京の冬の旅・東本願寺の僧侶が案内する特別拝観に行きました。もちろん、ひとりで。

京の冬の旅・東本願寺の僧侶が案内する特別拝観に行きました。もちろん、ひとりで。
かなり前から、京の冬の旅からプレッシャーを受け続けていました。
京の冬の旅。冬の観光閑散期の対策として展開されているキャンペーンのひとつです。
普段は非公開の寺社、また有名な寺社の非公開伽藍などを、特別公開する企画です。
同じ趣旨ながら今は亡き京都花灯路や京の七夕と違い、歴史が長いのも京の冬の旅の特徴。
2025年時点で50回を超えています。最早、この企画自体が冬の風物詩とも言えるでしょう。
つまりは、ベタ。であれば、行かねばなりません。当サイトは、京都のベタを押さえるのが信条。
なんですが、そうなんですが、これまでずっと行くことが出来ませんでした。理由は、色々あります。
まず毎年のように特別公開の寺社や公開内容が変わるので、客層をどうこう言っても意味ないし、
それでも行く場合は何処に行くのか悩み所だし、選ばず全てに行けば時間と財布がパンクするし、
何より、死ぬほど寒い京の冬の真最中にあちこち動き回ってたら本当に死ぬという問題もあります。
難しい。あまりにも難しい。そう思い、今の今まで手が付けられないままだったのでした。
が、毎冬チラシを目にしてはプレッシャーに苛まれるうちに、私はふと気づいたのでした。
毎年のように公開内容が変わる京の冬の旅だけど、毎年同じようなことをやってる寺社が、実はある。
それは、東寺と、東本願寺と西本願寺。この大御所連は、割と毎年同じことをしてる。し続けてる。
東寺は、五重塔の初層の公開。東本願寺と西本願寺は、諸殿の公開。大体いつでもこれをやってる。
さらに東本願寺と西本願寺はここ何年か継続的に、僧侶が案内する特別拝観なるものをやってる。
非公開諸殿の公開に加えてあの巨大な木像伽藍を案内付きで巡るというのも、予約制でやってる。
これは良い。これ一発だけで 「京の冬の旅を履修した」 と断言出来そうな、格の差を感じます。
確かに拝観料はやや割高ですが、それでも特別公開を3つも4つも回るよりは遙かに安価。
京都駅などに毎冬溢れる京の冬の旅のポスター類から、圧を感じることもなくなる気がします。
そんな訳のわからんことを考えながら、特別拝観の予約を取りました。

東本願寺と西本願寺の特別拝観、要予約プランの予約は割と難しめです。空いてない。
あと、昼の特別拝観がそもそも少ない。朝ならもう少し余裕がありますが、朝になんか行きたくない。
京の冬の朝、寺になんか行きたくない。特に、風通しが良過ぎる巨大な寺になんか絶対行きたくない。
そう思って探すと、東本願寺の特別拝観は昼にも少しあって、1枠空きがありました。なので、予約。


当日は、市営地下鉄の五条駅から東本願寺へ行きました。京都タワーが南の彼方に見えます。
東本願寺と言えば、京都駅のすぐ北側で威容を誇る大寺院ですが、五条駅もかなり近いんですよ。
京都駅の混雑の中を延々歩かずに済むし、京の冬の旅のポスター類を見ないで済むのもいいところ。
寺の前までのんびり歩き、烏丸通の向かい側では路傍の南天をのんびり愛でたりしてから、寺へ。



到着した東本願寺前、近年は門前が広場化され、一帯が真宗の宗教都市と化した感があります。
周囲を徘徊しているのは、観光客全開な海外の観光客か、地元感全開な自転車の人。極端ですね。
巨大な御影堂門の何処かに、京の冬の旅の看板などが出てないかと思いましたが、見当たりません。
あったのは、受付の場所を示す看板のみ。凄く、地味です。毎年やってるから醒めてるんでしょうか。





案内に従って受付に行ってもいいんですが、予約した時間まで間があるので、境内を少し散策。
無料ゾーンである御影堂や阿弥陀堂、各門などを、海外観光客や信徒中高年に混ざって拝みます。
京都駅の目前だからか、観光客は本当に海外系が多く、観光疲れで呆然と座り込んでる連中も多数。
名所なら何処でも見る光景ではありますが、此処だと聖地巡礼の民みたいに見えるのが、不思議。


そんな無料ゾーンに別れを告げ、予約済みのセレブたる私は有料である特別拝観の受付へ。
受付は、門をくぐった右側にある拝観休憩所の前。受付済みらしき人が、既に20~30人ほどいます。
時間ジャストで行きましたが、私は最後のひとりだったようです。皆さん、熱心な方ばかりのご様子で。
2200円払って受付を済ますと、有料セレブ客用の名札と、案内音声用のイヤホンが渡されました。

イヤホンは、僧侶の案内をワイヤレスで飛ばすため。声を張ると、参拝者の邪魔になるからとか。
イヤホンのチェックが済むと、特別拝観が始まりました。20~30人で、まずは阿弥陀堂へ移動します。
特別拝観は、阿弥陀堂と御影堂を案内付きで詳しく見てから、目玉の非公開ゾーンへ入るという流れ。
案内する僧侶の方は、変に慣れた感じもなく、デキる会社員の如く案内をソツなくこなしていきます。

阿弥陀堂では、豪華絢爛な堂内が浄土を示すことや、右側に聖徳太子がいることなどを解説。
阿弥陀門の説明も軽くされてから渡廊下に出ると、廊下に置かれてる毛綱も見学しながら御影堂へ。
御影堂で話されるのは、もちろん親鸞の御影に関すること。一方、西本願寺との分離の話も出ました。
あ、写真撮影NGと思い込んでカメラを仕舞い込んだんですが、無料ゾーンは撮っていいそうですよ。

引っ張り出すのも面倒なのでカメラなしで案内について行きますが、この先は本当に撮影NG。
天井がやたら低い白いあれを通って着いたのが、特別公開される非公開建築のひとつ、宮御殿です。
宮御殿。その名の通り御所から下賜されたという建物で、元来は大宮御所の一部であったといいます。
特別拝観ゆえの至近距離で眺めると、建物が持つ歴史が感じられるかと言えば、何かよくわからん。

宮御殿の名物は、襖に描かれた 「四季行事絵図」 。その名の通り、四季を描いた襖絵です。
らしいのですが、私、目が悪くてよく見えません。そして、メガネを出したくなるほど興味も湧きません。
御所の建築としてはさほど格が高くないことを示す畳の赤い縁は、見えました。でも、色がよく見えん。
防火壁となる庭や山や壁も見たような気もするんですが、 「見たような気」 以外のことを思い出せん。

続く非公開建築の特別公開第2弾は、桜下亭。同業者、即ち坊さん用の応接間なんだとか。
お西さん、即ち西本願寺の坊さんとかが東本願寺に来東した時は、此処の座敷に一旦通すそうです。
大谷光瑩の隠居所を東京から移築した建物で、元は岐阜別院にあったという円山応挙作の襖も見所。
稚松・壮竹・老梅が描かれてた気もするけど、目が悪くてこれもよく見えないので、何かよくわからん。


一方、よく見える場所もあります。ひとつが、菊の門の裏側。思わずカメラを引っ張り出しました。
そしてもうひとつが、能舞台です。これが格好良い。能舞台は何でも格好良いですが、でも格好良い。
Adoが2023年の紅白に使ったのが此処で、案内をされた僧侶は当日の大晦日に出勤されていたとか。
でも、やたら機材が運ばれてるのはわかったけど、何をやるのかは一切知らされなかったそうです。



さて此処からは写真を撮りまくろうかと思ったら、特別拝観はもう終わり。宗務所で解散です。
イヤホンとセレブお札を返し、それと引き換えのようにお土産をもらったら、北側の門から退出します。
改めて菊の門に表からご挨拶しようと寺の東側へ回ると、伽藍の後に広がる空はもうすっかり夕暮れ。
日の短さだけは確かに冬っぽいけど、これだけでは何か、京の冬の旅を履修出来た気がしないな。

なので、お土産で復習します。お土産は、カレンダーや雑誌などなど、真宗グッズが目白押し。
雑誌 『同朋』 は、テーマが言語学だったり、町田康に話聞いたりしてて、豪華というか高踏というか。
バブル~雑誌最盛期の心が豊かになる雑誌を見てる気になりました。あるところにはあるもんですね。
ずっとないところにいる私は、少しでも拝観料の元を取ろうと 『同朋新聞』 を熟読したりしましたとさ。
東本願寺の特別拝観、この日の客層は中高年がメインという感じ。
2人連れ以上は基本的に性別問わず50前後で、信徒さんに見えるテイストもあるという。
地元感はないものの近隣感は少しあり、観光丸出し感や 「そうだ京都行こう」 感は希薄です。
単独は、逆に性別問わず30前後と、やや若め。
観光感や 「そうだ」 感はやはり希薄ですが、グループ客よりは香っている感じでしょうか。
若い男は基本的に基地外気味というか、素行が怪しい者が多い気がしました。
そんな、京の冬の旅・東本願寺の僧侶が案内する特別拝観。
好きな人と行けば、より京の冬の旅なんでしょう。
でも、ひとりで行っても、京の冬の旅です。
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【客層】 (客層表記について) カップル:0 女性グループ:0 男性グループ:0 混成グループ:0 子供:0 中高年夫婦:2 中高年女性グループ:2 中高年団体 or グループ:3 単身女性:1 単身男性:2 |
【ひとりに向いてる度】 【条件】 |

京の冬の旅
毎年 1月~3月に実施
京の冬の旅 – 公式
東本願寺
京都市下京区烏丸通七条上る
6:20~16:30 (冬季)
市営地下鉄 五条駅下車 徒歩約5分
JR 京都駅下車 徒歩約7分
京都市バス 烏丸七条下車 徒歩1分
東本願寺 (真宗本廟) – 公式

