亀岡夢コスモス園へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2018年10月24日(水)


亀岡夢コスモス園へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

巖谷國士は、宇野亜喜良美しい挿画に彩られた本の中で、コスモスに触れてます。
曰く、旅先のメキシコにてコスモスに出会ったと。そして、コスモス本来の姿を見た気がしたと。
「乙女の真心」 なる花言葉を持ち、可憐な姿からヨーロッパの花と思われることも多い、コスモス。
しかし、原産地はメキシコであり、その原産地で見たコスモスは、乾いた荒地に伸び広がっていたと。
南米の青空の下で咲く姿は、竜舌蘭やサボテンにさえ負けない野生を潜ませてるようであったと。
日本では、想像もつかない世界であります。が、全く想像不能かといえば、そうでもなかったりします。
よく考えると、何もない所に観光スポットを急拵えする際、コスモスを活用する地域は多いものです。
休耕地や遊休地でも、平気で咲く、コスモス。日本でも、タフな可憐さを結構、発揮してるわけですね。
野蛮なタフさと表裏一体の、可憐さ。魅力的です。何なら、可憐さの本質に見えなくもありません。
強奪したシトロエン2CVを駆って、コスモスが咲く欧州の野道を爆走した、あの9月の花嫁のように。
そんなコスモスの可憐さと野蛮さを感じられる場所が、京都府にもあります。亀岡です。
明智かめまるではなく明智光秀によって築城された、亀山城。その城下町として形成された、亀岡
しかし、市制導入と同時に行われた合併で、市域は爆発的に拡大し、現状はその大半が、農地。
京野菜の多くを出荷するほどそれら農地の生産力はパワフルですが、でも余る土地は余るのであり、
そんな土地を利用したスポットとして、亀岡夢コスモス園が20年程前から開かれるようになりました。
秋だけ開かれるこの夢コスモス園では、約4.2haの敷地に、様々な種類のコスモス約800万本が開花。
また、丹波の味覚が集まる 「丹波味わい市」 や、農地らしい創作かかしコンテストも、同時開催。
特に創作かかしコンテストでは、某夜更かしでグランプリに選出された某デラックスな方のかかしが、
可憐なコスモスの海の中で特異な存在感を放つという、野蛮といえば野蛮な奇観も現出してます。
そんな可憐で野蛮な夢コスモス園、深まる秋風に誘われるように、何となく出かけて見ました。
ひょっとしたら、私も野蛮に爆走する 「乙女の真心」 に、出会えたりするのでしょうか。


夢コスモス園は、亀岡駅から3キロ西。なので、バスに乗ります。お得な 『まるっとチケット』 で。
駅と園の間のバス乗り放題と、入園料、そして近くの穴太寺も入れて、1000円。使うしかありません。
で、そのチケットで園方面へ行く14時過ぎのバスに乗車。車内は、ほぼ満員。人気ですね、コスモス。
とか思ってたら、最寄の運動公園前で降りたのは5人程で、あとは全員が乗ったまま。どういうんだ。


で、夢コスモス園。10月下旬にも関わらず、コスモス、よく咲いてます。と、感動なく感嘆します。
感動がないのは、敷地が休耕地丸出しだからではありません。バス内から、散々見えてたからです。
正に、丸見え状態。金払って入る意味あるのかと思いますが、金は既に払ってます。ので、入ります。
仮設な入口へ行き、チケットをもぎってもらい、入園。可憐で野蛮な乙女には、出会えるでしょうか。


などと期待しながら、可憐で野蛮なコスモスを拝む。


拝む。


拝む。


拝む。


拝む。


拝む。


拝む。


そして、拝んでる内に出会えてしまった、野蛮で爆走する乙女


その近くで出会えてしまった、妙に平べったい顔で滑走する少女


その近くで出会えてしまった、某グランプリに輝く女装する淑女


自然と不自然の間に生じるに、危険な香りを感じたり。


自然を自然に見せない眼の玉に、危険な香りを感じたり。


その近くで出会えてしまった、黄色い版権デンジャラス・ゾーン。


さらに出会えた、熱風が吹くのを感じるモア・デンジャラス・ゾーン。


さらにさらに出会えた、背筋も凍るモスト・デンジャラス・ゾーン。


などと震え上がったりしながら、またコスモスを拝む。


拝む。


拝む。


で、拝むだけ拝んだら、退園。そういえば 「丹波味わい市」 、なかったな。平日は、休みかな。
とか思いながら、御覧の東側改札へ向かうと、そのすぐ外側に露店ゾーン、ありました。 「市」 です。
「市」 、露店はコの字型に並び、内側に座席がある感じ。客は、もちろん園の客で、家族連れが大半。
丹波だけあって、松茸ごはんや栗ごはんを売ってる店もあり。私も、買って食べて行こうと思います。


松茸ごはんを売ってる店は複数あって、一軒はやたらと派手な看板を出して、呼び込みが盛ん。
なのでスルーし、もう一軒の店で松茸ごはんを購入。そして 「Links」 という店では、栗ごはんも購入。
松茸ごはんは、まあ普通の出来。栗ごはんは、栗は甘い仕上がりですが飯は塩味が立ち、いい感じ。
ちょっと丹波を感じられて、満足しました。でも、両方食っても腹はまだ空きがありました。どうしよう。


どうしようというのは、派手な看板で呼び込みが盛んな松茸ごはんを、どうしようかということです。
食うか、食われるか。で、食うことにしました、駒商会なる店の松茸ごはん。で、これがやたら美味い。
松茸感も良いですが、何より米そのものと炊き方が、美味い。バラつき&柔らかさが絶妙で、美味い。
おばちゃんのハンドパワー系の美味さ、とでもいうか。思い込みだけでスルーしたこと、謝罪します。


で、食うだけ食ったら園を辞し、 『まるっとチケット』 のおまけ・穴太寺へ向かうべく、畦道を南進。
正直、もはや面倒だし、何より時間がもう16時過ぎですが、金は既に払ってます。ので、向かいます。
園の周辺は、何故か運動公園が殺伐な雰囲気を出してるんですが、穴太寺に近付くと一気に、農村。
丹波の空や、そこを飛ぶトンビを見ながら歩いてると、環壕集落っぽい雰囲気の集落に入りました。


で、その集落の真ん中にあるのが、穴太寺。到着しました。夕陽を受ける仁王門が、立派です。
文武天皇の勅願で開創されたとされ、 『今昔物語集』 に 「身代わり観音」 伝説も記された、穴太寺。
しかしそれより何より、撫でると御利益があるという寝転がり仏像 「なで仏」 で知られる寺であります。
門を潜って境内へ入ると、人馴れした女性がチケットをもぎってくれました。で、まず庭を観てくれと。


なので、京都府名勝指定を受けた名庭を、小さいマンションと走るダンプを借景として、まず拝見。
それから、 「なで仏」 を拝みます。 「なで仏」 、功徳があったという人が寄せた布団を被り、爆睡中。
顔とか頭とかを有難く撫でさせて頂いてると、先の女性が慌ただしく走り回り始めました。仕舞時かな。
とか思ってると、 「まだ入れますかあ」 と叫ぶガイドと共に、おばさん団体が雪崩れ込んできました。


野蛮に爆走する過激な淑女達の間をスルーして寺を出たら、17時。ぼちぼち亀岡駅へ戻ります。
環壕集落っぽい集落では、栗の木も普通に生えてて、イガも普通に破裂中。丹波を感じる光景です。
で、バス停がある運動公園に着くと、あまり丹波を感じない殺伐な光景を見ながら、しばしバスを待車。
でもこれはこれで、コスモスには相応しい荒地かも。とか思ってる内にバスが来て、帰りましたとさ。

亀岡夢コスモス園、この日の客層は、30前後をメインとする近隣系の烏合という感じ。
若者が特別多いという感じでもないですが、といって中高年が特別多いという感じでもありません。
一番多いのは、小さい子供を連れた親子連れ。その次に多いのは、それ以外の家族連れ。
あとは、デート代を安く上げたいカップル、物好き系の女2人組、カメラおばさんズ、中年夫婦など。
観光丸出しな輩や遠来系な輩の姿は、あまりなし。単独は、概ね、カメでした。

そんな亀岡夢コスモス園。
好きな人と行ったら、より乙女の真心なんでしょう。
でも、ひとりで行っても、乙女の真心です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:2
女性グループ:1
男性グループ:0
混成グループ:0
子供:0
中高年夫婦:2
中高年女性グループ:2
中高年団体 or グループ:2
単身女性:0.5
単身男性:0.5

【ひとりに向いてる度】
★★★
かかしは割と楽しいが、それ以外はまあまあ。
コスモスはぶっちゃけ、園内に入らなくても観れる。
入園料の元は、かかしでかなりとれると思うが、
足代・時間・手間をペイするかどうかは、その人次第。
ただし、駒商会の松茸ごはんは、強く推す。

【条件】
平日水曜 14:00~16:45


 
 
亀岡夢コスモス園
京都府亀岡市吉川町穴川野水
9月下旬~10月下旬開園 9:00~16:00

京阪京都交通バス 運動公園前下車すぐ

京都丹波/亀岡の「夢コスモス園」 – 公式
 
 
 
穴太寺
京都府亀岡市曽我部町穴太東辻46

京阪京都交通バス 穴太寺前下車すぐ

穴太寺 – Wikipedia