伏見桃山のラーメン店・大中へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年8月3日(水)


伏見桃山のラーメン店・大中へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

大中!!ああ、大中!!!
美味くてしょうがない = 小がない = 大中小の小を取って大中!!!万歳!!!!
と、思わず正気を失いましたが、大中の話になると同じ状態に陥る方は多いんじゃないでしょうか。
異常な値段の安さ、異常なオーダーの自在さ、そして異常な中毒性を呼ぶ味で、
伏見住民に止まらず各地から熱狂的なファンを呼び寄せる、伏見ラーメンの名店・大中。
八幡市民の私も、その魅力にとりつかれて以来、ここのラーメンを食うためだけに、
京阪途中下車・近鉄と桃山乗り換え・JR桃山から歩き過ぎ乗り換えなどを、やらかしてきました。
大中、美味いといっても正直、いわゆる高級志向や本物志向みたいなのでは、ありません。
また、背脂醤油や新福系など、京都ラーメン伝統の味を守ってるというわけでも、ありません。
ぶっちゃけ、ジャンクです。ラーメン好きの間で様々な伝説が流れるくらい、ジャンクです。
しかし、ラーメン快楽中枢みたいのだけは恐ろしく正確に突いてくるというか、
「ああ、ラーメン食った」という満足感だけは、最高レベルで満たしてくれる店なのです。
文句を言い出したらいくらでも出てくるけど、それを越える何かがある。いや、あり過ぎる。
ほとんどソウルフード領域の味。それが、大中。
伏見へ立ち寄ったなら、ここのラーメンを食わずに帰るわけにはいけません。


大中は、近鉄・桃山御陵駅高架下の飲食街にあります。
洛内中心部に高架鉄道が少ない京都にあっては、案外珍しいタイプの景観かも知れません。
大中以外のテナントは、概ね飲み屋であります。


ちなみにこの高架、昭和初期製。
当時、ここに線路を通そうとした奈良電鉄(後に近鉄と合併して現在は近鉄奈良線)が、
軍には「地下走れ」と言われ、酒造メーカーに「地下掘ったら水枯れる」と言われ、結局、高架化。
このすぐ南にある澱川鉄橋は、軍の演習の邪魔にならないよう無橋脚で建設されてます。


で、大中であります。カラフルな正面であります。
奥は、テーブル席。同志であるひとりものの皆さんは、カウンター前のガラス戸から、入りましょう。
巨大提灯に書かれた「特製」「鉢一面」のワードに、激しく心が揺さぶられるとは思いますが、
実際に特製をオーダーする者は、常連から一見と見下されます。いや、嘘です。でも実は、本当です。


店内に入ると、まずサーブされるのは、さんぴん茶。いわゆる沖縄のジャスミンティーです。
ラーメンとの調和を考えて、このお茶に辿り着いたんだとか。
「ワンカップを再利用した水」が似合いそうなシチュエーションだからこそ、こだわりが光ります。


カウンターにずらっとならぶ、調味料たち。
写真で識別できるのは白コショーだけですが、奥にはニンニクチップ、おろし生ニンニク、
そして何より大事なのが、韓国一味。これも、こだわりのチョイスだそうです。
昔はネギまで取り放題でしたが、最近やっと正気に戻ったのか、トッピング制になりました。


来ました、「元味堅麺スープ濃いめキムチ玉子入り」とライス。
「キムチ玉子」はキムチと温泉玉子のトッピングのこと。で、このトッピング大幅追加、無料。
お望みならば「元味堅麺スープ濃いめ脂多めネギ多めキムチ玉子入り」なんて注文も、可能です。
ちなみに「元味」というのは、新たに和風スープが開発されたため発生した、元来のスープの呼称。
なかばゲル状の豚骨醤油味ですが、ゲル状過ぎて、豚骨醤油と意識したことはありません。
大中のラーメンは、大中の味です。


どうでもいいことですが、私は普段、ここではデフォか麺柔らかめをよく食います。
他の店では麺柔らかめなど絶対に食いませんが、ここはその方が「魔力」が増す気がするんで。
ニンニクチップ&生ニンニク(両方、必ず両方でなければいけません)、そして韓国一味を大量投下、
ここでしか味わえない丼いっぱいの「魔界」を、目と口と鼻と胃袋で堪能します。


ああ、食った食った、美味かった。というか、気づいた時には全て食い切っていた。
食後、脳髄の芯から湧き上がる、わかのわからない幸福感。何なんでしょう、この感じ。
ちなみに、これだけ食っても勘定はラーメン500円+ライス150円=650円。
伏見、何かおかしくないか?


たらふく食ったあとは、飲食街が途切れる途端に暗黒魔境化する高架下を南下して、
鳥羽伏見の戦の激戦地・伏見奉行所跡まで、腹ごなしの散策をするのもいいかも知れません。
奉行所跡といっても、団地と石碑しかないですけどね。

客層は、正しいラーメン屋の客層。
カウンターは、サラリーマンっぽい2人組と単独が数人入れ替わり。
テーブルは地元DQN系のグループが数組。
何故か学校関係者らしき人の会話がよく聞かれる店でもあります。

そんな、大中。
好きな人と食べたら、より美味くて小がないんでしょう。
でも、ひとりで食べても、美味くて小がないです。

【ひとりに向いてる度】
★★★★
ラーメン屋らしいラーメン屋。
DQNが苦手だからって、団体で行くな。
混むから。

大中
京都府京都市伏見区観音寺町高架下217
11:30~26:00

近鉄京都線 桃山御陵前駅下車 徒歩約1分
京阪本線 伏見桃山駅下車 徒歩約2分
JR奈良線 桃山駅下車 徒歩約8分

食べログ – 大中 桃山御陵前/ラーメン