祇園祭・後祭の山鉾巡行を、ホテルのテレビで観ました。もちろん、ひとりで。
祇園祭・後祭の山鉾巡行を、ホテルのテレビで観ました。もちろん、ひとりで。
2022年7月24日に行われる祇園祭・後祭の山鉾巡行は、絶対に観なくてはいけません。
何せ、約200年も休止してた鷹山が巡行に復帰するのです。見逃すわけには行かないでしょう。
現場は、暑いけど。言いたくないけど、でもだからと言って黙ってると発狂しそうなくらい、暑いけど。
それにコロナも、もう大丈夫とは思うものの、少し気になるし。うつすのも、うつされるのも、何だし。
用もないのに密集したがる輩とかも、多そうだしな。そういう輩に近寄られるの、ちょっとあれだしな。
どうしよう、と懸念も湧きはします。しかし、鷹山の復活です。見逃すわけには行かないでしょう。
鷹山。応仁の乱以前から 「鷹つかい山」 として巡行に参加していたという、長き歴史を誇る山、鷹山。
そのモチーフは在原行平が光孝天皇の御幸で鷹狩を行う場面であり、御神体は鷹匠&犬飼&樽負。
初期は従者の樽負が粽を食すカラクリで人気を呼ぶ一方、罹災と復活を繰り返しながら拡大を続け、
戦国期には囃子方が乗り込む曳山となり、江戸期には曳山で初の屋根を設けて曳山の鉾化を牽引。
江戸後期には黒塗りの大屋根を構えて都大路に降臨し、鬮とらずで大船鉾の直前を巡行した、鷹山。
しかし、文政期には大雨による損傷で巡行中止に至り、蛤御門の変/どんどん焼けでは部材も焼失。
時代の激変のため復興は困難となり、近世~現代の約200年間は残った人形3体で居祭のみを続行。
近年に至り、町内に留まらず広く支援を得る形での復活に道筋が見えたことで復興の気運が高まり、
囃子方復活と唐櫃巡行参加を経て山の再建も実現、本年2022年に巡行への復帰が実現した、鷹山。
正に、200年ぶりの復活です。こんなことは、もう二度と目撃出来ないかも知れません。
仮にも京都に関するサイトなどやってる者であれば、絶対に見逃すわけには行かないでしょう。
現場は、暑いけど。言いたくないけど、でもだからと言って黙ってると発狂しそうなくらい、暑いけど。
それにコロナも、もう大丈夫とは思うものの、少し気になるし。うつすのも、うつされるのも、何だし。
用もないのに密集したがる輩とかも、多そうだしな。そういう輩に近寄られるの、ちょっとあれだしな。
どうしよう。絶対に見逃すわけには行かないけど、どうしよう。あ、そうだ。テレビの中継で観よう。
とは言え、家でKBS京都のテレビ中継だけ観るというのも、それはそれで味気がありません。
それに人の少ない早朝なら、生の鷹山も多少はゆっくり拝めるかも。なので、近くに部屋を借ります。
割と鷹山に近くて、割と額も安いヴィアイン京都四条室町のデイユース、割と簡単に予約出来ました。
鷹山の会所があるのは、三条室町と三条新町の間。室町ルートで帰るなら、ホテルの前、通るかな。
当日は日曜で暇なので、朝の6時過ぎに山鉾町へ行き、チェックインの7時まで散策してみました。
巡行開始地点である烏丸御池では、東側で有料席が準備済み。太陽の光で、既に加熱されてます。
当然ながら、客は全くいません。祭の気配も全くありません。通り過ぎる人も、ごく普通の早朝モード。
観光客っぽい人間がうろついてるということも、この辺は全くありません。町中は、どんな感じだろう。
山鉾町へ入ると、観光客っぽいのはそれなりにいるけど、まだまだ混むほどではなし。
山鉾は、既に準備に入っている所もありますが、まだスケルトン状態のままな所も割とある感じ。
今年が事実上のデビューな鷹山も、準備に手こずり、まだスケルトンかも知れないな。
とか思いながら三条通の鷹山へ行くと、かなり出来上がってるのが見えました。そして、大きい。
報道とかで見て、他の曳山より小振りかと想像してましたが、実物は完全に鉾サイズ。
相当離れないと、天辺の真松までは見えません。目立つので、見物人もどんどん増えてきます。
逆に回っても、事情は同じ。準備する人の数を、見物人の数がそろそろ超えそうです。
ぼちぼち退散させてもらいます。見送りがはっきり見えませんが、きっとテレビで観れるでしょう。
が、その前に、真松に付いてる雉をゆっくり拝見。暑くなりそうな空に、よく映えてます。
というか、あの赤白のあれ、雉か。望遠なしの裸眼だと、赤白模様の珍しい猿に見えるというか。
雉なのか猿なのか確認をしてると、どんどん人が増えてきました。ので、今度は本当に退散。
時間は、7時。ウロウロしてるうちにもうチェックイン時間なので、ヴィアイン京都四条室町へ入ります。
鷹山から見るとヴィアインは、三条通から室町通へ南折して、そのまま南進して鯉山を通り過ぎた先。
鯉山、ホテルの前からでもちらっと見えるんですが、やはりテレビでゆっくり見させてもらいましょう。
チェックインした入ったヴィアインの部屋は、何の面白味もない単なるビジホ。
別に泊まるわけではなく、KBS京都が映ればそれでいいんだけど。あるいは、BS11か。
KBS京都は、当然映りました。あとは、中継が始まる9時までのんびりします。
近所のフレスコで買った飯を食ったり、比叡山の番組 『比叡の光』 をぼ~っと見たり。
そして9時、始まった、始まった。
烏丸御池、烏丸御池。
鷹山、鷹山。
その鷹山、さっきいた所からも中継。
烏丸御池へ踊り出た鷹山、夏らしい青空に聳えるその真松。
御池通を東進するその背後には、さっき見損ねた鷹の見送り。
こちらも、横を通りながら見損ねた、鯉山。
そして、辻回し、辻回し。
鬮改め、鬮改め。
金氏高麗人参、金氏高麗人参。
とか言ってるうちに最初の公式コーナリングにかかった、鷹山。
河原町御池のコーナリングを決める鷹山。
続いて大船鉾が最初のコーナリングにかかった所で、番組終了。
もう終わりか。祭、押したのか。という感じですが、KBSの後祭中継はいつも9時から11時半まで。
どう考えても終わるのが早過ぎるし、12時以降の山鉾の帰還ぶりもかなり味わい深いんですけどね。
ちなみにKBS京都はこの後、 『Music Crossroad~音楽交差点~』 や 『あぐり京都』 をやってました。
同時に放送してたBS11も、延長放送はなし。ショッピング情報や競馬中継の方が、大事みたいです。
終わった後はぼ~っとしてましたが、流石にこれだけでは味気がありません。
しょうがないので、暑いけど生でも少し観ることにします。12時過ぎ、ホテルから外へ。
四条通へ出ると、山が帰ってきました。南観音山、南観音山。
南観音山、南観音山。そして、鷹山、鷹山。
鷹山、鷹山。あ、見送り、生で観れた。
何か嬉しくなったので、ちょっと追いかけます。北へ。
東へ。
そして帰って来た、鷹山。
最終コーナーを右折中の鷹山と、何故かガラケー率が微妙に高いその周囲。
で、帰還。近所の人達から 「おかえり~」 とか言われながら、鷹山、町内へ無事に戻りました。
距離を置いて見る私の横を、山へ寄って行く人や、離れて行く人が、絶え間なく通り過ぎて行きます。
山鉾巡行のこんな瞬間、何者でもない者として突っ立ってるこんな瞬間が、私は何かとても好きです。
他の祭が終わった後では全く感じられない何かを、いつも感じます。これは一体、何なんでしょうか。
山鉾巡行、屋外の客層はやはり山鉾巡行ならではなタイプの客が多めです。
団体的というか、昭和的というか。もはや山鉾巡行でしか遭遇出来ないタイプというか。
本当に団体が多いというわけでは特になく、また年齢層が昭和的に高いというわけでもなく、
またそれ以外なタイプの層も当然のように沢山いるんですが、全体の印象は団体的&昭和的。
不思議というか奇妙というか、あるいはここまで来るともう面白いと感じられるくらいです。
山鉾町内は、それ以外層の方が圧倒的に多いはずですが、それでも昭和系の印象が強め。
で、そうした連中と地元系などとのバランスが、不思議と心地良いものとなってます。
ヴィアイン京都四条室町の中は、やはり昭和の匂いがする感じ。
客の半分以上は平成生まれに違いないはずですが、なのに昭和の匂いが漂うという。
これも、山鉾巡行客の特殊なテイストが影響してるのかも知れません。
「デイユースでのんびり祇園祭をテレビ鑑賞」 といった遊びは、
今後ホテルの稼働状態が正常化すると、恐らくは出来なくなるんでしょう。
16日&17日あるいは23日&24日の連泊で部屋を押さえれば可能になりますが、
そこまでして宿を取る熱意のある人なら、山鉾も生で観たいと考えるでしょう。
ただ、 「基本テレビ+ちょこっと生」 くらいで見る祇園祭は、なかなか良いもんですよ。
正直、私は今回初めて、祇園祭が楽しいと感じられました。
なので★は、★★★★くらいでしょうか。
そんな、テレビで見る祇園祭・後祭の山鉾巡行。
好きな人と見たら、より祇園会なんでしょう。
でも、ひとりで見ても、祇園会です。
ヴィアイン京都四条室町
京都市中京区山伏山町551-2
ヴィアイン京都四条室町 – 公式
祇園祭・山鉾巡行 後祭巡行
毎年 7月24日 開催
祇園祭 – 祇園祭山鉾連合会 公式