蓮華寺へ紅葉を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2012年11月28日(水)


蓮華寺へ紅葉を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

穴場。
自分が可愛くてしょうがない人達が、すぐに飛びつくワードです。
美しい紅葉が、観たい。あまり人がいないところで、観たい。何なら、独占して、観たい。
できれば、自分しか知らないものとして、観たい。それも、自分が見つけたものとして、観たい。
そして、自分しか知らない穴場を自分で見つけた自分を、もっともっと、好きになりたい。
でも、そのための努力は、特にしたくない。むしろ絶対に、したくない。したら何か、負けな気がする。
「京都 紅葉 穴場」 くらいの検索で、すぐ見つかるものでなくてはならない。というか、そうしろよ。
こんな無駄な長文書いてる暇があったら、もっと有益な情報を共有しろよ、この糞野郎。
と、こんな感じの狂った人達が、肥大したエゴを垂れ流しながら大挙して狭い寺へ強襲をかけ、
あちこちの京都ブログに 「京都 紅葉 穴場」 の検索ワードが落葉の如く積もる、京の秋。
「穴場として有名」 という、日本語として狂ったワードで有名な洛北・上高野の名刹・蓮華寺にも、
そんな自分が可愛くてしょうがない人達が、自分だけの何かを求め、押し寄せます。
江戸初期、加賀前田藩の老臣・今枝民部近義が祖父への菩提の心から再興したという、蓮華寺。
その造営にあたっては、やはり 「超メジャー級の穴場」 詩仙堂石川丈山を始めとして、
朱子学者・木下順庵画家・狩野探幽隠元禅師など、同時代における錚々たる文化人が助力。
丈山作庭とも伝わる池泉庭園、黄檗禅の様式の本堂、そして蓮華寺形灯籠などなど、
良い時代と良い人に恵まれて作り上げられた境内は、小さいながらも高い完成度を誇ってます。
故に穴場としての魅力を強く放ち、故に 「穴場として有名」 になってしまった、蓮華寺。
こうなるともう、ある種のベタです。穴場だろうが何だろうが、明らかにベタです。
であれば、不毛な穴場探しを排し、ベタの単独特攻が趣旨のうちも行かねばならぬと、
早くも紅葉が散り始めている洛北へ出かけたのでした。


叡電三宅八幡駅を降りて、八瀬・大原へ続く鯖街道をしばし歩き、
かの恐ろしき崇道神社の隣にある蓮華寺までやってくると、前に観光バス、思いっきり駐車中。
バス、大勢の中高年ツアー客を吐き出してから、寺の駐車場へグオーーーーンと入っていきました。
さすが 「穴場として有名」 な寺です。ちなみに、奥の山門前には、タクシーも思いっきり駐車中。


「タクシーの運転手さんにマニアックと言われた」 とか、
下らんこと言ってる連中と共に拝観料を払う受付の山門上に、もう、紅葉。


チケット代わりの散華みたいなのナメで、紅葉。


井戸と、越中高岡から勧請されたという稲荷社の鳥居を覆う、紅葉。


やはり井戸を隠す、紅葉。


「むくり破風」 の鐘楼、その桧皮葺の屋根を覆い、積もる、紅葉。


やはり鐘楼の壁を隠す、紅葉。


どっかの屋根に、積もり積もった、紅葉。


河原町通の市電工事の際に出てきた石仏を横目に、書院入口へ。


で、書院へ入れば、御覧の有様だよ・・・。


カメ爺さんに 「どいてくれ」 と言われた客と、池泉庭園と、紅葉。


もはや正面から肉眼で見るのがいけないらしい、池泉庭園と、紅葉。


写真撮影の通路と、その周囲に積もり積もった、紅葉。


一旦本堂まで行き、そこから眺めた、庭の紅葉。


黄檗禅の様式の本堂と紅葉、そして長細い形の蓮華寺型石灯籠。


本堂と、その向こうの池泉庭園と、紅葉。


望遠で、池泉とそこに浮かぶ舟石、そして紅葉。


もうちょっと望遠で、池泉と舟石、紅葉と人間。


振り返って、枯れた佇まいの庭に積もる、紅葉。


積もり積もった紅葉の上に、紅葉。


書院で、和尚か誰かがカメに怒ってる声を聞きながら、また蓮華寺型石灯籠。
以上です。やっぱり良いですね、蓮華寺。駐車場なくなったら、もっと良くなると思うけど。

客は、中高年主体。というか、基本、中高年しかいません。
ことごとく観光系ですが、歳のせいか、穴場を期待したテッカテカさはさほどありません。
カップルは、ほとんどなし。女性グループ&単独も、濃かったり妙齢だったりする方ばかりです。
単独男性は、もちろん、カメ。先述の通り、観てる客に 「どいてくれ」 と言うような輩たち。
本物の穴場を期待する人にはちょっと何な世界ですが、でもクオリティそのものは高い寺なので、
もし行くなら、ごく普通に人気のあるスポットへ出かけるくらいの心づもりで出かけ、
人が少なければラッキーと思うのが、いい感じじゃないでしょうか。

そんな蓮華寺の、紅葉。
好きな人と観たら、より紅葉なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、紅葉です。


【客層】 (客層表記について)
カップル:若干
女性グループ:若干(妙齢)
男性グループ:0
混成グループ:0
子供:0
中高年夫婦:3
中高年女性グループ:2
中高年団体 or グループ:4
単身女性:微
単身男性:(カメ)

【ひとりに向いてる度】
★★★
色気のプレッシャーは、全然なし。
狭いため、タイミングが悪いとかなり混むが、
人圧そのものは大したことなし。
ただ、本気で 「穴場」 を期待すると、
ちょっと肩透かしを食らうと思う。

【条件】
平日水曜 紅葉ピーク過ぎ 12:00~12:50

蓮華寺
京都市左京区上高野八幡町1
9:00~17:00

叡山電車 三宅八幡駅下車 徒歩約10分 
京都バス 上橋下車 徒歩約1分

蓮華寺 (京都市左京区) – Wikipedia

蓮華寺<左京区> – 京都観光Navi