相生餅・新町店へあん餅うどんを食べに行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年11月20日(日)


相生餅・新町店であん餅うどんを食べに行ってきました。もちろん、ひとりで。

「あん餅うどん」。
そう聞いて、かなくま餅福田「あん餅雑煮うどん」を思い浮かべたあなたは、うどん者ですね。
アンコの入った餅を白味噌で煮込む、香川独特の郷土料理・あん餅雑煮
それを強引にうどん化した西讃の猛者、香川県観音寺・かなくま餅福田の「あん餅雑煮うどん」。
私、数年前までは最低でも月一、下手すると毎週渡讃してたほどのうどん好きでして、
かなくま餅福田のある観音寺へも、何度となく足を運んでます。
「かじまや」 「大喜多」 「柳川」に始まり、 「まり」改め「ゆり」味噌汁うどんまで食いましたが、
結局今に至るまで「あん餅雑煮うどん」には手を出してません。
理由は、怖かったから。香川が嫌いになりそうで、怖かったから。
餅を入れるのはともかくとして、よりによって、餡餅って。甘いもん、放り込むって。
でも、よくよく考えてみたら、京都の餅系食堂ではワシ、うどんとおはぎを普通に食っとるな。
それも、順番に食うんと違うて、ごっちゃに食っとるな。で、うどんと甘味って結構、合うわな。
そう思い至ったのは、経済的にも時間的にも容易に渡讃ができなくなってた頃でした。
日ごと高まる「あん餅雑煮うどん、結構イケるんちゃうやろか」の思い。
しかし今の私には、観音寺はあまりにも遠い。
18切符を使うと、姫路岡山間がつらいフェリーは、爆音で2度鳴る「風が恋を運ぶ~」がつらい。
なので、かなくま餅福田の代わりに、北大路新町の相生餅へ行くことにしました。
そして、京都の「あん餅うどん」なるものを食すことにしたのです。


相生餅・新町店があるのは、北大路新町交差点からちょっと北。
北大路通を東進してアーケード街に入ると、そこにも相生餅があるので、注意です。
といっても、メニューは大して変わらんでしょうけど。北大路店にはあん餅うどん、あるのかな。


餅系食堂のゴージャス部門(?)を担う、相生餅。
力餅や千成餅と比べると、やや高価な印象があります。といっても、10円とか50円の世界ですが。
壁のメニューは定食系が充実。甘党系より完全に食堂寄りですが、
餅系ならではの寿司やいなり、そしてうどんなどのテイクアウトも店頭で扱ってました。


さらにテーブルのメニューは、餅系全開状態の餅入りうどん、オンパレード。
「鳥餅うどん」は、「鶏+餅」ということやろか。それやと、千成餅一条店の「千成うどん」と一緒やな。
せやけど「千成うどん」は400円やったな。やっぱり相生餅、ゴージャスや。


などとしょうもない思考を切り裂くようにやってきた、いなり寿司。いくらかは、忘れた。
あ、もちろんメインでオーダーしたのは、あん餅うどんです。


やってまいりました。これがここの、あん餅うどん。
餅が出汁に埋没してるので、細かいディティールがわからんと思いますが、
要するにたぬきうどん(京都以外ではあんかけうどん)に餅を放り込んだものでございます。
餅は、餡餅にあらず。普通の餅。「あんかけに餅を入れて、あん餅うどん」という、普通の逸品。


で、それ以上でもそれ以下でもないという。餅以外の具、一切ありません。
初めて食った時は、かなり本気で観音寺の「あん餅」を期待して頼みました。やったるぞ、と。
なので、出てきた普通の「あん餅うどん」を見て、正直、結構失望しました。
だけど、食うと、美味い。いや、美味いというより、何か妙な至福感に包まれる。
餅の柔らかさと、出汁の甘さと暖かさ、そして生姜の風味が生む、味覚以上の極楽。
「何かようわからんけど、もう一回食いたい」、そう思ったらあなたももう、餅系のトリコになってます。
あ、もちろんうどんは、京都仕様の超柔麺。誇張ではなく、出汁よりもコシありません。

客は、入ったときはおっさんが何か食ってて、その後は貸しきりで、
しばらくしたら家族連れがやって来て定食を食ってました。以上。

そんな相生餅新町店のあん餅うどん。
好きな人と食べたら、より餅系なんでしょう。
でも、ひとりで食べても、餅系です。


【ひとりに向いてる度】
★★★★
うどんだけが持っている、
味覚を越えた幸せを感じる感受性のある人には、
特におすすめ。

【条件】
日曜 16:30~17:00

相生餅新町店
北区新町通北大路上ル
営業時間 知らん。開いてる時は開いてる

相生餅協同組合46 – 公式?