清水順正おかべ家へ豆乳おぼろ七草粥を食べに行ってきました。もちろん、ひとりで。

2018年1月7日(日)


清水順正おかべ家へ豆乳おぼろ七草粥を食べに行ってきました。もちろん、ひとりで。

というものは、いわゆる 「本気」 で作ろうとしてみると、案外と調理が難しいものです。
「美味く作る」 という以前に、そもそも粥として成立させられるかどうかさえ、怪しかったりします。
柔らかく煮過ぎたら、単なる糊汁になってしまう。固めに仕上げたら、単なる湯漬けになってしまう。
程良い程度に煮込んでから、 「これぞ粥」 と誰もが思うポイントで火を止める。これが結構、難しい。
実際、私は粥を上手に作れた試しがありません。大抵の場合、湯漬けか糊汁が出来るだけです。
適当料理の極致のように見えながら粥は、実は高度なテクニックを要する料理なのかも知れません。
となれば、粥を食す機会が何かと多い1月に、いわゆる店舗にて粥を食すのも、一興ではないか。
「神社などを回って、接待の粥を寸評する」 などという下品+無礼+無粋な行為におよぶのではなく、
京都の和食のプロフェッショナルがその技により作った粥を、しかるべき対価を払う形で、食す。
こうして 「本当の粥」 を堪能すれば、この時期に粥を食う本義もまた、体で会得出来るに違いない。
そう考えた私は、今回、1月7日の行事食・七草粥を、店舗にて食べてみることにしました。
出向いた店は、清水順正おかべ家です。言うまでなく、清水坂にあって、湯豆腐で知られる店です。
臨済宗南禅寺派の大本山にして五山の上に屹立する日本最高峰の禅寺・南禅寺の門前にて、
禅の思想を食で具現化した精進料理のひとつ・豆腐を、湯豆腐という形で古えより供してきた、順正
その順正が、清水寺参道たる清水坂、それも産寧坂の前に出してる支店が、清水順正おかべ家。
なので、湯豆腐が当然売りなんですが、季節メニューもやってて、1月7日には限定で七草粥を提供。
それも、自前の豆腐製造所まで持つおかべ家ならではの、豆乳おぼろ七草粥として出してます。
ので今回それを食べに行き、 「本当の粥」 を堪能することで、行事食の重みを感じてみたのでした。
そう、これは新たな挑戦なのです。行事食の未来・可能性を見据える為に必要な、挑戦なのです。
決して、粥ネタやるにしても多少は美味いもん食いたい、と思って出かけたのでは、ありません。
断じて、冬の食い物ネタを増やし、アクセス数の底上げを狙ってるのでも、ありません。


1月7日13時頃、一念坂・二年坂・産寧坂へ続く高台寺南門通から、おかべ家へ向かいます。
五条坂経由なら混雑は多少マシですが、やはり混雑を体感していくのが、清水坂への礼儀でしょう。
ただこの日は、日曜。おまけに、成人式を行う自治体も、多し。ので、着物で着ぶくれた女性も、多し。
ゆえに坂の混雑は、激烈。人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人、という感じ。


二年坂も人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人という感じで、
産寧坂はもう人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人、という感じ。
牛歩 or 蝸歩を強いられること、しばし。客層はやはり、修学旅行のやり直しな輩が大半でしょうか。


で、練りチューブのように産寧坂を押し出され、流されるままに大買い食いゾーンの前に出ると、
修学旅行生&そのやり直しな連中に金を落とさせる露店に混ざり掲げられてた、おかべ家の看板。
何となく、併設・五龍閣カフェの方が表記が大きい気がしますが、 「ゆどうふ」 表記は負けじと大きめ。
清水順正おかべ家、ここで間違いありません。入ります。歩くことさえ恥ずかしいですが、入ります。


で、おかべ家、本体。ですが、入る前に、意味不明な遊園地みたいな店周辺を、少し徘徊。


中国人およびアジア系客がやたら多い、意味不明な遊園地みたいな店周辺を、少し徘徊。


で、徘徊に疲れたら、いよいよ入店です。おかべ屋玄関、正月らしく門松が出迎えてくれました。
玄関、多くの人が足を止めますが、入店する人は少なめ。写真だけ撮ってトンズラという輩が、多し。
なので、空いてるかなとか思って入ったら、玄関すぐの待ち合いロビーはほぼ客で充満。帰ろうかな。
しかし七草粥が食えるのは、今日だけ。大人しくウェイティングリストに 「1名」 と書いて、待ちます。


多国籍なロビーの客に、係の人は日本語英語で 「とぅえんてぃみにっつ」 とか対応してましたが、
客の消化スピードは案外速く、豆腐製造スペースを見ながら15分ほど経った頃、席へ通されました。
中央に湯豆腐専用IHが設置された席には、本日限定の七草粥ページが差し込まれたメニュー、あり。
七草粥、係の人に一応まだ注文出来るか訊くと、全日注文OKとか。なので頼むのは無論、七草粥。


待ってる間、メニューを見ること、しばし。そういえば七草粥、湯豆腐は付いてないんですよね。
確かに、湯豆腐なんかいわば、湯で豆腐を温めただけものものです。が、名物はやはり、名物です。
やはり食っとくべきでしょう。で、いいメニューはないか探索すると、湯豆腐単品が800円でありました。
で、あったあったと喜びながら、追加注文。当然な気もしますが、単品だと安いもんですね、湯豆腐。


で、湯豆腐の湯気で異様に湿度が高い中、ぼ~っと待ちながらぼ~っと眺める、IH。


で、結構待った後にやって来た、天ぷら・田楽・香物がセットの、豆乳おぼろ七草粥。


で、すぐ粥を食す。粥、一般店だから多少味付き系が来るかと思ったら、無味系のガチ仕様。
七草の七草感は、希薄。見た目の存在感は強いですが、食的には知らん間に食い終わってました。
むしろ、餅みたいな顔して入ってる豆腐の存在感が大きいというか。やはり、湯豆腐の店の粥ですね。
粥の煮加減は、普通。豆乳&豆も、粥を邪魔せずフォローもせず、単に豆乳&豆として入ってます。


そんな粥を、梅干・湯葉・大徳寺納豆的な何かをブースターにして、丸食い。


で、粥を食い切った頃、湯豆腐が運ばれて本来型となったIHを、しばし凝視。


湯豆腐を煮詰めながら、豆腐がハード&レア寄りで美味い田楽を、丸食い。


田楽を丸食いした後にまた丸食いした、実に普通な天ぷらな感じの、普通な天ぷら。


と、粥セットを食い尽くした後、崩壊する寸前が好みなので延々と煮続ける、湯豆腐。


でもやっぱり待ちきれなくなって、徳利の出汁&シンプルな薬味と共に、湯豆腐を丸食い。


湯で温めた豆腐を、薄めてない濃縮の素麺つゆに漬けて食うかのような気分で、丸食い。


で、完食。適当料理の極致のように見えながら、実は高度なテクニックを要する粥、堪能しました。
適当料理の極致のように見えながら、実は高度なテクニックを要する湯豆腐も、やはり堪能しました。
七草粥を食う本義、体で会得出来たような気がします。湯豆腐を食う本義は、まだわかりませんけど。
で、食ったら、退散。待客が溢れるロビーにて、2480円をしかるべき対価を払う形で払い、帰ります。


帰りに清水坂へ入ると、来た時と全く同じ人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
流されるまま清水寺へ寄っても、人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人、という感じ。


八坂通方面へ逃げると、多少は歩けるようになりますが、それでも人人人人人人人人人人
人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人、という感じ。
うんざりして五条坂へわざわざ回ると、こっちは車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車車
見てると胸焼けがして、何か粥が食いたくなりました。これもまた、七草粥を食う本義なんでしょうか。

この日のおかべ家の客層は、案外、日本人というか関西系が多め。
無論、中国人なども沢山いますが、少なくとも店内では大したボリュームではありません。
国以外の属性的には、地域・人種・性別・年齢・グループ別など、あらゆる意味で烏合の衆。
店の前こそ修学旅行向けですが、若者は少なめ。いることはいますが、数は少なめ。
あと、偶然か必然か不明ですが、ヴィーガン系 or イスラム系な人をよく見ました。
単独は基本、私以外にはひとりだけ、待ちの際に名前を呼ばれるのを聞いただけです。

そんな清水順正おかべ家の、豆乳おぼろ七草粥。
好きな人と食べたら、より湯豆腐なんでしょう。
でも、ひとりで食べても、湯豆腐です。

清水順正おかべ家へ豆乳おぼろ小豆粥を食べに行ってきました。もちろん、ひとりで。

【客層】 (客層表記について)
カップル:2
女性グループ:微
男性グループ:微
混成グループ:微
子供:0
中高年夫婦:2
中高年女性グループ:2
中高年団体 or グループ:3
単身女性:0
単身男性:超微

【ひとりに向いてる度】
★★
アウェー感、あらゆる意味で半端ない。
関西系の人間なら案外と和める可能性もあるが、
団体とかに囲まれると、属性を問わず恐らく、地獄。
粥は、値段相応。タイミングが合えば、食ってみてもいい感じ。
湯豆腐は、単品で頼む根性があればCP良好だと思う。

【条件】
日曜 13:15~14:15


 
 
 
 
 
 
清水順正おかべ家
京都市清水寺門前清水2丁目
10:30~17:00

京都市バス 五条坂 or 清水道下車 徒歩約10分
京阪電車 清水五条駅下車 徒歩約25分

清水順正おかべ家 – 公式

豆乳おぼろ七草粥 – 清水順正おかべ家