勧修寺へ紅葉を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

2013年11月26日(火)


勧修寺へ紅葉を観に行ってきました。もちろん、ひとりで。

昭和の匂いを感じる寺社、というのがあったりします。
無論、単純に設備が昭和期に整備された寺社なら、昭和を感じるのは当然ですが、
それ以外でも、サイズ感 or スケール感みたいな点で、昭和を感じることがあったりします。
要は、全体的に何か、大きい。妙な寂寞感を感じさせるような感じで、ダダっ広く、大きい。
より正確に言うなら、空間が埋まってない感じというか。あと、コンクリが効いてる感じというか。
昭和期のシネスコサイズの邦画でよく見かけそうな感じ、みたいな。こんな感じ、わかるでしょうか。
土地が比較的豊富で、かつ観光開発が比較的遅かった京都郊外&周辺部の寺社には、
こんな昭和的なるとこが点在してますが、山科の勧修寺にも私は似た印象を受けたりします。
勧修寺。 「かんじゅうじ」 でも 「きんじゅうじ」 でもなく、また、果汁寺でも加重寺でもない、勧修寺。
醍醐天皇母・藤原胤子の菩提を弔うべく、胤子の祖父・宮道弥益の邸を寺化した寺です。
その境内は、のちに秀吉伏見街道敷設で縮小されたものの、現在もなお広大な印象を与え、
何より借景とする周囲の山々と、境内に咲く四季の花が、雄大な印象を鮮やかにブースト。
また、京都でも屈指の古池であると言われる 「氷室の池」 を中心に造園された池泉舟遊式庭園は、
旧御所からの移築された伽藍の数々と共に、平安貴族の雅趣を現代へ伝えてくれてます。
と、昭和どころか平安時代にまで遡る立派過ぎな由緒を持つ門跡寺院なんですが、
伽藍以外の周辺整備が昭和期に行われたのか何なのか、全体のテイストはどこか、昭和チック。
特に山門までの景観は痺れるくらい昭和的であり、境内の庭園自体も何となく昭和的。
拝観チケット代わりの絵はがきまで昭和的で、更新の遅れた施設の趣がないでもないですが、
しかし勧修寺、ただ手をこまねいているわけでもないようで、近年、紅葉を整備。
年々と良い色を出すようになり、紅葉面でもじわじわと名所化してると言われてます。
そんな勧修寺の紅葉、ほぼ独り占めするような感じで見てきました。


勧修寺があるのは、京都市山科区の勧修寺です。
いや、勧修寺があるのが勧修寺ではなく勧修寺は勧修寺があるから勧修寺というべきでしょうか。
道路へ面した看板に、わざわざ 「(寺院)」 と記されてるのは、その辺の事情を反映してるんでしょう。
地区名ではなく寺名だと。 「寺とはそもそも何か」 という禅問答へ誘うためではありません、多分。


敷地内へ入ると出迎えてくれた、異常に立派かつコンクリ感を誇る、門跡塀。
大らかというか、贅沢というか、無駄にダダっ広いというか。郊外的です。そして何か、昭和的です。
周囲にビルなどの建物が全然ないのも、そんな風味を寂寞感混じりでブーストしてくれること、しきり。
あ、ちなみにここの最寄駅は、地下鉄小野駅。郊外感溢れる街並みを6分ほど歩いたら、着きます。


やはり昭和感色濃い駐車スペースがあり、その奥に受付で拝観領400円を払い、
やはり昭和チックなチケット兼絵はがき兼パンフをもらってから山門へ来ると、いきなり、紅葉。


明正天皇の旧殿が下賜されたものという宸殿の前に、紅葉。


勧修小学校の校舎にもなったという宸殿と、紅葉。


宸殿の前で振り返ると、雄大なる借景と共に、紅葉。


皇室ゆかりであることを示す宸殿の菊紋と、紅葉。


宸殿の前にも何らかの石と、紅葉も堪能するの図。


何らかの石 aka さざれ石を触り、八千代の感触を堪能するの図。


そして、宸殿周囲の紅葉。


少し引いて、宸殿周囲の紅葉。


その先にある、樹齢750年というハイビャクシン。


その中で埋もれるように立つ、水戸光圀寄進の勧修寺型灯籠。


さらに先へ進めば、さらに紅葉。


さらに紅葉。


本堂前と、紅葉。


本堂ガラスに反射する、紅葉。


ダダっ広い芝生の先に立つ、観音堂。


紅葉を背にして立つ、多分空海。


やはり紅葉を背にして立つ、多分仏像。


その先に立つ、何らかの祠。


その先に立つ、何らかの紅葉。


紅葉の中でくつろぐ、何らかの鳥。


やはり紅葉の中でくつろぐ、何らかの鳥。


オウンリスクの氷室池と、紅葉。


氷室池と、紅葉アゲイン。


で、山桃の老木を愛でながら、帰りましたとさ。以上であります。

客は、カップルと女性グループが1組ずつと、
中年グループが数組と母子グループ2組、カメ親父&おばさんが1人ずつ。
あと、単独男が2~3人いた程度です。非常に少なく、客層をどうこういう数ではありません。
穴場といえば穴場になるのかも知れませんが、何度も言うようにある種の昭和感は濃厚なので、
その辺も込みで楽しむと、より味わい深いスポットとなるのではないでしょうか。

そんな勧修寺の、紅葉。
好きな人と観たら、より紅葉なんでしょう。
でも、ひとりで観ても、紅葉です。


【ポイント】
★★★★
人も少なく、落ち着いて紅葉を楽しめる。
ただ、バキバキの観光的な紅葉を期待すると、
肩透かしを食らうかも。

【条件】
平日火曜+紅葉9割 12:20~13:30
 

勧修寺
京都市山科区勧修寺仁王堂町27-6
9:00~16:00

市営地下鉄東西線 小野駅下車 徒歩約6分

勧修寺 – Wikipedia

勧修寺 – 京都観光Navi