割烹露瑚で、昼床を楽しんできました。もちろん、ひとりで。

2013年5月31日(金)


割烹露瑚で、昼床を楽しんできました。もちろん、ひとりで。

鴨川の昼床は、5月と9月しか、開いてません。
川床自体は5月初めから9月末まで、納涼の枠を越え半年近くもやってるんですが、
昼床は最初と最後の一ヶ月のみ、優雅といえばかなり優雅な営業スタイルとなってます。
何故6・7・8月に昼床の営業がないかといえば、暑いから。暑過ぎて、営業許可が出ないから
そもそもは、地獄のような盆地性暑気に満ち満ちた京都の夏をやり過ごすため、
夜の鴨川に床を張り、川風に吹かれ涼気を得る中で料理を楽しもうというのが、川床。
直射日光をガンガンと浴びまくり、食中毒のリスクに耐えながら食うようなもんではないわけです。
というわけで、夜の本格的な床は経済的にも孤独的にも敷居が高い我々独男にとって、
床の醍醐味を楽しめる機会は概ね、この一ヶ月×2に限られるわけであります。
ゆえに、この日のちょっと前には曇天を押して、あと村の昼床へ赴き籠盛弁当を食し
懸念だった鴨川床の本懐をめでたく遂げたわけですが、その5日後の5月末日が奇しくも、快晴。
いったろか。いってしもたろか。昼とはいえ、週2で、川床。いったろか。
一瞬迷ったような気もしますが、気がついたら既に、鴨川の河川敷を歩いてました。
もちろん、今回も予約など一切無し、ウロウロしと木屋町通を彷徨い歩き、
目ぼしい店へ飛び込む、ワイルドスタイルです。


三条辺りから、鴨川&対岸に並ぶ川床を眺めるの図。
5日前は南端に近い松原橋から北へ歩いたので、今日は逆に北端から歩いてみます。
鴨川納涼床の最北端は、高瀬川取水口がある元・角倉家旧邸にして現・がんこ高瀬川二条苑
そこへ至る二条大橋を渡り、店の様子をうかがいながら木屋町通を下ろうという算段です。


木屋町通へ入り、がんこ御殿をスルー、豆屋源蔵もスルーしたところで、
森光子の生家である新三浦へのあまりにも渋過ぎるアプローチに、足を止めました。
いいな。いいな。新三浦は昼床なしですが、隣の割烹露瑚は二千円ほどでランチをやってる、と。
で、玄関まで行って 「ひとりでも大丈夫ですか?」 と訊くと、いっぱいと。なるほど、と。


ちょっと床難民になった気分で、改めてうろつき、開始。
5月昼床の最終日ではありますが、混雑度や賑やかさは、月曜とさほど変わりません。
切羽詰ったように昼床を探し求める人たちが、ウロウロしてるわけでもなし。ごくごく、普通です。
写真は、ちょっとだけ夏のような陰影がつき、日傘を差す人がチラホラ見かける、先斗町。


「昼床は今日が最後」 みたいな呼び込みをやってる店も、ほぼ、なし。
声をかけられたのは、西石垣通の風俗くらい。川床風俗でも始めたら、入ってもいいよ。
とか言ってる間に、もう下木屋町まで来てしまいました。どこへ入るか、店をそろそろ決めないと。
椅子席の床が繁盛してるので、そのレポにするか。御覧の、川床タイ料理・佛沙羅館とか。


決めかねてるうちに、結局、五条まで来てしまったの図。
巨大料理旅館・鶴清が、4800円から昼床をやってので心が動くも、スルーして河川敷へ。
あと村で、外人が川の写真撮ってるのを見て 「俺もあんなだったのかな」 とか思いつつ、北上。
川には相変わらず釣り人多く、鳥も多し。というか、この写真、どこの田舎やねん。


河川敷をダラダラ歩いてると、また三条あたりに着いてしまいました。
下から見るとの床が空いてたので、木屋町通へ上がり、奥まった玄関へ行くの図。
が、既に昼営業は終了。時間は、13:30。やばい。早く決めないと、本当に床難民になってしまう。
さあ、どうしよう。あ、最初に寄った露瑚、すぐ近所だな。もう一回、行ってみようか。


で、また渋過ぎるアプローチへやってきたの図。しつこい。
一回断られた店に、もう一回行く。断られたその場で予約を入れず、もう一回行く。
二回断られても、それはそれで面白いだろ。駄目なら、床難民としてスタバ床でもオチにするか。
とか思いながら、よい子のみんなは真似厳禁の行為に武者震いしながら、石畳を歩く。


玄関とメニュー。改めて、渋い。やっぱり、ここがいいなあ。
また玄関でぼ~っと突っ立ってると、さっきと同じ人が、当惑した顔で出てきました。
また 「ひとりでも大丈夫ですか?」 と訊くと、「3500円の会席しかないですけど」 と言われました。
まあいいかと思い、「お願いできますか」 と言うと、当惑した顔で店内へ通されました。


旅館を改装したという店内は、女の子受けが良さそうなテイスト。
「ワシ、めっちゃ乙女やんけ」 とほくそ笑みながら、超美人な着物女性の案内で、川床へ。
来たぜ。また、来たぜ、川床。5月とはいえ、日除け越しでも太陽の光が暑いけど、また、来たぜ。
箸の隣にあるのは、先付ではなく小鍋用コンロだぜ。更なるヒートアップを、予感させるぜ。


ドリンクはウーロン茶をオーダーし、勝者の視点で鴨川を俯瞰するの図。
ドリンク、確か400~700円くらい。ウーロン茶は、一番安い、400円。勝者に、相応しい。
先客は、床はなし。室内は、2組ほど。しばらくすると、床にも二組。いずれも、御婦人グループ。
南側の床は営業なしで静かに見えますが、北隣は豆屋源蔵&がんこ。賑やかです。


さて、料理が運ばれてきました。食べるで!
先付は、胡麻豆腐にイクラを載せて、出汁をかけたん。それと、ウーロン茶。


刺身は、確かカンパチと鯛、そして鱧の梅肉和え。
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお、今年初めての鱧やっ。


お次は、柚子の道明寺蒸し。
柚子の果肉をまぶし、中に赤い何かが入ってる道明寺蒸しに、あんかけ。


鮎の塩焼きを中心とした、メインディッシュ。
他にも、沢蟹・麩の粽・山菜の煮物などなど。蟹はもちろん、丸ごと食らいます。


いよいよヒートアップ開始、湯葉豆腐の豆乳小鍋。
キノコ&青菜と共に、煮るわけです。隣の急須は、豆乳ではなく、追加出汁。


賀茂茄子・多分鴨肉・青葉の何ちゃら・ウニとかでできた、鴨の冷びたし。
「この大根っぽいの、何ですか」 と訊いたら、女の子、一瞬絶句しました。すんません。


〆は、五穀米の御飯。普通に赤い飯と、漬物と、味噌汁。
食った、食った、たくさん食った。途中で値段確認しようかと思ったくらい、食った。


ラスト、水物。
豆乳のパンナコッタ・黒糖のわらび餅・パイナップルのシャーベット。以上であります。


食うだけ食ったから、帰ります。相当、長居したし。
勘定すると、大将から 「何度も待たせてすんません」 と言われ、こっちも恐縮。すんません。
「いい建物ですね」 と言うと、二階も見ていいと言うので、上へ。鴨川床、唯一の二階床だそうです。
法律の関係で、同様のものを新築するのは、不可能。夏場は、本当に気持ち良さそう。


確かに改装のモードは完全に女の子寄りのお洒落感丸出しですが、
元来持っている明治感みたいなのが、男心、それも独な男心をもくすぐってくれる建物です。
玄関からだと、新三浦と繋がってるように見えますが、元は同じ旅館だったんでしょうか。渋い。
渋いので 「夜もひとりで来れたらな」 と言うと、大将、一瞬絶句しました。すんません。


やはり、渋過ぎるアプローチを通り、外へ出るの図。
勘定は3900円。料理3500円+ウーロン茶400円。席料は、なしのようです。

客層は先述の通り、ほぼ100%、奥さんグループ。
妙齢の近隣系が多い感じで、ご年配の地元風の方もいらっしゃいました。
料金も床価格というより、普通の店に近いコスパであり、敷居の高さはそれほどなし。
ただそれゆえ、完全アウェーの客層に包囲される可能性はあるかもしれません。
ひとりは、特に歓迎も敬遠もされない感じ。一回頼んで駄目なら、二回行ってみましょう (嘘) 。
川床でもちゃんと美味しいもんが食べたくて、建物もお洒落で渋いところがよくて、
加えてちょっと穴場感が欲しい方には、かなりいい店ではないでしょうか。

そんな割烹露瑚の昼床。
好きな人と食べたら、より川床なんでしょう。
でも、ひとりで食べても、川床です。


【ひとりに向いてる度】
★★★★
昼ならひとりでも行けるとは思うが、
店を始めたばかりで頑張ってるっぽいので、
なるべくなら二人以上で行って欲しい。

割烹 露瑚
京都市中京区木屋町通御池上ル
11:30~14:30 17:30~22:30
昼床は5月・9月のみ

市営地下鉄 京都市役所前駅下車 徒歩約8分
京阪電車 三条駅下車 徒歩約8分

割烹 露瑚 – Facebook 公式

割烹 露瑚 – 鴨川納涼床 公式

割烹 露瑚 – 食べログ