八幡の背割堤へ桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年4月9日(土)

背割堤の桜並木
八幡の淀川河川公園・背割堤へ桜を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

背割堤。せわりづつみ。
私の地元・八幡における桜の名所です。
が、名所といってもトップ絵面をご覧の通り、基本、ソメイヨシノがボーンボーンと立ち並ぶだけ。
量は多いですが、凡庸といえば凡庸。どこにでもありそうな感じの、郊外的な桜スポットであります。
しかし、植えられた桜は凡庸でも、植えられた土地は凡庸ではありません。
ここ背割堤は、府南部の木津から流れてきた木津川、琵琶湖から宇治を通ってきた宇治川、
そして鴨川と保津川を飲み込んだ桂川の三川が合流し、大阪のシンボルである淀川に化ける地。
昔は「淀川」という名前の通り、淀城のあたりで合流してたんですが、
明治初頭に流路を変更、現在の合流点はちょうど京都府と大阪府の境界あたりだったりします。
そう、ここはまさに、国境。
生と死の境界線上で咲く桜にふさわしい、清と濁、光と闇が相まみえる場所なのです。
京都と大阪のどっちが濁かは知りませんし、あるいはどっちも闇かも知れませんが、
とにかく、凡庸なソメイヨシノであっても何らかの妖しき魔力が作用するのは、確かなのです。
「ほんまか」と問われたら「嘘です」としか答えようがないですが、確かなのです。
KBS京都とテレビ大阪が見れたり見れなかったりした私が言ってるんだから、確かなのです。


八幡市駅の改札を出て、車体を傾け爆走する特急を超至近距離で拝める踏み切りを渡り、
ちょっと前まで何語かわからん言語で話す何人かわからん連中がたまってた道を北上し、
放置確定と思ってたら突然完成した新御幸橋で木津川を渡れば、そこが背割堤。
桜、もう見えてますね。

木津川を渡る御幸橋
背割堤、入り口。といっても、入場料とかは別段要りません。
そのかわり、トイレは仮設ばっかり。バケツから掬った水で手を洗うみたいな。
いっそエコロジカルに川で済ますというのも手ですが、流れは速いので、落ちると怖いですよ。

背割堤の屋台
入り口の近くには、屋台が集中的に出店してます。
ちなみにここから先、合流地点に至るまで、自販機などは全くありません。
飲食物現地調達で来られる方は、ここで入手しときましょう。

竹の子中華まん
私は、竹の子中華まんを食しました。八幡名物の竹を、無理矢理に商品化した珍品。
竹炭で真っ黒の生地+竹の子入りの餡。無理あるな・・・。
生地はふっくらしてて、意外と美味。餡の竹の子感は希薄ですが、そのぶん普通に食えます。
「ビジュアルが食い物と逆の口を通る何かを連想させる」などということは、言ってはいけません。

背割堤の土手
背割堤といえば何といっても「桜のトンネル」が有名ですが、
トンネルになってる道は歩道なので、シート類を敷くことは禁止されてます。
なのでこうやって、土手に人が集まってくるわけですね。

桜と親子連れ
ここは昔から桜があったわけではなく、昭和30年代までは松並木で知られてたそうです。
「山城の橋立」と呼ばれるほどの景勝地だったそうですが、害虫被害で松が全滅。
建設省がかわりに桜を植え、現在に至ると。

ほど良い過疎の背割堤
当然ながら、入り口から遠ざかれば遠ざかるほど、人は少なくなります。
逆方向に出口は、ありません。川が合流するだけです。なので、なおさら。
晴天であってもご覧の通りの、ほど良い過疎加減。
知名度が徐々に増してる背割堤ですが、まだまだ穴場としての魅力は薄れずというところでしょうか。

桜並木の終点
ボ~っと歩いてるうちに辿り着いた、堤防の切れ目。桜並木の終点です。
ここが合流地点と言いたいところですが、本当の合流地点はこのもっと先、
まともな道もない、荒涼とした自然の中を歩いていかなくてはなりません。

獣道獣道
で、もちろん、合流点を目指します。
鳥が不穏にさえずるなか、「何この大自然」とか呟きながら、ツタをかき分け獣道を進む、進む。
行ってる人間が言うのも何ですが、ここ、行くのはあまり勧めません。
夏は虫的に、危険。この時期でも暗くなると、人を含めて何が出てくるかわかりません。
行かない方がいいと思います。というか、行くな。

合流点手前
やっとこさ辿り着いた合流点手前の、憩いスポットらしき残骸。
右を流るるは、宇治川。左を流るるは、木津川。
呑気な光景に見えますが、足を一歩でも滑らせたらどっちかの川にドボン、です。

合流点
木津川と宇治川の合流点に降り立ちました。
もうちょっと先で桂川と合流、この大河はめでたく淀川となり、大阪へ流れ込みます。
が、それにしても、不気味。孤立感、断絶感、半端なし。
何となく「あの世」や「三途の川」といった言葉を連想したくなるのは、不穏な雲のせいでしょうか。
それとも「国境」の魔力が、普通の景色を異常に見せてるのでしょうか。
あ、左奥にみえる塔は、倉木舞の母親が最上階に住んでたくずはタワーシティです(ほんまか)。

合流点でひとり花見
せっかくなので、この雄大かつ霊気溢れる景色を独占して、優雅なひとり花見としゃれ込みます。
相槌神社前のみささ堂で買った花見だんご、そして曇り色に染まる桜並木。
絶景カナ!絶景カナ!西野カナ!!!

桜のトンネル
で、帰ります。
帰る時になって、撮るのを忘れてたのに気づき慌てて撮った、桜のトンネル。

客層は、リアルなリア充メイン。
リア充になりたい、リア充でありたいと思う人ではなく、リアルなリア充。
京都ディープサウスなテイストや八幡DQN祭りという感じはなく、
樟葉など大阪最北部の郊外でそこそこ食えてる人間のテイストが、強く漂います。
会社で来てる感じのグループは少なく、グループの多くは家族連れなので、呑み方は穏やか。
京都中心部のように団体ではしゃぐ学生などは、全くなし。
カップルは、堤防の上ではそれなりに数がいて、それなりにプレッシャーがありますが、
河原では勝手に寝てたりなごんでたりするので、特に問題はないかと。
単独は、基本的に男のカメラマンのみ。女は絶無。

そんな淀川河川公園の背割堤。
好きな人と見れば、より国境なんでしょう。
でも、ひとりで見ても、国境です。

桜並木

【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:若干
男性グループ:若干
混成グループ:3
修学旅行生:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:1
中高年団体 or グループ:4
 (若年親子連れ、多世代、中高年など)
単身女性:0
単身男性:若干(ほぼ全てカメラマン)
【ひとりに向いてる度】】
★★★
色気的には大したプレッシャーはないが、
ほとんどがグループ客なので、
ひとりだと必ず浮く。
浮くだけならいいが、
不審者に思われかねないので、
アリバイのためにもカメラは持ってたほうがいい。
ただし、子供狙いの変態カメラマンと思われたら、
あとはもう知らない。

【条件】

土手花見
淀川河川公園 背割堤
八幡市八幡六原
京阪電車八幡市駅 徒歩約10分
駐車場のみ9:00~17:00

公式サイト 淀川河川公園
よしぶえNo.43 公園めぐり

wikipedia 淀川河川公園

関連サイト 花を楽しむ – 八幡観光協会