祇園祭の神輿洗式へまた行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年7月28日(木)


祇園祭の神輿洗式へまた行ってきました。もちろん、ひとりで。

神輿洗式。10日にも同じ神事がありましたが、基本、内容も同じです。
主祭神・素盞嗚尊が乗る中御座の神輿が、四条大橋まで出向き、神水を浴びて清められるという。
10日のは「祭りの準備」としてのお清めでしたが、28日の今回は言わば「仕舞い」。
この儀式終了後、三基の神輿は境内の神輿庫へ入り、来年の夏までお休みです。
まだちょこちょこ神事各種は残ってますが、祇園祭の締めに近い行事ではないでしょうか。
ところでこの神輿洗、実は神輿を洗ってるのでなく、鴨川の神を送迎してるという考え方があります。
荒くれ川・鴨川の神を祇園祭へ招き、機嫌をとり、何とか夏の「荒れ」を回避しようという。
確かに、四条大橋の上で執り行われる儀式は、榊で鴨川の水をチャッチャとかけるだけ。
「洗う」感じにはちょっと、見えません。でも「神様を遷してる」なら、見えなくもありません。
鴨川の夏の風物詩・川床も、この「鴨川の神」の「お出かけ」に由来するといいます。
神様が留守だ、と。なら、多少宴席を設けても構わんだろう、と。で、川床が生まれた、と。
実際、江戸時代の川床は、前と後の神輿洗の間だけの超期間限定営業だったそうです。
「なら現在の川床は神の・・・」とかいらんことを言いたくなりますが、とにかく神輿洗であります。
10日とは違い、お迎え提灯の行列がない分、シンプルに神事を見れる、28日の神輿洗。
祭りの終わりの気分を感じながら、ご覧下さい。


午後6時の八坂神社境内。異常に外人が多いです。欧米系、中国系、アジア系。
というか人数そのものは多くないので、日本人が少ないというところでしょうか。
この日は3時ごろに急な大雨。でもその雨が急に止んで少し涼しくなるという気候。
神社の人は「ちょうどええわ」と言ってましたが、当たり前ながら、死ぬほど蒸し暑いです。


ジャスト19時、京都市消防局の立会いの下、「道しらべ」の大松明に点火されます。
このあと、松明は南楼門から境内を出て、ラブホ+王将前のルートで四条通を清めます。


石段前。おたべを焼き菓子にする勢いで往来を突き進む、大松明。
混んでるように見えますが、祇園祭の他の神事に較べると見物人はさほど多くありません。
清めの火の粉を飛ばしながら、真っ直ぐ四条大橋へ西進する大松明。


四条大橋上、南座へ見せ付けるように燃え上がり、振り回される、大松明。
狭い歩道は、10日と同様、ロープで通行スペースと見物スペースに分けられます。
人いっぱいですが、前回ほどの密集感はなかったような。平日だからでしょうか。


八坂神社境内へ一旦戻った大松明は、中松明に火を勧請。
この中松明にも護られて、いよいよ中御座の神輿が神輿洗式へ出発します。


石段前へ到達した神輿。神輿+法被+松明のビジュアルが、騒乱感を煽ります。
が、やはり見物人の数は多くありません。多くないので、ゆっくり写真が撮れてます。


南座に見守られながら、西進する神輿。
この時は「恋のきつねうどん 藤山直美宙乗り相勤め申し候」を上演中。いろいろやるのね、南座。
そういえば藤山直美、八坂神社に提灯をぎょうさん奉納してました。


四条大橋上では、差し回し、そして榊でチャッチャの神輿洗式が行なわれます。
人少な目といっても、神官がチャッチャする瞬間はさすがに視認不能状態。
が、水はちょっとだけ浴びることが出来ました。鴨川の神様は、ちゃんと鴨川へ帰ったのでしょうか。


神事が済んだら、帰ります。やはり燃え上がりながら神輿を先導する松明。
沿道、祇園商店街の方々が店先に出てきて、口々に「ご苦労様です」と労をねぎらってました。


石段前で、またしても徹底的な差し回し。
何故か今日のこの場所は、ギャル率が異常に高し。たまたまの観光客?それとも出勤前の人?
とにかく神輿のテンションは、激烈に跳ね上がります。


差し回しが済んだのち、「よいやっさーじゃ」の掛け声とともに、ラブホ前を疾走する神輿。
中で部屋を「使用中」のカップルにも、その熱い魂、ずしりと響いたことでしょう。


南楼門から宮入りした中御座は、舞殿を3周、今年の祇園祭最後の差し回しを存分に決めます。


神輿は無事、神輿倉に格納。で、三本締め。また来年、であります。

知名度の割に、観光客率は高いです。
ただし、はっきりこれ目当てで来てるのはディープな人だけ。
あとはたまたま神事に出くわした感じの人たちです。通りかかって、そのまま見物する人も多し。
八坂神社境内は、異常なくらい外人率高し。というより、日本人が少ないという気もします。
特に地元っぽい人の姿は、身内や関係者以外は少なかったんじゃないかと。
カップルは普通にいますが、特にはしゃぐようなことはなし。プレッシャーは特にありません。
沿道も、他の神事に比べたら人は少なめ。もちろん歩くのに苦労する程度に見物人はいますが、
神輿に追いついたり追い越したりするのは比較的、容易。
沿道の客層は、沿道の店の人たち、そして通行人。場所取りまでして見る人は、見かけませんでした。
神事の生々しさと、祭が終わる寂寞感が交錯する、ひとり向きの行事ではないでしょうか。

そんな祇園祭の神輿洗式。
好きな人と見たら、より祇園会なんでしょう。
でも、ひとりで見ても、祇園会です。


【客層】 (客層表記について)
カップル:2
女性グループ:1
男性グループ:1
混成グループ:2
子供学生:0
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:若干
中高年団体 or グループ:2
単身女性:1
単身男性:1

【ひとりに向いてる度】
★★★★
プレッシャーは特になし。
やはり敵は、人間ではなく暑さ。
神輿関係の神事をゆっくり見たいなら、
かなりおすすめ。

【条件】
平日木曜 18:00~21:00

八坂神社
京都市東山区祇園町北側625
参拝自由
京阪電車 祇園四条駅下車 徒歩5分
阪急電車 河原町駅下車 徒歩10分
京都市バス 祇園下車 徒歩すぐ

公式 – 八坂神社

Wikipedia – 八坂神社