祇園祭の昼の宵々山へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2012年7月15日(日)


祇園祭の昼の宵々山へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

宵々山。すなわち、山鉾巡行の前々夜という意味です。
「15日の宵山」 が本来の呼び方だそうですが、すっかりこの呼称が定着してます。
最近は宵々々山という言葉も浸透し、私もふざけて 「宵々々々山」 などと書いたりしました。
しかし、そのうち 「宵々々々々々々々々々々々々山」 などという阿呆な言葉が本当に現れようとも、
「宵」 という文字が夜を表すことについては、どうにもこうにも曲解のしようがありません。
そう、そもそも山鉾町の散策は、夜に行うもの。何故なら、昼は暑いから。死ぬほど、暑いから。
しかし、宵々々山あたりからの山鉾町は、昼でも多くの観光客で賑わうようになります。
まだ山のいくつかが建ってもいない宵々々々山の頃だと、まだ地元の人が多い感じですが、
交通規制や露店が始まる宵々山あたりからは、混雑は夜顔負けのレベルに達してしまいます。
頭の上からは、直射日光。足元からは、輻射熱。そして周囲は、木材と人肉だらけ。
それでも、来る人がいるのです。それも沢山、いるのです。死を覚悟しているとしか思えないのです。
幻想と疲労の間から生まれた、観光ハイとは違うヘビーで殺伐とした空気を放ちながら、
超狭い山鉾町の中を徘徊し続ける人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人。
人間の業が露になるという点では、それはそれで興味深いものがあるかも知れませんが、
地元あるいは近隣の住民ならあまり近づきたくない、そんな恐るべき昼の宵々山。
しかし、超メジャースポットの単独特攻が趣旨のうちとしては、逃げるわけにはいきません。
単独特攻のみならず、山鉾全てを網羅するというどうでもいいミッションも己へ課し、
炎天下と超人圧の中、熱中症の恐怖を背中に感じながら徘徊してみました。
疲労が過ぎて、細かいことを記憶する脳の余裕がなかったため、長ったらしい文章は、カット。
写真の単なる羅列から、現場の異様な空気を感じて下さい。


京阪四条駅を出たら、いきなり鴨川が暴れまくってました。
左岸には、流木が多数、散乱。右岸の川床も、もう少しで濁流に飲み込まれそうです。
凄い。鴨川の神を鎮めるという、祇園祭本来の意義を思い起こさせてくれるもんじゃないですか。
波乱の一日になることを予感しながら、四条大橋を渡り、山鉾町へ。


で、保昌山。えんむすびで女人、多し。


白楽天山。周囲の 「出店」 感が狭苦しくて、いい味出てます。


前の露店がまだ準備中の、鶏鉾


綾傘鉾。外人のツアー客、多し。


船鉾。車椅子のじいちゃんばあちゃんが見物中。


入口のスロープが面白い、岩戸山


いつも静かな、木賊山


聖徳太子の知恵の座と会所が味ありすぎな、太子山


ビューティーサロンフクな、油天神山


芦刈山の会所飾り。


伯牙山の会所の入口。


今年から巡行復活の大船鉾の会所飾り。


人間の海になった四条通越しの、放下鉾


今年もおたべな、南観音山


今年もインド更紗な、北観音山


今年も鳩な、八幡山


今年も役者な、役行者山


烏丸通に立つ一本木、鈴鹿山


孟宗山の会所の入口。


完全に人間で埋まった四条通の彼方で立つ、長刀鉾


その長刀鉾の前で振り返ると、彼方に函谷鉾


大通りに面しながら会所の渋さが光る、月鉾


観覧が大繁盛の、菊水鉾


会所の奥行きが渋い、占出山


茅の輪があるけど大行列でくぐりようがない、山伏山


鯉山の風呂敷。


マンション入口が会所で住人が通る、浄妙山


創業274周年で鯉274匹の絵が飾られる、黒主山


今年もカマキリな、蟷螂山


歩行者天国化間際の鉾の辻を借景に、郭巨山


近くで警察が 「歩行者天国まだです」 と絶叫してる、四条傘鉾


混雑が凄くて会所に到達できない、霰天神山


そして、橋弁慶山。よっしゃ、これで山鉾、全部見た。しんどい。死ぬ。


そういえば、四条大宮では、太鼓奉納してた。


そういえば、気ぐるみやらバイトの子らが、よくうちわ配ってた。


長刀鉾のあたりでは、山鉾町そのものへの入場規制が始まってた。


四条河原町から西を見れば、人間の海。以上でございました。

客層は、完全に烏合の衆。人圧は、もちろん激烈です。
三連休の日曜+雨の中休みということもあり、混雑度は殺人的。
色気のプレッシャーとか、もう関係ありません。ただただ、肉と無神経との戦いになります。
観光客は、言うまでもなく、多し。というか、メイン。近隣系も含め、地元のテイストはほとんどなし。
その多くが、山鉾&パンフ&スマホ&心の中の何かしか見てない、前方不注意の輩です。
外人、多し。中国人、はさほどでもなし。外人ツアー客が、狭い会所へよくのたくりこんでました。
単独の比率や数は、どうでしょう。何かもう、そんなこと知るかとしか言いようのない感じ。
精神的にも肉体的にも、ハードなミッションになることは間違いないでしょう。

そんな祇園祭の、昼の宵々山。
好きな人と行ったら、より祇園会なんでしょう。
でも、ひとりで行っても、祇園会です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:1(浴衣着てる奴多し)
女性グループ:1(おおむねしょうもない学生風)
男性グループ:1(おおむねしょうもない学生風)
混成グループ:1(おおむねしょうもない学生風)
修学旅行生:0
中高年夫婦:1(古典的な観光客)
中高年女性グループ:若干(古典的な観光客)
中高年団体 or グループ:2(古典的な観光客、外人含む)
単身女性:若干(結構多い。若干ディープ寄り)
単身男性:若干(カメと変人)

【ひとりに向いてる度】

ただただ、地獄。

【条件】
日曜+宵々山 13:30~18:30


祇園祭 宵々山
毎年7月15日
朝から22時頃まで

市営地下鉄四条駅 or 烏丸御池駅
あるいは阪急烏丸駅下車
人が多いほうへ流されていけば、
そのうち辿り着く。

祇園祭 – 祇園祭山鉾連合会 公式

山鉾案内図 – 京都新聞