京都レストランウインタースペシャルで、南禅寺 料庭八千代の湯豆腐御膳を味わいました。もちろん、ひとりで。

ウインタースペシャルで、料庭八千代の湯豆腐御膳を味わいました。もちろん、ひとりで。
2月の京都は、観光の閑散期ということになっています。というか、実際にそうです。
理由は、何より寒いから。底冷えの底で、大して雪も降らずにひたすら寒いだけという。
あとは節分の他にはこれといった行事がないのも、かなり大きいかも知れません。
いやもちろん、某国からの訪日客が増えてからは、こうした2月の事情も変わったんですけど。
いわゆる春節ですね。2月頭の大型連休で海を越えて来た連中は、京都にも沢山来るわけですね。
ただ、閑散期が消滅したというほどの印象も特になかったりするんですよ。特に月の後半は。
そもそも死ぬほど寒いことは変わらないわけだし。2月はやはり、観光には不向きな月なんでしょう。
そんな閑散期の対策として、2月の京都ではウインタースペシャルが行われています。
正式名称、京都レストランウインタースペシャル。その名の通り、京都の飲食系の冬の特別企画です。
誰もが知るような京料理の有名どころはもちろん、多彩なジャンルの多様な価格帯の店が参加し、
スペシャルな割引価格やスペシャルな限定メニューで何とか客を確保しようとする企画なわけです。
この企画、当サイト的に注目したい点は、ひとり客にも割と門戸を開いていることでしょうか。
とにかく席を埋めたいからなのか、普段はひとり客お断りのような店でも普通に入店出来たりするし、
普段は 「2名」 からしか表示されない予約サイトに 「1名」 の選択肢がちゃんと出現したりします。
有難いわけです。非常に有難いわけです。ひとりでうろつく当サイトとしてはこの機会、見逃せません。
恐らくコロナ前であれば、喜び勇んで出かけたでしょう。ウハウハで出かけたでしょう。
しかし私は、そして同志の皆さんは、コロナ禍を経て飲食がどれだけ大変かを知ってしまった。
「ぼったくってる分、独の俺で調整せい」 とか嘯く呑気な状態にはもう戻れません。
「店の事情など客に関係ない」 とは言えますが、そう言い放つ口元が歪むのを止められない。
なので今回、普段からひとりで予約出来る料庭八千代を敢えてウインタースペシャルで訪れ、
名物の庭と湯豆腐を味わいながら、今後のひとりの在り方を考えてみたのでした。

いや実際のところは、ウインタースペシャルのネタをやろうと考えて、ひとりで予約出来る店を探し、
寒いのでなるべく暖かい食い物をとも思ってたら、南禅寺の八千代がちょうど良い感じなので予約し、
予約した後で八千代は普段からひとりで予約出来ると知ってどうしよう、というだけの話なんですけど。
ウインタースペシャルで行く意味、ないな。でもまあ、いいか。湯豆腐御膳が普段より少し安くなるし。

ただウインタースペシャル、ひとりOKとあっても予約サイトはNGの場合があり、油断出来ません。
Tablecheckの八千代のページでは、特にややこしいこともなく、ごくごく普通に1名で予約出来ました。
用途は、 「ネタ」 「冷やかし」 「特攻」 とかいう欄がないので、やむなく 「旅行・観光」 を選んでおきます。
「南禅寺で湯豆腐と言えば普通は順正じゃないのか」 って、何で貴方はそんなことを言うんですか。

用途を 「旅行・観光」 と偽装したからには、ちゃんと旅行・観光のフリをしなくてはいけません。
当日は小雨の中、かなり西側の南禅寺総門をわざわざ潜って、南禅寺方面へ。人、少ない・・・。

旅行・観光として、瓢亭と無鄰菴の前も歩いたり。人、少ない・・・。

旅行・観光として、南禅寺前交差点を渡ったり。人、少ない・・・。

その南禅寺前交差点を少し東へ進んだ辺で渋い門構えを誇るのが、八千代。到着しました。
南禅寺 料庭八千代。聚楽第からの用命の歴史を持つといい、今は此地で料理旅館を営む老舗です。
「料庭」 の名の通り名物は、南禅寺~岡崎の景観を生み出した小川治兵衛 aka 植治が作庭した庭園。
この場所で食事出来るだけで、もう元は取れたと言えるでしょう。あ、でも前の札に何か書いてるぞ。

札曰く、食うだけの客は隣のこの建物から入るそうです。何か凄く普通・・・。

予約の件を告げ、入店しました。中は、団体専用みたいなテイストの外見に反して割と渋め。
「だだっ広い大広間の片隅のテーブルで、豆腐を食うだけ」 的な状況を覚悟してたので、意外でした。
席も、テーブル/掘り炬燵/畳を選べると言います。空いてる時期の空いてる時間に来て、良かった。
庭を見れそうなのは畳席なので畳席へ通してもらうと、此処も割と渋め。そして無論、席の隣は、庭。

こんな感じで、庭。南禅寺~岡崎一帯の景観を生み出した小川治兵衛 aka 植治の庭園です。
その名を、青龍庭園。名庭であります。が、雪もなく寒いだけの季節だと、地味さは拭えない・・・。

ただ鯉の色は妙に映えます。恐らく植治が作庭したと思われる、錦鯉。

無地系も、かなり良い感じ。 恐らく植治が作庭したと思われる、無地鯉。

そして、恐らく植治が作庭したと思われる湯豆腐鍋・・・もういいか。

割と良い席に通してくれて気分が良くなったので、調子に乗って思わず酒、頼んだんですよ。
山本本家に特注したという純米大吟醸・南禅寺八千代。豆腐が煮えるのを待ちながら、呑みます。

呑んでると、湯豆腐御膳が運ばれました。八寸や天ぷら、飯や汁物などで組まれた御膳です。
ラインナップや味の感じは、極めてオーソドックス路線。湯葉の何とかの何とかは、ちょっと美味。

御膳の麩餅まで食い切った頃、遂に豆腐が煮えました。

で、あとはひたすら鍋と出汁と口の往復運動を開始。

途中からは、鍋と出汁と酒の三角食べも開始。

そしてあっという間に、完食。御膳の料理も含めて、全てを1時間足らずで食い切りました。
湯豆腐の味は、まあまあの少し上な感じでしょうか。濃いめの出汁を薄めずに食うと、良い感じです。
食べる前には店の方も 「出汁は濃いめです」 と言っていましたが、私にはこれくらいがむしろジャスト。
呑みながら湯豆腐食うのに最適な濃さ、とでもいうか。此処で湯豆腐食うなら、酒、おすすめします。

食後、庭が映える天気にならないか少し待ってみましたが、そんな気配は全然ありません。
ので、退店します。舌代は、サ料や席料など一切ない、額面通りの額でした。ごちそうさまでした。

曇天は相変わらずですが雨は止んだので、旅行・観光のフリ、もう少しして行こうと思います。
ひとりで予約出来るよう念を送りながら順正の看板を眺めてから、南禅寺へ。観光客、いる・・・。

南禅寺の中門前に来ると、結構いる・・・。

水路閣に行くと、もっといる・・・。

山門には、敷居を椅子代わりにして尻で踏む着物客までいたりする・・・。

「閑散期は消滅した!!」 とか絶叫したいところですが、観光客の数自体はやはり少なめです。
素行は相変わらずだけど数が少ないと言うべきか、数が少ないけど素行は相変わらずと言うべきか。
こんな悪天でも着物着て愚行に走れる体力って、逆に何かもう、凄いですね。感心せざるを得ません。
もっとも私も、ほろ酔い加減で禅刹を徘徊してる時点で人様のことを言えた義理ではないですけど。
この日の八千代の客は、身内接待系グループと女性2人組、
あとは地味なカップルがいたくらいで、極めてしっとりとした感じでした。
庭は、この時期に見て特に面白いものではなく、借景にもビルが入る感じですが、
夜にライトアップされた状態で見ると、もう少し面白い感じに見えるのかも知れません。
順正へ行かずにこちらへ行く意義となると、どうなんでしょうか。
やはり、比較的空いてる点は強いと言えるかも知れません。
ひとりで飛び込む体力と根性がある時は順正、なければ八千代。みたいな。
気合いを入れてわざわざ豆腐を食う根気や根性は私にはないので、
そっち方面の検証は同志諸兄の皆様におまかせします。
そんな料庭八千代で味わった、京都レストランウインタースペシャル。
好きな人と食べると、よりスペシャルなんでしょう。
でも、ひとりで食べても、スペシャルです。

京都レストランウインタースペシャル
毎年2~3月前後に開催
京都レストランウインタースペシャル – 公式
南禅寺 料庭八千代
京都市左京区南禅寺福地町34
無休 11:00~15:00 17:00~21:00
市営地下鉄東西線 蹴上駅下車 徒歩約5分
京都市バス 法勝寺下車 徒歩約5分
南禅寺 料庭八千代 – 公式

