哲学の道へ桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年4月10日(日)

哲学の道の桜
哲学の道へ桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

「人は人 吾はわれ也 とにかくに 吾行く道を 吾は行くなり」。
「俺が俺で俺だから」の如き「俺俺俺」な響きを持つこの歌、詠んだ人は、西田幾多郎。
「絶対矛盾的自己同一」などとややこしいことを言って、京大で京都学派を創始した哲学者です。
その西田幾多郎が思索に耽りながら歩いたから、哲学の道は、哲学の道。
琵琶湖疏水の開鑿に伴い整備された、銀閣寺から若王子神社前までの約2キロの歩道。
そこへ、日本画家・橋本関雪と妻よねによって大正時代から桜の植樹が始められ、
昭和後期に改めて整備、名前も正式に「哲学の道」となり、日本の道100選にも選定。
今では春になるたび、哲学から最も遠い人々が哲学から最も通り理由でそぞろ歩く、
桜の無料&超メジャースポットとなりました。
が、それでも哲学の道は、哲学の道。やはり、吾行く道を、吾は行くなり。
俗人が集うこの雑踏の中こそ、己の哲学的精神を試すには、ふさわしいのではないか。
この享楽的な空間こそ、真に現代的な哲学を構築するのには、ふさわしいのではないか。
そう考え、満開の桜の中を歩きながら、思う存分思索に耽ってみました。

若王子神社前
南側から歩道へ入り、「この道は常識として 犬の大便等お断り」の張り紙を見て、
常識をアウフヘーベンするためあえて人をひり出す可能性について、深く思索する・・・。

哲学の道の猫
若王子付近でいじられまくってる猫たちを見て、
犬の大便は捨ててはいけないが、猫の子供は捨ててもいい可能性について、深く思索する・・・。

微妙にカーブする小川水路にたまった桜の花びら
微妙にカーブする小川と、水路にたまった桜の花びらを見て、
そういえばこの辺で拾った石を売ってるおっさんがいたなということについて、深く思索する・・・。

哲学の道のベタな光景
ベタな光景を見ながら、天気が良過ぎると写真が撮りにくいことについて、深く思索する・・・。

携帯で桜を撮るおじさん
悪ふざけで人が入った写真を撮ってるのではなく、
混んでるからどう撮ってもこんな絵ばっかりになることについて、深く思索する・・・。

満開の桜の下の狭い歩道繁盛する焼竹の子の屋台
哲学の道の周囲は多くが一般民家であること、
なので、たまに出くわす焼竹の子などの屋台がやたら繁盛してることについて、深く思索する・・・。

桜が途切れた哲学の道
桜が途切れると、一気に人間の存在感・混雑感が増すことについて、深く思索する・・・。

混雑する哲学の道
銀閣寺に近づくと、桜があっても人間のインパクトが減らないことついて、深く思索する・・・。

桜の木の下のちりめん山椒とわらび餅の出会い
桜の木の下に於けるちりめん山椒とわらび餅の出会いについて、深く思索する・・・。

橋から桜を撮る人々
誰かカメラ落としてくれないか、何ならドボーンと体ごと落ちてみてくれないか、
と期待してしまう人間の心の哀しさについて、深く思索する・・・。

凄まじい混雑
川を撮ってるんだけど、人間が多過ぎて川が全く見えないことについて、深く思索する・・・。

銀閣寺前の桜哲学の道・北側入り口の桜
銀閣寺前の混雑が、もう何かわけのわからないレベルであることについて、深く思索する・・・。
以上、哲学的成果の発表でございました。

客層、人が多過ぎて、識別できません。
多過ぎるといううか、狭いところで密集し過ぎてるというか。
中高年女性グループと団体が多い気はしましたが、他の層も当然ながら多いです。
カップルは当然多いですが、芋荒い状態が凄まじいので、プレッシャーもひったくれもありません。
観光客の観光ハイはもちろん、激烈。誰も期待してないでしょうが、哲学的な雰囲気はかけらもなし。
単独女性は、おひとりさま候補生という感じのが点在。単独男は、ほぼ全部カメラマン。

そんな哲学の道。
好きな人と歩けば、より哲学なんでしょう。
でも、ひとりで歩いても、哲学です。

桜アップ
【客層】 (客層表記について)
カップル:2
女性グループ:1
男性グループ:1
混成グループ:1
修学旅行生:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:2
中高年団体 or グループ:1
単身女性:1
単身男性:若干

【ひとりに向いてる度】
★★
プレッシャー、あるといえば激烈にあるが、
人が多過ぎるため
まぎれるといえば案外まぎれる。

【条件】
日曜+桜満開 10:00~11:20

哲学の道
京都市左京区銀閣寺町~若王子町
終日うろつき可能
北側 京都市バス 銀閣寺道 下車徒歩10分
or 銀閣寺前下車すぐ
南側 南禅寺 or 永観堂道 下車徒歩10分

Wikipedia 哲学の道

京都新聞 街道を巡る「哲学の道」

哲学の道のベタな光景