宝筐院へ紅葉を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。
「筐体」 を、長らく 「とくたい」 と読んでいた阿呆は、この私です。
PC関連でよく見かけた、 「筐体」 。でも、生の読みを聞いたことが無かった 「筐体」 。
でも何となく、 「とく」 っぽいな。 「秘匿」 の 「匿」 の字にも、似てるしな。そうだ、多分、そうだ。
そんな阿呆な思い込み+日常で使うことがなかったため、己の中で定着してしまった、 「とくたい」。
恋人どころか友人さえロクにいない、孤立上等を謳う独男には、発生しがちな事態ではあります。
誤読の時期はかなり長く続き、ゆえに嵐山に建つこちらの宝筐院もまた 「ほうとくいん」 などと誤読し、
近所の人からは 「ほうとくさん」 と親しまれてるのではないかと勝手に妄想したりもしたのですが、
無論、宝筐院はあくまでも宝筐院であり、 「ほうとくいん」 でも 「ほうとくさん」 でもないのであります。
宝筐院。豊胸院でも豊頬院でもない、宝筐院。楠木正行 aka 小楠公ゆかりの寺です。
元々は平安末期に白河天皇が善入寺として創建し、これを後に夢窓国師の高弟・黙庵が再興。
黙庵は小楠公と交流を持っていたため、 四條畷の合戦で討ち死した小楠公の首級をこの寺に埋葬。
室町二代将軍・足利義詮は、この黙庵に帰依し、さらには黙庵の知り合いたる小楠公にもハマり、
ハマり過ぎて小楠公の隣に葬れと命じ、義詮と小楠公の菩提寺化+名前も宝筐院へ変更。
その後、応仁の乱でまた荒廃し、江戸期は天龍寺の末寺となり、幕末にはとうとう廃寺となりますが、
明治期にやはり小楠公にハマってた京都府知事・北垣国道が伽藍を復興、現在に至ります。
何かすぐ近所の祇王寺と似た経緯で再興された寺ですが、紅葉の方も祇王寺同様に良く、
嵐山の他の名刹と共に、秋ともなれば紅葉狩りの人民が押しかける寺なわけです。
そんな豊凶院でも宝鏡院でもない宝筐院、出かけてきました。
宝筐院があるのは、嵐山というより嵯峨、清涼寺 aka 嵯峨釈迦堂のすぐ傍です。
釈迦堂の前で左折し、二尊院や祇王寺方面へ向かう道の途中にあります。奥に見えてますけど。
釈迦堂前、紅葉ラッシュの真っ只中ゆえ御覧の様に特攻車が大量発生し、道が道でなくなってます。
混雑が酷過ぎて発狂したのか観光客に毒づきまくる地元の子に混じり、道なき道を歩くことしきり。
釈迦堂からはみ出る紅葉の誘惑をかわし、到着した、宝筐院の山門。
ここも盛大に紅葉が山門からはみ出てるんですが、逆光で写ってないため、残念ながらカット。
車の混雑をぬけても、一帯はわかりやすい観光混雑で満ち溢れており、人力車も絶賛商売繁盛中。
観光案内を兼ねた引き手の兄ちゃんが、乗客を境内に案内したりもしてます。混んでそうだな・・・。
根性入れて山門をくぐりますが、その前に改めて 「宝筐院」 の読みを確認しましょう。
宝筐院。御覧の様に、 「ほうとくいん」 ではありません。また、豊胸院でも豊頬院でもありません。
確認したら、細かい理由+持込可能カメラ指示が書かれた三脚お断り看板を見ながら山門をくぐり、
10人ほど並ぶ受付で絵葉書セットの宣伝を見つつしばし待ち、500円の拝観料を払い、境内へ。
で、入るとすぐに、紅葉。
振り向いても、紅葉。
寄って見ても、紅葉。
引いて見ても、紅葉。
人力車の兄ちゃんもいる、紅葉。
ボリュームと共に、配置も巧みな、紅葉。
色合いもちょうどいい、紅葉。
紅葉越しの、本堂。
本堂越しの、紅葉。
本堂の窓越しに眺める、紅葉。
本堂の窓越しにまた眺める、紅葉。
本堂の縁側から眺める、紅葉。
本堂の縁側からまた眺める、紅葉。
本堂から出ながら眺める、紅葉。
庭の奥へ入って、何らかの植物と紅葉。
庭の奥にある、何らかのオブジェ。
何らかの灯籠越しに、紅葉。
何らかの地面の隆起と、紅葉。
紅葉越しの、竹林。
超逆光なので写真が上手く撮れない妙齢女性二人組が、
「霊の仕業」 とか言って盛り上がってたけど、私も全然撮れなかった、楠木正行の墓。
さらに歩けば、さらに紅葉。
そして、さらに歩けばもう、出口。以上であります。
客層は、7~8割が観光客という感じ。
残りの地元系も、地元というよりは関西全般の近隣系です。
年齢的には烏合の感が強いですが、中高年6割に若者が混ざる感じでしょうか。
若者は、それなりにいますが、数は少なめ。門前にウロウロと溜ってるほどはいません。
カップルも、それなりにいますが、特に恋愛ハイや観光ハイではしゃぐことはなし。
中高年はベタなツアー客が多めですが、こちらもやはり騒ぐようなことはなし。
それくらい、紅葉が素晴らしいというか。デザインが良く密度があるため、見応えがあります。
ツアー客以外の中高年は、人力車の兄ちゃんに案内された妙齢女性や、
奇声を発するおっさん含む家族連れなど、基本的はオーソドックスな観光客層。
単独は、男はカメおやじばかり。女は、おひとりさま予備軍が微量というところです。
混雑はなかなかのもので、特に入り口すぐの通路はレミング状態。
ただ、やはり紅葉の良さで気がなごむのか、さほど荒んだ雰囲気は感じませんでした。
そんな宝筐院の、紅葉。
好きな人と観たら、より紅葉なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、紅葉です。
【客層】 (客層表記について) カップル:2 女性グループ:1 男性グループ:微 混成グループ:微 子供:0 中高年夫婦:2 中高年女性グループ:1 中高年団体 or グループ:3 単身女性:微 単身男性:1 |
【ひとりに向いてる度】 【条件】 |
宝筐院
京都市右京区嵯峨釈迦堂門前南中院町9-1
9:00~16:00 (11月は9:00~16:30)
京都市バス 嵯峨釈迦堂前下車 徒歩約3分
嵐電 嵐山駅下車 徒歩約13分
JR嵯峨野線 嵯峨嵐山駅下車 徒歩約15分
京都嵯峨野・宝筐院 – 公式
宝筐院 – Wikipedia