京の七夕・舞妓茶屋へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年8月14日(日)


京の七夕の協賛企画・舞妓茶屋へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

舞妓茶屋。
京都の夏季閑散期における集客促進イベント『京の七夕』の協賛企画のひとつです。
京都が「客を呼びたい」となれば、脊髄反射で引っ張り出されるのが、舞妓はん。
というわけで、鴨川会場に隣接する『鴨川をどり』のホームグラウンド・先斗町歌舞練場を使い、
先斗町の舞妓はんがお話&撮影&をどりで楽しませてくれる、期間超限定のお茶屋を開業。
それが、舞妓茶屋です。値段も1500円と、貧乏独男でも手の届く良心設定。
「でもそれって、メイド喫茶みたいなもんじゃないっすかぁ」と、皮肉を込めて言ったあなた、
残念ながらその言葉は、結構、正鵠を射てしまってます。
もちろんイベント企画とはいえ、出てくる舞妓はんは、本物です。コスプレとは、世界が違います。
でも、歌舞練場がね・・・。いや、歌舞練場そのものはいいんですよ。立派な建物です、本当に。
ただ、使う場所と、使い方が、何とも、いやはや。
「コンクリの壁+手作り感が過剰に漂う七夕飾り」という内装を目の当たりにすると
「メイド喫茶みたい・・・」あるいは「学校設定のメイド喫茶みたい・・・」と呟かざるを得ません。
また、『舞妓はん以外の経費は、極限まで削ります』と宣言するかのようなメニューも、刺激的。
感慨深いものがあるのです。そして、そんな感慨深い状況でもしっかり仕事する舞妓はんに、
リスペクトを感じずにはいられないのが、舞妓茶屋なのです。


三条大橋西詰、珉珉三条大橋店の隣で堂々たる姿を見せる、夜の先斗町歌舞練場。
昭和2年完成。もちろん、先斗町のをどり公演 『鴨川をどり』 のために建てられました。
近代建築まる出しのルックスが、鴨川から見ると実に、映えます。
『をどり』以外の期間は、こうやっていろんなことに活用される、と。


珉珉の前を通り過ぎ、今日もとんでもない行列が出来てる茶寮ぎょくえんの前も通り過ぎ、
やってきた先斗町歌舞練場入り口前。時ならぬ、人の群。もちろん全部、舞妓茶屋の客です。
でも実は、行列の写真を撮ったのは、帰り際の19:30頃。
18:40に通りかかった時は、客入れ終了+ちょっと空きありで、並ばずにすんなり入れました。


受付で1500円払い、いよいよ夢の舞妓茶屋の中へ。あ、もちろん飛び込みですよ。
茶屋は、歌舞練場のロビーを使って営業。何というか、何ともいえない「店内」です。
2人いる舞妓はんは、早くも一組一組の客席をまわり、丁寧に挨拶と写真撮影に応じています。
もちろん私も撮らせていただきましたよ。うふふ。いひひ。ぬほほ。くぇっくぇっくぇっ。
お姉さんみたいにあしらってくれました。でも考えたら舞妓はんって、まだ10代の娘なんですよね。


茶屋のメニューは、お飲み物がビールか、ソフトドリンク各種。
で、ビールにはおつまみ、ソフトドリンクにはあんみつが、それぞれ付いてきます。
私は、グリーンティーをオーダー。あ、持ってくるのは舞妓はんじゃないですよ。
味は、その、何らかの味がしました。それにしても、あんみつって、こんな食い物でしたっけ。
写真で改めて見ると、『極限』を感じます。下にあるのは、チケットどす。


をどりが始まるのは、19:10過ぎあたり。
それまでの時間、ひとりだとドリンクを啜るくらいしかすることがないので、結構ヒマです。
なので、普段は外からしか見たことのない歌舞練場のベランダに立ち、
京の七夕のライトアップを楽しむ無料大好きの若者カップルたちに向け、呪念を送ってみました。
「俺は勝った!お前らには愛と夢と暇はあっても、金はない!!来てみろ、ここへ!!!」とか。
1500円なんで、来ようと思えば簡単に来れるわけですが、こういう場では心の満足が大切どす。


で、そのうち、をどり開始です。ええ、ここで、をどるんです。
何というか、何ともいえない、舞台。ここで、舞妓はんが本当にをどり始めてしまいました。


をどる舞妓はん。
あまりにも、何というか、何ともいえない、背景。なので、悪いけど背景ボカシを施してみました。


をどる舞妓はん。


をどる舞妓はん。


をどる舞妓はん。ザ・プロフェッショナル。
5分ちょっとで、をどりは終了。終了すると即、客入れ替え。そう、舞妓茶屋は入れ替え制です。
おおきに、ほんでさいなら、舞妓はん。1セット1時間弱の「夢の時間」でした。


歌舞練場を出て、まだ頭が現世へ戻ってないので、しばし京の七夕をうろつきます。
三条大橋下の北側入口。と思ってたんですが、ここより北でも風鈴灯なるものを飾ってたそうです。
それにしても、人多いですね。


様々な願いごとを書いた短冊と、LEDの光で装飾された、光の笹。
電気の無駄使いに見えるかもしれませんが、電源は全てグリーン発電によるもの。


先週の鴨川納涼の際には食い気に惑わされてよく見てませんでしたが、
光の笹、上手に出来てます。電力をさほど使わず、でもビジュアルはキレイに見せるっていう。
この淡い光、強風を受けると、妙な寂寞感を醸し出します。文字通り、風前の灯火みたいな。


鴨川では、パフォーマンスとして友禅流しが行なわれてます。
京都染織青年団体協議会による実演。左岸の正面から見てるのは、何故か、私だけでした。
流れる友禅をくしゃくしゃって洗い、丸め、びしゃーっと投げて川へ流す。この繰り返し。


で、びしゃーって投げる度に、対岸でフラッシュが焚かれまくるのも、繰り返し。
嫌がらせでこっちもフラッシュ光らせたら、何か反応あるかなとか思いましたが、やめてやったぜ。


友禅流しショーのラストは、一般参加を募っての体験コーナー。
「僕もやります!!」と、左岸から川を渡っていったらどうなるだろうと思いましたが、
鴨川はもともと、暴れ川。「舐めんな」と怒って足元をすくわれると怖いので、やめてやったぜ。


たくさんの人が背後を歩いてるというのに、それでも鴨川右岸に座り込むカップルたち。
左岸に座った方が、絶対に景色もムードもいいと思うんですけどね。


ね、こっちの方がいいでしょ。そうでもないですか。
こっちを通るのは、いつも通りに大半がジョギングか自転車の人。少しいるカップルも、地元風。


友禅流しを見物しにきた、鳥。いや、嘘。
頭は、一向に現世へ戻る気配がありません。
なので、逆に「あっち」へ行ってしまえと思い、千日参りをやってる夜の清水寺へと向かいました。

舞妓茶屋の客層は、カップル率、低し。というか、若者自体が少な目。年齢層、若干高し。
観光客丸出しな若いグループもいますが、基本的には中年以上の夫婦や家族連れが多いです。
「舞妓はん舞妓はん舞妓はん」とガツガツした人はそんなにいなくて、地元っぽい人も結構いたり。
企画のイメージほどには、露骨な観光テイスト全開ではないという感じでしょうか。
あ、でも、当然というか何というか、ひとりものはほとんど、いません。
貧乏で孤独な独男こそ、来るべきイベントだと思うんですけどね。

そんな、京の七夕・舞妓茶屋。
好きな人と行ったら、より舞妓はんなんでしょう。
でも、ひとりで行っても、舞妓はんです。


【客層】 (客層表記について)
カップル:若干
女性グループ:若干
男性グループ:若干
混成グループ:若干
修学旅行生:0
中高年夫婦:2
中高年女性グループ:2
中高年団体 or グループ:5
単身女性:0
単身男性:0

【ひとりに向いてる度】
★★
「普段相手にしてもらえない女性に
   小銭出して話しかけてもらう」という、
ある意味独男にこそ似つかわしい
シチュエーションだが、やっぱり、アウェー。
不審者としてマークされてみるのも、一興。

【条件】
日曜 18:40~20:10

京の七夕・舞妓茶屋
毎年8月上旬、京の七夕の会期に
先斗町歌舞練場にて開催
17:30〜20:30

先斗町歌舞練場
京都市中京区先斗町三条下ル
京阪電車 三条駅下車 徒歩5分
市営地下鉄 三条京阪駅下車 徒歩5分
阪急電車 河原町駅下車 徒歩10分

先斗町歌舞練場 公式 – 先斗町歌舞練場

京の七夕 公式 – 京の七夕
公式 鴨川会場ページ – 鴨川会場 | 京の七夕