醍醐寺の万灯会へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年8月5日(金)


醍醐寺の万灯会へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

醍醐寺。
名前の通り、醍醐にある寺です。そして、醍醐味のある世界遺産であります。
「千年の都」とか言いながら、実は千年前の建物は全然ない京都にあって、
正真正銘の平安時代建築にして、京都府最古の木造建築である国宝・五重塔を保持。
また、面積200万坪以上、醍醐山がまるごと境内という無茶苦茶な広大さを誇り、
その広大さと実に山らしい山の立地条件ゆえ、長く修験道の法頭でもありました。
もちろん、春の桜の見事さ+豊太閤花見行列の豪華絢爛さでも、極めて有名であります。
そんな醍醐寺、私も一度は行きたいと思いながら、今まで行ったことがありません。
本気で山上の上醍醐まで行くと、登山になってしまうので面倒だというのもありますが、
何というか、地下鉄開通前に染み付いた頭の中の距離感では、遠いんですよね、醍醐って。
市営地下鉄醍醐駅の開業は、1997年。それまではこの辺、鉄道は一切ありませんでした。
今なお駅のひとつもない洛西ニュータウンと共に「陸の孤島」とか言われてたんですが、
醍醐に住む親戚を訪ねてたその頃の記憶が、まだ脳にしみついてるんですよ。
もちろん、今は便利になってます。だから、行きました。駅からは結構、歩かされましたけど。
万灯会は、毎年8月5日の夜に醍醐寺が全山で営なむ、法要。
山麓の下醍醐では金堂や五重塔がライトアップされ、各種法要を厳修。上醍醐では、夜まいり。
何より、普段は見るのにお金のかかる伽藍が、無料公開されるのが嬉しい夜であります。


ライトアップされた楼門。堂々たるものであります。
灯籠が滑走路の誘導灯のごとく並んだ参道も見せたいところですが、当日はあいにくの雨。
電気ではなくちゃんと蝋燭を用いた置き灯篭は、残念ながらほとんどが消えてました。


平安時代後期建立の建物を、秀吉によって紀州から移築された、国宝・金堂。
その前では、奉納された提灯と蝋燭に囲まれたお坊さんたちが、
傘を差しながら精霊供養法要・施餓鬼供養法要を続けてます。ありがたや、ありがたや。


金堂の前。拝む人と雨宿りする人で、ものすごい大混雑です。
こっちも貴重な建造物なわけですが、「そんなこと知るか」とばかりに「稼動」させられてました。
ここでも石段に灯籠が設置されてますが、大半が雨で消えてました。


醍醐寺万灯会の定番ビジュアル。地元の子供達の力作が並びます。
こちらもかなりの数が消えてましたが、消えるたびに点火されてました。


境内の隅には、有料で衝ける鐘。
案外とつく人は少なく、暇そうな坊さんが時おり「ゴーン」と自分で衝いたりしてましたよ。


そして出ました、五重塔。闇の中で煌々と輝いております。
建立、実に951年。応仁の乱で醍醐山が焼け落ちた際にも、唯一残った奇跡の遺構。
でも、というかだからこそ「いつ崩れてもおかしくない」と思い、近づくのをためらってしまいます。


五重塔周辺は「特設子ども広場」として、地元小中学生が作った灯籠を展示。
心温まるものから、アートな謎を誘うものまで、いろいろです。助け合おう、日本。


「中学生に負けるほどの過去があるのか」などと思ってしまいますが、
でもやっぱり前向きに生きるのが一番だKARA。カララ、カララ。


ゲンジ(=クワガタ)とスイカとかき氷が合成された怪人と、平和の音を鳴らす風鈴。


ちょっと電波が飛んでそうな、猫。


ちょっと投げやりなものを感じる、猫。


特設子ども広場では、ちょっとした夜店もあり。
冷やしパインとみたらし団子、どっちを食おうか迷って、みたらし団子を食いました。


で、五色の紙のお塔婆をくぐって帰ります。
上醍醐?上りませんよ。雨ですよ。おまけに、夜ですよ。山を舐めちゃ、いけません。
といっても、帰る頃になると雨、ちょうどやみましたけど。どないやねん。

人出は、まあまあというところでしょうか。
雨+傘が混雑感を増幅してましたが、歩きにくいとかそういうことはありません。
客層は、地元の親子連れが大半。
先祖の供養のためにやってるんだから当たり前といえば当たり前ですが、それにしても多いです。
信心深そうな中高年親子や多世代家族、子供が作った灯籠を観に来た若い子連れが、いっぱい。
ライトアップにつきもののカップルや中年夫婦は、少なめ。
観光客っぽい人間も、ほとんど見かけることはなし。
冷やかしの若者グループもおらず、数少ない単独は男女とも変な奴ばっかりです。私を含めて。

そんな醍醐寺の万灯会。
好きな人と見たら、より醍醐味なんでしょう。
でも、ひとりで見ても、醍醐味です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:1
女性グループ:若干
男性グループ:0
混成グループ:0
子供:2(地元の小中学生)
中高年夫婦:若干
中高年女性グループ:若干
中高年団体 or グループ:7
単身女性:若干(腐)
単身男性:若干(カメラマンは少なめ)

【ひとりに向いてる度】
★★★
色気のプレッシャーはないが、
生活感漂う親子連れに囲まれるため、
自分が不審者に思えてくる程度のアウェー感はあり。

【条件】
金曜 19:10~21:00


醍醐寺
京都市伏見区醍醐東大路町22
通常拝観 9時~17時 
万灯会 毎年8月5日開催 18:30~21:00

市営地下鉄東西線 醍醐駅下車 徒歩約10分
京阪バス 醍醐寺 or 醍醐三宝院 下車すぐ

公式 – 世界遺産 京都 醍醐寺

Wikipedia – 醍醐寺