長楽寺へ紅葉を観に行って来ました。もちろん、ひとりで。

2017年11月27日(月)


長楽寺へ紅葉を観に行って来ました。もちろん、ひとりで。

祇園の東の奥に建つ、長楽寺。紅葉で大々的に有名な寺、というわけではありません。
伝教大師により創建されたとされ、天皇即位時のみ開帳する本尊を頂くと共に深い帰依も受け、
建礼門院の出家伝説、重文・一遍上人像相阿弥作庭の庭、また頼山陽の墓地も持つ、長楽寺。
名刹であります。 「紅葉があるかないか」 といった些末なことなど言うべきでない、名刹であります。
が、紅葉があるかないかで言えば、あまりありません。ないこともないですが、あまりありません。
11月になると出回る紅葉情報に名前が出る程度にはありますが、規模やボリュームは割と大人しめ。
手前に拡がる円山公園の紅葉が、人気的もボリューム的も凄いので、余計大人しく見えたりします。
相阿弥作の庭のビジュアルは、トップ絵の如く、実に映えるもの。ただ、規模はやはり、大人しめ。
収蔵品を含め、見所そのものはあくまでも多い名刹です。が、紅葉に話を限れば、どうにも大人しめ。
行ったけどあまり気乗りがしなかった他のスポット同様、記事化をスルーしようかとさえ思いました。
では何故、今こうして記事にしてるのか。それは、大人しめな紅葉の大人しめさゆえ、です。
先述通り、長楽寺は円山公園の奥にあります。で、円山公園は公共公園なので、無料で入れます。
で、これまた先述通り、円山公園の紅葉は中々なものなので、紅葉シーズンには人だらけとなります。
凡庸な民のエゴを膨脹させるスマホやSNSといったものがなかった頃も、充分人だらけでしたが、
これら悪器の登場、そして某国人の皆様が押し寄せて以降は、前後不覚の輩が溢れる巷へと変化。
地獄です。で、同志の方がそんな地獄を歩む際に、オアシスとして長楽寺を考えてみて欲しいのです。
長楽寺は、紅葉が大人しめな分、客数は少なめです。ので、オアシスとしては、良い所なのです。
無論これは、極めて失礼な言い方です。が、実際問題、客は少なめです。ので、オアシスなのです。
公園から響く猿の如き嬌声を幽かに聴きながら、大人しめの紅葉を、大人としてひっそりと楽しむ。
そんな京都の愉悦を、提案したい。というわけで、長楽寺です。紅葉が少なくても、長楽寺です。
決して、やや高価い拝観料の元を取るべく、無理めに記事化してるのではありません。


13時頃、当然のように観光客が多い京阪・祇園四条駅を出て、円山公園方面へ向かいます。
牛歩状態で四条通を東進し、延々と撮影大会が繰り広げられてる西楼門を潜り、八坂神社境内へ。
境内から円山公園にかけての紅葉は、絶好調。ゆえに混雑も、絶好調。若者、ふき溜まりまくりです。
中国人を全て日本人にして精神年齢を下げたような混雑が、あちこちにて展開中。地獄であります。


円山公園の奥へ入ると、紅葉はさらに絶好調。ゆえに混雑のレベル低下も、さらに絶好調。
中国人と同じメンタリティを持つ日本人が、そこら中で蠅と化してます。大アジアという感じでしょうか。
本物の中国人も無論大量にいて、写真撮ってるとアングルを強奪する中華おばさんとかも大量出現。
疲れ果て、もう長楽寺行くの止めて長楽館で休みたいとか思いながら長楽館前を過ぎ、長楽寺へ。


で、到着した、かなり人が少ない、長楽寺門前。と、勝手ウェディング写真を撮る、中国人。
と、未在がある辺から零れてるかのような、ウェルカム紅葉。


少し参道を進むと現れる、大谷宗廟から零れてるかような、ウェルカム紅葉。


山門を潜ると、650円払わんかいと告げる、ウェルカム看板。


で、割と大人しめの紅葉と、本堂と、石段を拝む。


割と大人しめの紅葉を、望遠で無理めに拡大して、拝む。


石段を登って伽藍エリアへ進入し、紅葉を拝む。


で、本堂と鐘楼を、紅葉と共に眺めてみたり。


除夜の鐘の際、有料で撞いた鐘も、紅葉と共に眺めてみたり。


で、望遠で無理めに拡大して観る、本堂屋根にかかるかのような紅葉。


平安の滝と、その滝について何ちゃらかんちゃらと書いてある能書き看板。


伽藍エリアからさらに坂を登って、墓地エリアから展望エリアへ続く道。


安養寺からタダで見るのと変わらんと思いながら観る、展望エリアの展望。


で、わけがわからんままに、特別公開の寺宝も眺めてみたり。


わけがわからんままに、仏像も眺めてみたり。


で、書院へ移動し、相阿弥作庭という庭を拝む。


縁側へ行き、紅葉そっちのけで枝などををしみじみ拝む。


枝もいいけど紅葉もね、とばかりに紅葉も拝む。


で、この庭は相阿弥にとって銀閣寺の試作に当たるとか告げる、能書き看板。


で、帰ろうと書院を出る際に目を楽しませてくれた、紅葉と鐘。


で、山門を出る際に目を楽しませてくれた、井筒屋の名前入りの見送り灯籠。
長楽寺、こんな感じでありました。それでは、混雑地獄の円山公園へ、また戻りましょうか。


いや、その前にやはり長楽館に寄って、カフェアフタヌーンティーでも頂こうかな。大人として。
どう考えても長楽寺に因む名なのに、伊藤博文の戯れ言に因むということになってるらしき、長楽館。
その辺の大人の事情を、紅茶と共に楽しむ、愉悦。いいですね。と思って玄関で値段見たら、即撤退。
で、また紅葉地獄巡りです。紅葉は綺麗なんですけどね。人間があんまり綺麗じゃないんですよね。


いや無論、綺麗じゃないのはお互い様ですけど。水面に映る像へ、水をかけるようなもんです。
あ、長楽館が 「長楽寺に因む名」 と思うのは、円山公園の大部分が元々は長楽寺境内だったから
この公園の紅葉は、ある意味で、長楽寺の豪華過ぎるウェルカム紅葉と言い得るのかも知れません。
と、適当なことを考えながら地獄を巡り、自販機の午後の紅茶で愉悦を感じてから、帰りましたとさ。

この日の長楽寺、寺そのものには客は、あまりいません。
何かと間違えて入ってきたらしき観光風のおばはん2人組が1組、
何となく入ってきた+拝観料が小銭でしかない観光風の50~60代夫婦が数組、
ガチなおっさん1名、お茶会か何かの和服おばさん集団、そして私。
常に人が少ないかは不明ですし、団体とのバッティングの可能性も否定できませんが、
門前で引き返す人もかなり見かけたので、多少のバリヤー効果はある場所だと思います。
円山公園の疲れを癒やせる場には、なるのではないでしょうか。

そんな長楽寺の、紅葉。
好きな人と観たら、より長楽なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、長楽です。


【ひとりに向いてる度】
★★★
紅葉だけを楽しみたいなら、
円山公園で充分というか、そっちの方がいい。
ただ、紅葉CPが今いちな分、人は少ない。
ゆっくりするには、いい場所だと思う。

【条件】
平日月曜+紅葉ピーク 13:00~16:00
 
 
 
長楽寺
京都市東山区八坂鳥居前東入円山町626
9:00~17:00 木曜定休

京都市バス 祇園下車 徒歩10分
京阪電車 祇園四条下車 徒歩15分

京都東山 平家物語ゆかりの寺 長楽寺 – 公式