清水順正おかべ家へ豆乳おぼろ小豆粥を食べに行ってきました。もちろん、ひとりで。

2018年1月15日(月)


清水順正おかべ家へ豆乳おぼろ小豆粥を食べに行ってきました。もちろん、ひとりで。

というものは、いわゆる 「本気」 で作ろうとしてみると、案外と調理が難しいものです。
「美味く作る」 という以前に、そもそも粥として成立させられるかどうかさえ、怪しかったりします。
柔らかく煮過ぎたら、単なる糊汁になってしまう。固めに仕上げたら、単なる湯漬けになってしまう。
程良い程度に煮込んでから、 「これぞ粥」 と誰もが思うポイントで火を止める。これが結構、難しい。
実際、私は粥を上手に作れた試しがありません。大抵の場合、湯漬けか糊汁が出来るだけです。
適当料理の極致のように見えながら粥は、実は高度なテクニックを要する料理なのかも知れません。
となれば、粥を食す機会が何かと多い1月に、いわゆる店舗にて粥を食すのも、一興ではないか。
「神社などを回って、接待の粥を寸評する」 などという下品+無礼+無粋な行為におよぶのではなく、
京都の和食のプロフェッショナルがその技により作った粥を、しかるべき対価を払う形で、食す。
こうして 「本当の粥」 を堪能すれば、この時期に粥を食う本義もまた、体で会得出来るに違いない。
そう考えた私は、今回、1月15日の行事食・小豆粥を、店舗にて食べてみることにしました。
出向いた店は、清水順正おかべ家です。言うまでなく、清水坂にあって、湯豆腐で知られる店です。
臨済宗南禅寺派の大本山にして五山の上に屹立する日本最高峰の禅寺・南禅寺の門前にて、
禅の思想を食で具現化した精進料理のひとつ・豆腐を、湯豆腐という形で古えより供してきた、順正
その順正が、清水寺参道たる清水坂、それも産寧坂の前に出してる支店が、清水順正おかべ家。
なので、湯豆腐が当然売りなんですが、季節メニューもやってて、1月15日には限定で小豆粥を提供。
それも、自前の豆腐製造所まで持つおかべ家ならではの、豆乳おぼろ小豆粥として出してます。
ので今回それを食べに行き、 「本当の粥」 を堪能することで、行事食の重みを感じてみたのでした。
そう、これは新たな挑戦なのです。行事食の未来・可能性を見据える為に必要な、挑戦なのです。
決して、またも冬の食い物記事を増やして、アクセス数の底上げを狙ってるのでは、ありません。
断じて、先週の七草粥と同じ作りで、安易に記事を増やそうとしてるのでも、ありません。


1月15日13時頃、一念坂・二年坂・産寧坂へ続く高台寺南門通から、おかべ家へ向かいます。
小豆の霊力により邪気を祓う、小豆粥。混雑の邪気を溜めてから食すのが、小豆への礼儀でしょう。
いや、この日は月曜なので、観光客は割と少なめなんですけどね。東大路を走る車も、少なめですし。
二年坂へ入って、やっと本格的に混む程度です。客層は、平日ゆえか休みの学生風が大半な感じ。


本格的に混み始めた二年坂は人人坂人人人人人坂人人人坂人人人人坂人人という感じで、
産寧坂は人人人坂人人人人人坂坂坂人人人人坂坂人人人坂坂人人人人坂人人人坂、という感じ。
いや、混んでるといっても、客数自体は前回の半分 or 3分の1程度です。空いてる印象はゼロだけど。
前回・七草粥の時みたいにネタになる無茶苦茶な混雑でない分、不快さが前に立つ感じでしょうか。


でもまた練りチューブのように産寧坂を押し出され、流されるまま買い食いゾーンの前に出ると、
修学旅行生&そのやり直しな連中に金を落とさせる露店に混ざり掲げられてた、おかべ家の看板。
何となく、併設・五龍閣カフェの方が表記が大きい気がしますが、 「ゆどうふ」 表記は負けじと大きめ。
清水順正おかべ家、ここで間違いありません。入ります。歩くことさえ恥ずかしいですが、入ります。


で、おかべ家、本体。ですが、入る前に、意味不明な遊園地みたいな店周辺を、少し徘徊。


中国人およびアジア系客がやはり多い、意味不明な遊園地みたいな店周辺を、少し徘徊。


で、徘徊に疲れたら、いよいよ入店です。玄関、前回あった門松は無論、片付けられてました。
玄関の写真だけ撮ってトンズラな輩も、今回はさほど見かけず。連中、門松を撮ってたんでしょうか。
今日は本当に空いてるかもとか思いながら入ると、前回は人で充満してたロビーに、先客は2人だけ。
ウェイティングリストの未消化分も、恐らくその2人分だけ。そのすぐ下に 「1名」 と書いて、待ちます。


で、5分と待たず名前を呼ばれて、豆腐製造スペースを眺める暇もろくにないまま、店内へ。
本当に空いてるのかと思ったら、中は満員。前は空いてた団体用らしき席も、今日は埋まってます。
中央に湯豆腐専用IHが設置された席には、本日限定の小豆粥ページが差し込まれたメニュー、あり。
あ、全日注文OKかどうか訊くの、小豆粥は忘れました。で、確認もせず頼んだのは無論、小豆粥。


待ってる間、メニューを見ること、しばし。そういえば七草粥、湯豆腐は付いてないんですよね。
確かに、湯豆腐なんかいわば、湯で豆腐を温めただけものものです。が、名物はやはり、名物です。
やはり食っとくべきでしょう。で、いいメニューはないか探索すると、湯豆腐単品が800円でありました。
で、あったあったと喜びながら、追加注文。当然な気もしますが、単品だと安いもんですね、湯豆腐。


で、湯豆腐の湯気で異様に湿度が高い中、ぼ~っと待ちながらぼ~っと眺める、IH。


で、結構待った後にやって来た、天ぷら・田楽・香物がセットの、豆乳おぼろ小豆粥。


で、すぐ粥を食す。小豆粥、こちらは味付きかと思いきや、七草粥と同じく無味系のガチ仕様。
豆乳に飯と小豆と豆腐を入れて、入れっぱなしにした感じとでもいうか。煮加減は、七草粥より浅め。
小豆もやはり無味であり、甘味を出すようなことはなし。菜類も、味よりはルックスのアクセントな感じ。
美味いか不味いかでいえば、単に味がない感じ。神社などの小豆粥と遜色ない、ガチさであります。


そんな粥を、梅干・湯葉・大徳寺納豆的な何かをブースターにして、丸食い。


で、粥を食ってる途中、湯豆腐が運ばれて本来型となったIHを、しばし凝視。


湯豆腐を煮詰めながら、豆腐がハード&レア寄りで美味い田楽を、丸食い。


田楽を丸食いした後にまた丸食いした、実に普通な天ぷらな感じの、普通な天ぷら。


と、粥セットを食い尽くした後、崩壊する寸前が好みなので延々と煮続ける、湯豆腐。


でもやっぱり待ちきれなくなって、徳利の出汁&シンプルな薬味と共に、湯豆腐を丸食い。


湯で温めた豆腐を、薄めてない濃縮の素麺つゆに漬けて食うかのような気分で、丸食い。


で、完食。適当料理の極致のように見えながら、実は高度なテクニックを要する粥、堪能しました。
適当料理の極致のように見えながら、実は高度なテクニックを要する湯豆腐も、やはり堪能しました。
小豆粥を食う本義、体で会得出来たような気がします。湯豆腐を食う本義は、まだわかりませんけど。
で、食ったら、退散。待客がいないロビーにて、2480円をしかるべき対価を払う形で払い、帰ります。


帰りに清水坂へ入ると、来た時と全く同じ人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人。
流されるまま清水寺へ寄っても、人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人、という感じ。


八坂通方面へ逃げると、今回はかなり混雑はマシ。五条坂も一応確認すると、もっとマシ。
車の渋滞まで七草粥の時と同じだったら、記事の仕様を何から何まで同じにして、楽が出来たのに。
そんな邪な思念が、心の中に湧き上がりました。そして、その存在に気付いた瞬間、消え去りました。
邪気を祓う、小豆粥。私は、祓われたんでしょうか。これもまた、小豆粥を食う本義なんでしょうか。

この日のおかべ家の客層は、韓国人が多め。団体用のテーブルは、特に多め。
小テーブルは日本人が多く、メインは女性グループ。あとは、ベタな和服コスプレカップル。
年齢的には30~40くらいで、中高年が多いということはなし。カップルは、無論20代が主体。
いわゆる大人な雰囲気は、限りなくありません。単独は、ほとんど見かけませんでした。

そんな清水順正おかべ家の、豆乳おぼろ小豆粥。
好きな人と食べたら、より湯豆腐なんでしょう。
でも、ひとりで食べても、湯豆腐です。

清水順正おかべ家へ豆乳おぼろ七草粥を食べに行ってきました。もちろん、ひとりで。

【客層】 (客層表記について)
カップル:2
女性グループ:1
男性グループ:0
混成グループ:1
子供:0
中高年夫婦:微
中高年女性グループ:3
中高年団体 or グループ:3
単身女性:0
単身男性:超微

【ひとりに向いてる度】
★★
平日だからといって、落ち着いて食えるわけでもない。
小豆粥は、味とCP共に、まあまあ。季節物としては、面白い。
ガチな期待をせず軽く寄るのなら、いいかも知れない。

【条件】
月曜 13:30~14:30


 
 
 
 
 
 
清水順正おかべ家
京都市清水寺門前清水2丁目
10:30~17:00

京都市バス 五条坂 or 清水道下車 徒歩約10分
京阪電車 清水五条駅下車 徒歩約25分

清水順正おかべ家 – 公式

豆乳おぼろ小豆粥 – 清水順正おかべ家