さすてな京都へあじさいを観に行きました。もちろん、ひとりで。

さすてな京都へあじさいを観に行きました。もちろん、ひとりで。
京阪電車本線に於ける駅間距離の最長区間は、淀駅~中書島駅間の4.4kmであり、
淀駅の隣である八幡市に住む私は、所要時間約5分であるこの4.4kmを日常的に通ってます。
南向きの時は、巨椋池干拓地の空を見ながら。北向きの時は、横大路沼跡地の煙突を見ながら。
駅間距離が長いのは、敷設時点では横大路沼が存在し、大きな集落などがなかったためです。
横大路沼は、秀吉の伏見城築城&その水運確保のため行った宇治川改造の際に生まれた沼地で、
伏見と淀城を結ぶ京街道の足場 = 淀堤によって、巨椋池の北辺を分離する形で出現しました。
それ以前の一帯は、恐らくは水と陸との境界さえあやふやな沼地というか遊水地だったわけであり、
かの下鳥羽/草津港まで含めて、京都南部の水路/海路のゲートとして機能してたのでしょう。
現代に入るとこうした池や沼は干拓で姿を消しますが、横大路沼の干拓完了は比較的遅くて、戦後。
ある意味、水と縁深き洛南の景色を最後の最後まで留めてたのが、この沼なのかも知れません。
干拓後の横大路沼は、豊かな土地と水を活かすべく工場/施設が多く建つようになりました。
誰もがスーパーで目にするような和菓子のメーカーの工場を始め、多くの建物が林立してますが、
その中でずば抜けた存在感を放ってるのが、京都市の環境施設・京都市南部クリーンセンターです。
横大路沼の干拓が完了する以前の昭和11年から、横大路塵芥焼却場として処理業務を開始し、
干拓完了までは沼の畔で、完了後は敷地と施設を拡大しながら、増大する一方の市のごみを処理。
現在は1日最大1100tのごみを焼却出来る、京都市の環境政策に於ける重要拠点となってます。
居並ぶ他の煙突を圧倒するかのようにそびえるその紅白の煙突は、正に此地のランドマークであり、
京阪電車 or 京阪国道を通る人なら、京都市民でなくともその威容を日々目にしてることでしょう。
クリーンセンター、2019年には環境学習施設・さすてな京都が設立され、見学が簡単になりました。
で、このさすてな京都、あじさいが名物だったりします。その株数、実に1万株以上。中々です。
そんなあじさいを、水と縁深き洛南の幻影を求めるように小雨の中、観に行きました。

さすてな京都は横大路沼の跡地にあるので、淀駅と中書島駅の間にあるということになります。
最長駅間区間の真ん中あたりにあるので、アクセスはバスです。京都市バスと京阪バスが出てます。
八幡人の私は、近い方の淀駅からバスに乗車。水郷の残り香を伝える水車が、曇天と良い相性です。
中書島駅の方は、市&京阪バスに加えて無料のシャトルバスが6月の土日に運行されるそうですよ。

バスは、旧京阪国道を直進して横大路へ向かいます。競馬場の高架橋をくぐったりもしながら。
広大な京都競馬場も、元は巨椋池&旧宇治川の跡地で、コースの中央には原生池が残ってるとか。
沼の跡地を突っ切る旧国道は、工場や倉庫が多く、その隙間に原野みたいなのが見える、そんな道。
それでもバスは割と客が多く、途中でも割と客を乗せて行きます。きっと、あじさい客なんでしょうね。

とか思ってたら、さすてな京都前の南横大路バス停で降りたのは、私と、後は老夫婦1組だけ。
バス停では、あじさい帰りらしき老人達がバスを待ってたけど。悪天の日はこんな感じなんでしょうか。
バス停から少し南下した御覧の交差点が、さすてな京都への道。そう、ここがさすてな京都の前です。
爆走するトラックや倉庫ばかり見えますが、奥に立つ煙突は紛れもなくクリーンセンターの煙突です。

煙突を目印にしながら、やたら吠える犬の前を通り過ぎ、壁のようにそびえる工場の横を歩き、
雑草が生えまくる荒れた歩道を雑草をかわしながらしばらく歩いた後、さすてな京都に到着しました。
さすてな京都。京都市南部クリーンセンターの、学習施設です。なので奥では、処理場も稼働中です。
警備員さんも、収集車の誘導をしてます。でも、あじさい客の案内もしてます。私も案内され、中へ。

で、あじさい。

さすてな京都のあじさいは、施設の周囲の2辺に 「アジサイの小径」 として拡がってます。
6月中旬の時点で、入口近くはやや枯れてて、少し奥から調子が出てくる感じ。観て行きます。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

あじさい。

といった感じであじさいを愛でてると、雨が強くなってきました。ので、建物内に入ります。
さすてな京都、中はごみ処理施設の見学通路が設けられており、自由に見学出来るのです。

で、ごみ。あじさいと形が似てるとか言いたいわけじゃないですよ。

ごみキャッチャー。

ごみ。あじさいと形が似てるとか言いたいわけじゃないですよ。

ごみ。あじさいと形が似てるとか言いたいわけじゃないですよ。

施設には、煙突を利用した展望台もあります。あ、あの紅白煙突って旧工場のやつなんですよ。
展望台から拝めるのは、伏見から北に拡がる京都市街や、南に拡がる巨椋池跡地の景色などなど。
巨椋池の先で、男山+天王山が死のボトルネックを形成する我が町・八幡も、もちろん見物可能です。
この写真だと、煙突の右奥の辺。あそこが詰まって、此辺が水浸しの遊水池になってたわけですね。

堰やダムで此地の遊水機能は不要となり、サウス民の我々も平和に暮らせるようになりました。
昭和中期には大雨で巨椋池&横大路沼が復活したりもしましたが、近年はそんなこともありません。
ただ、水郷としての土地の滋力はまだ残り、水の花・あじさいの成育にも良い影響を与えてるようです。
玄関前の巨椋池ビオトープで繁茂する巨椋池名物・蓮にもそんなことを感じながら、帰りましたとさ。
さすてな京都のあじさい、客は少なく、いずれも近所/近隣風。
あくまでも 「タダであじさいが観れるので来た」 という感じの人々です。
基本は日中暇な年寄りが多く、夫婦/女性グループ/烏合グループの形で来てます。
そこに時折、小さな子を連れた家族連れが入るくらいでしょうか。
若い客は、貧乏そうなカップルとカメぐらい。観光客の姿は、影も形もありません。
単独は、全てがカメ。といっても、ガチ全開といった感じの人はあまり見かけませんでした。
あじさいの質は、割と良い感じです。数の多さは、中々の見物でしょう。
ただ、あじさいを観るためだけにここまで来るべきかどうかを訊かれたら、微妙。
ごみ処理施設は結構面白いですが、わざわざ京都に来て観るべきものかどうかも、微妙。
湿地の歴史を意識して初めて、ここのあじさいは意味あるものに感じられるような気もしました。
その辺を全般的に考慮して、ひとりに向いてる度は★★★くらいだと思います。
そんなさすてな京都の、あじさい。
好きな人と観たら、より横大路沼なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、横大路沼です。

さすてな京都
京都市伏見区横大路八反田29
9:00~17:00 水曜定休
市バス&京阪バス
南横大路 (さすてな京都前) 下車 徒歩約5分
さすてな京都 – 公式

