東九条マダンへ行ってきました。もちろん、ひとりで。
京都駅八条口から徒歩数分の場所にある、京都最大のコリアンタウン・東九条。
東九条マダンは、そこで開催される地域の祭りです。東九条마당。今回で19回目。
全くどうでもいい個人的事柄ですが、私、このあたりをよく歩きます。
といっても、特に東九条に用事があって歩くわけではありません。
京阪八幡から京都駅へ行く場合、「丹波橋で近鉄」か「東福寺でJR」乗り換えが常道なんですが、
乗り継ぎ分の電車賃を惜しみたい場合、あるいはちょっと歩きたい気分の時などに、
東福寺か七条から歩くわけです。東福寺からなら東九条を、七条からなら崇仁を、テクテクと。
八幡に住み、金を惜しみ、時間を惜しまない私は、かなり高い頻度でここを歩きます。
ネット界では、言及されることが多い割に実地へ赴いた話が少なかったりするエリアですが、
南部の辺境に住む私にとっては、ここがいわば「みやこ」の入り口。
ここを基準にして京都という街を眺める習性みたいなのも、ちょっと、あったりします。
私だけの話ではありません。新幹線で京都入りする人にとっても、ここは「みやこ」の入り口です。
人の住む街を「そうだ」呼ばわりしながら入洛する際、ここを通ってるのです。気づいてないだけで。
そんな話はともかく、東九条マダン。
韓流の趨勢を先取りするように、19年前から多文化共生を打ち出してきたマダンですが、
今年も歌や踊りの民俗芸能はもちろん、アーティストの公演など盛りだくさん。
私は昼過ぎから、もっぱら食い気メインで寄せてもらいました。
東九条マダンの会場は、公式サイト曰く「京都駅八条口より徒歩2分」の、山王小学校。
大昔からウロウロ歩いてるので馴れてるはずなんですが、
改めて「2分」と明言されると、その距離とそのギャップの凄さに驚かされます。
同じ京都駅近くでも、烏丸口周辺の「徒歩2分」とのカルチャーギャップは、強烈です。
ちょうどいい感じの混み方がずっと続く、会場のグラウンド。
校舎の真下に舞台、その後ではライヴペイント、前には舞台兼フロアという感じのマダンパン。
グラウンドを囲む形で大量の露店が並び、民族衣装着付けや各種展示などもありました。
隅ではシルムの予選や民俗놀이(遊び)紹介&子どもの遊びなどが行なわれてます。
私が着いたのは「사물のたまご」という子供達によるサムルノリが終わった頃で、
すぐに京都国際学園・舞踏部による韓国舞踏・扇の舞が始まりました。
花模様の羽のついた扇で、花になったり蝶になったりするわけです。
大人のサムルノリも、もちろんあります、大사물놀이。
ほのぼのした光景に見えますが、実際には譜面もなしで変拍子バキバキの曲を演奏しまくり。
そして出ました、ボディーひろし。実は今日一番の目当てだったりします。
生々しいインパクトを誇るその名前と、テイチク所属を執拗にアナウンスするプロフィール。
電波歌謡の香り濃厚、尋常ならざる世界観を披露してくれるんじゃないかと思ったんですが、
実際には普通の格好で手堅い歌謡ショーを見せてくれる方でした。
ちなみにボディーさん、「ボディひろし」では、ありません。
あくまで、ボディーひろし。デビューシングルの誤植(?)が、そのまま定着したんだとか。
でも、経営するカラオケ教室の公式サイトのタイトル部分は「ボディプロ歌謡教室」「 ボディひろし」。
ついでに併記されていた英語表記は「Hiroshi body」。「ボディー」は、姓なのか・・・。
東九条の御出身。なのに1曲目でいきなり九州・小倉の歌を歌いだしたのは、何故。
ボディーさんの後は、K-POPに合わせて躍るコーナーを挟み、ワダサムの開始 。
ワダサム、すなわち和太鼓+사물놀이(サムルノリ)。
多文化共生をテーマにする東九条マダンを具現化したようなプログラムですが、
これが「ただやってみました、融合させてみました」的なレベルのものではなく、まあ、凄い。
御覧のような打ち合い合戦みたく、派手な見せ場も作ってるはいるんですが、
それ以上に、双方のパートを緻密に入り組ませて作られた楽曲が、とにかくいい、上手い。
終演後は熱狂的な拍手が続きました。
続いては、씨름(シルム)決勝。シルムというのは、日本の相撲みたいなもの。
抱き合った格好で始め、押し出しがないのが特徴、だそうです。
パッと見の感じは、相撲にアマレスのエッセンスを混ぜた感じで、観客は非常に盛り上がります。
そしてマダン劇「ドライブスルーチョナ」。
東九条の南、河原町十条に阪神高速ができたのをテーマにしたドラマ。
常連らしき「チョナ」さんの芸達者ぶりと、合いの手で入るパーカッション類が愉快な劇でした。
このあと、プロのミュージシャン(あ、ボディーさんも当然プロです)によるライブが続きますが、
私はここらで中座させてもらいました。
真面目にプログラムを鑑賞してるようなこと書いてますが、
実際にはひたすら屋台で買い食いを連発し、その合間にステージを見てたといった方が正確です。
中座したのも、腹いっぱいでもう食えなくなったからで。
以下、当日に食ったものを列挙します。まずは言うまでもなく、チヂミ。100円なり。
続いてはもちろん、トッポギ。辛い、そして甘い。300円なり。
さらに、ホットック。
蒸パンっぽいトックに甘砂糖かけたようなの。韓国ではポピュラーなおやつだとか。
ちくわ状に見えますが、ホットケーキみたいなのを丸めて紙コップに入れてます。150円なり。
ここからが本番です、韓国風おでん。
タネは「四角おでん」って奴でしょうか。出汁はきわめてあっさり風味。100円なり。
もう止まらない、焼肉。
キムチ+ご飯と一緒に売ったセットを、がっつり食らいます。350円なり。
麺ものも押さえときましょう、チャプチェ。
麺といっても、春雨ですが。柔らかめの焼きソバみたいな味つけと食感。300円なり。
汁ものも押さえときましょう、トックスープ。
本来300円ですが、トックが少ないからと200円にしてくれました。
そしてとどめは、豚焼肉。教会の案内つき。
こちらも元々450円でしたが、終了間際ということで250円にしてくれました。
以上であります。どんだけ食うねん。
帰り際、小さい女の子が凄い目で睨むので、何かと思ったら、足元にパンフレット。
私が落としたものではありません。でもその子は、凄く睨んでます。
「お前が落としたのか」と言ってるのか、「足元にあるならお前が拾え」と言ってるのか、
どっちかはわかりませんでしたが、とにかくそのパンフレット、拾って帰りました。
客層は老若男女、いずれも圧倒的に地元系です。
色気づいたカップルなどというものは、限りなくいません。いても、地元風。
観光テイストの人も、ほぼ見当たらず。女性グループで、若干興味本位なのがいたくらいでしょうか。
多くの人が顔見知りであり、身内テイストは非常に強し。
とはいえ、特に排他的だったり他所者が浮くということは、さほどないと思います。
数少ないカップルと単独男女は、天神さんの客層に近いディープ感あり。
とにかく数100m先の京都駅にたむろする人達とは全く違った世界が楽しめるはずです。
そんな東九条マダン。
好きな人と行けば、より마당なんでしょう。
でも、ひとりで行っても、마당です。
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【客層】 (客層表記について) カップル:若干 女性グループ:若干 男性グループ:2 混成グループ:2 修学旅行生:0 中高年夫婦:若干 中高年女性グループ:2 中高年団体 or グループ:4 単身女性:微量 単身男性:微量 |
【ひとりに向いてる度】 ★★★ 色気のプレッシャーなどは特になし。 アウェー感は、全くないとは言わないが、 おそらく一般的に想像されるものよりは希薄だと思う。 【条件】 |
東九条マダン
毎年11月3日に開催
会場は、陶化中学校・陶化小学校・
東和小学校・山王小学校の4校を巡回。
ただし、この4校が統廃合したため、
今後は不明。詳細は公式サイトで。
京都市立山王小学校(2012年3月閉校)
京都市南区東九条東山王町27
JR京都駅下車 徒歩約5分
東九条マダン – 公式