2011年の節分をめぐってきました。もちろん、ひとりで。【2】

2011年2月3日(木)


2011年の節分めぐり、続きです。

【1】 聖護院の追儺式平安神宮の古式な大儺之儀廬山寺の鬼踊り
【2】 須賀神社で懸想文売り冷やかし藤森神社で鬼大暴れ吉田神社で沈没

の 【2】 、興奮と徒労が燃え上がる様、ご覧下さい。


藤森神社へ向かう前に、須賀神社へ寄ってみました。
ネカフェで懸想餅の艶っぽさに感心し、元ネタである懸想文売りを見たくなったからです。
懸想文。要は、ラブレターです。その代書屋が、懸想文売り。下級貴族がバイトでやってたとか。
現在は、この須賀神社の節分限定で登場。懸想文自体もお守りのようなものになってます。


鳥居をくぐると、いきなりいました、懸想文売り。
烏帽子水干+覆面+梅の枝を担いだ怪し過ぎる格好で、境内をウロウロしてます。
懸想文、箪笥の奥へ入れとくと、美人になるとか良縁に恵まれるとかのご利益があるとか。
購入者は女性ばかり。独男ながら興味本位で買おうかと思いましたが、千円なので日和りました・・・。


ついでに、また立ち寄った聖護院。
節分の聖護院、昼間の鬼と豆まきだけでなく、夜も特別公開をやってます。
重文・不動明王や宸殿の一部、狩野派による襖絵などを公開。あと、本堂前のローソク奉納と。
山伏声の坊さんに「よーおまいりやすっ」と言われるのが、妙に気持ちよかったり。


こちらもちょっと立ち寄った、熊野神社。
懐淋しき者を吸い寄せる、紅白模様と「無料接待」の文字あり。
八ツ橋発祥の地に近いこともあって、西尾などの八ツ橋の本店が密集してるとこですが、
その西尾が節分の無料接待所なるものを境内でやってました。もちろん、入ります。


本当に無料で接待してもらった茶菓は、黒餡の生八ツ橋。
普通に商品も売ってますが、「土産買っていけ」的オーラを発することは、なし。
あくまでちゃんとした接待所・休憩所として運営されてました。ありがたや、ありがたや。
あ、甘いのが苦手な向きには、有料ですが「節分そば」なるものや、おでんなどもあります。


腹も心も満たされた状態で京阪に乗り、藤森へ。
駆馬神事や紫陽花、菖蒲の節句の発祥地としても名高い藤森神社ですが、
ある意味過激にショーアップされた節分祭もまた、地元では大きな人気を呼んでます。
春には馬が走る参道を駆けるバイクと車、そして絵馬殿横に立つ団子屋はいきなり大混雑。


舞台となる拝殿では、夕方から太鼓・雅楽・舞楽の奉納が始まってます。
そして鬼が登場する前になると、今年の景気を占う人型が龍のような形で大炎上。
境内は、子供が異常に多し。大した露店もないのに、小中学生の動員力が半端ありません。
恩着せがましい文化継承ではなく、若い世代にも自然に伝統が引き継がれてます。


そうこうするうちに20時半頃、いよいよ鬼が登場。
以下、写真がことごとくピンボケですが、夜分に動くもんを狙ってるゆえ御容赦くださいませ。


スポットライトに照らされながら、花道を歩く、鬼。
写真ではわかりませんが、SEなどもしっかりついてて、完全にショー化してます。


赤鬼です。ひょっとこ爺さんのようにも見えますが、赤鬼です。
鬼ショーは2ステージ制で、1ステージ目が子供鬼、2ステージ目が親鬼、多分。


拝殿へ侵攻した青鬼。
ショーの流れは、子供鬼がまず暴れて成敗され、それに怒った親がリベンジで登場という感じ。


神職さんの異常なくらい軽妙な司会のもと、ショーはつつがなく進行。
拝殿で好き放題に暴れる鬼を退治すべく、巫女さんが矢を持って登場します。


巫女さん、「グサっ」と生々しいSE付きで鬼に矢を突き刺します。
さらに、照明ガンガン使いながら網みたいなのをかけ、トドメ。鬼、ボコボコです。


で、鬼、敗走。ご苦労様でした。
客層は、市内中心部の節分客より明らかに、若め。本当に、子供が多い。
ちゃんと子を産みちゃんと育てている若い人たちと、その子供が、祭りの主役を張ってます。
DNQ感はしたたかに漂いますが、基本的にムードはまったり。正しい祭りという感じです。


「傘を広げて豆を取るような行為は、くれぐれも自粛して下さい」と、
市内中心部では聞けそうにないアナウンスをしてから、豆まき開始。実に、ディープサウス。
「喧嘩すんな」「怪我すんな」「ちょっとでも何かあったらこの祭り、終わってしまうぞ」と、
しつこいくらいアナウンスしてから、撒いてました。これまた実に、ディープサウス。


藤森神社を後にして、昨日に続きやってきました、吉田神社。
節分行脚の〆にふさわしい、いや、これを見ずして京都の節分は終われない、吉田の火炉祭。
昨日の殺人的混雑を考慮して、火炉が点火される1時間前から乗り込みました。
22時をまわってるというのに、人出は昨日の追灘式より多く感じるくらい。


最初は火炉の前で陣取ってたんですが、急に空腹感に襲われました。
露店、売り切れ終了の蕎麦屋や巻き寿司を除けば、大半が営業中です。何か、食おう。
二の鳥居まで流れていって、400円が200円になった豚汁うどんなるものを食す。
豚汁にうどんを入れたような味がしました。


腹がくちたところで火炉へ戻ろうとしたら、ご覧の有り様だよ・・・。
混雑緩和の入山規制にひっかかってしまいました。人が減るまで、境内にも入れません。
待とうかと思いましたが、疲れたので、ギブアップ。チラッと見える火の先を見ながら、帰りました。
客層は、昨日より若者多め。藤森神社の客とあまりにもテイスト違うのが、ちょっと衝撃。

藤森と吉田はかなり独特の客層を誇りますが、
それ以外、昼間に鬼が登場するスポットは、大体客層が同じテイストです。
中高年というか老人メインで、異常に鬼と豆でハイになってるという。
色気的なプレッシャーは皆無、ネイティブ全開ながらアウェー感もさほどなし、
ただただ人圧を上手くかわせば、かなり楽しい節分が味わえるのではないかと。
吉田と藤森にしても、別段カップルだらけなどということはないので、
独男でもさほど浮きや苦痛を感じることはないでしょう、多分。

そんな2011年の節分めぐり。
好きな人と巡れば、よりなやらいなんでしょう。
でも、ひとりで巡っても、なやらいです。

2011年の節分をめぐってきました。もちろん、ひとりで。【1】
2011年の節分をめぐってきました。もちろん、ひとりで。【2】


須賀神社
京都市左京区聖護院円頓美町1
拝観自由

京都市バス 熊野神社下車 徒歩約5分
京阪電車 神宮丸太町駅下車 徒歩約12分
市営地下鉄 東山駅下車 徒歩約15分

須賀神社 – 京都観光Navi

聖護院
京都市左京区聖護院中町15
通常拝観は予約制 節分時は通常自由

京都市バス 熊野神社前下車 徒歩約3分
京阪電車 神宮丸太町駅下車 徒歩約12分
市営地下鉄 東山駅下車 徒歩約15分

本山修験宗総本山 聖護院門跡 – 公式
聖護院 – Wikipedia

 
熊野神社
京都市左京区聖護院山王町43
9:00~17:00

京都市バス 熊野神社下車 徒歩約1分
京阪電車 神宮丸太町駅下車 徒歩約5分
市営地下鉄 東山駅下車 徒歩約12分

熊野神社 – 京都十六社 朱印めぐり
熊野神社 – 京都観光Navi

藤森神社
京都府京都市伏見区深草鳥居崎町609
境内拝観自由

京阪電車墨染駅下車 徒歩7分
JR藤森駅下車 徒歩5分
市バス藤森神社前下車すぐ

藤森神社 – 公式
藤森神社 – Wikipedia


 
吉田神社
京都市左京区吉田神楽岡町30
拝観自由

京都市バス 京大正門前下車 徒歩約5分
京阪電車 & 叡山電車
出町柳駅下車 徒歩約20分

吉田神社 – 公式

吉田神社 – Wikipedia