。


紅葉の中から神域を見ること、しばし。


紅葉の中から太陽を見ること、しばし。


紅葉、溺れるかのように眺める。


紅葉、零れるかのように眺める。


紅葉を紹介する、イベントで設置された案山子。


境内で営業してる春日乃茶屋へ客を誘う、案山子。


誘われた茶屋で買い食いした、名物のよもぎ団子


で、食った後は、ついでに、でなく、最後にとって置いた本殿を、拝む。


参拝する前に、手水にて出迎えてくれた、春日神の社ならではの鹿も、拝む。


参拝後は、本殿を護る狛犬ならぬ狛鹿と共に、境内を改めて、拝む。


で、参道を戻って、一の鳥居前のウェルカム紅葉を見送り紅葉として、拝む。
こんな感じの大原野神社でありました。案山子、常にあると楽しいかも知れませんね。


で、帰ります。帰るんですが、バスが1時間に1本くらいしかないので、待ち時間が出来ました。
ので、大原野神社のほぼ正面に建つ正法寺も、ついでに訪寺。ここもまた、紅葉の名所であります。
が、この日の紅葉は、微妙気味。あと、陽の光もかなり弱化気味。また今度、来させてもらいましょう。
で、寺を出たら、大原野の自然を感じるべく、改めて散策。この辺の雰囲気が、私は好きなのです。


というか、この辺から眺める京都、山々に囲まれた京都の景観そのものが、私は何か好きです。
東山から観る京都は、盆地の地理がリアルに感じられる、それはそれで実に京都らしい景観ですが、
大原野から観る京都は、盆地ながらも不思議と広々として、おおらかであり豊かであり、そして美しい。
と悦に入り、そして悦に入る自分にも悦に入ってると、1時間に1本のバスに置いて行かれましたとさ。

この日の大原野神社、客層は基本的に、烏合。
近隣寄りという感じでもなく、地元寄りという感じでもなく、観光客も普通に多めです。
とはいえ、混雑してるわけでもなく、客数は団体客が入ると雰囲気が変わる程度。
年齢的には、50代をメインとして20代から70代までがバラバラにいる感じでしょうか。
団体は、老人団体&特養系の老人達が目立った程度で、観光系は少なめ。
単独は、カメ8割+普通の観光客2割という感じでした。

そんな大原野神社の、紅葉。
好きな人と観たら、より山おろしの風なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、山おろしの風です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:1
男性グループ:微
混成グループ:微
子供:0
中高年夫婦:2
中高年女性グループ:1
中高年団体 or グループ:4
単身女性:若干
単身男性:若干

【ひとりに向いてる度】
★★★
紅葉的にも客層的にも、全てがまあまあという感じ。
面倒なアクセスを超えて、そのまあまあぶりを観るかは、
どれだけ興味と時間を持っているかに依ると思う。
ただ、大原野そのものの雰囲気は、推す。

【条件】
平日金曜+紅葉ピーク 14:00~15:00


 
 
 
 
 
大原野神社
京都市西京区大原野南春日町1152
拝観自由

阪急バス or 京都市バス
南春日町下車 徒歩約10分
 

京都・洛西の名社 大原野神社 – 公式

大原野神社 – Wikipedia