川床 | ひとりでうろつく京都 (β版)

京料理・梅むらへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年9月29日(木)


京料理・梅むらへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

「にらみ川床」。
それは、晩夏の京で行なわれる、密かな愉悦。
政治的無力さと、気位の高さと、吝嗇と、そしてマゾヒズムが、
「にらみ鯛」などという、食への愛と冒涜を同時に満たす放置プレイを生んだこの地に於いて、
「にらみ川床」はその放置をさらにエスカレートさせた、禁断の戯れ。
もちろんそれは、鴨川の川原から貧民よろしく床を見上げて、
「あんなもん、ぼったくりや。涼しゅうもないし、味も大したことない。見栄ばっかり張ってアホちゃうか」
などと「酸っぱい葡萄」をマニュアル通りにこなすようなものでは、ありえない。
しかるべき金銭を支払い、川床を眺めながら食事を楽しみつつ、でも一歩も足を踏み入れない。
川床を、目の前で、放置する。ただ、じっと、見るだけ。お前になんか、指1本、触れてやるか。
床は床で、そんな腐れ変態の世を拗ねた遊びを、快しとはしない。
好きでもないが、誘ってやる。引き入れてやる。吸い込んでやる。こっちへ、おいで。
9月末の床には、もはや、テーブルも何もない。全ては片付けられ、何もない。
からっぽの床には、今年ここで行なわれたであろう様々な饗宴の残り香だけが、漂っている。
その残り香から幻の酔客を生成し、床は、腐れ変態を誘う。「こっち来て、一杯どないですか」と。
誘いに乗ると、終わりだ。自分自身が、幻、残り香になって、床と一緒に片付けられてしまう。
からっぽの床と、孤独な男が、歪んだ愛と存在の駆け引きを楽しむ、「にらみ川床」。
それは、夏と秋の間に一瞬生じる魔界なのかも知れない・・・。

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貴船の川床カフェへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年6月3日(金)


貴船の川床カフェへ行ってきました。もちろん、ひとりで。

貴船の川床は、大正の頃、茶屋が川の中へ床机を置いたのが始まりだそうです。
桃山時代に始まった鴨川の川床に比べると随分のちの時代の話ですが、
現在のような形で料理を出すようになったのはさらに時代が下って、実に戦後。
貴船神社や鞍馬寺は平安遷都の頃から存在し、
参拝客は数多く存在したであろうにも関わらず、遅いスタートなのであります。
何でこんなに遅いかといえば、多分、水害が怖かったんでしょうね。
昔の鴨川もいい加減恐ろしい荒くれ川でしたが、貴船川は川幅が狭い分、鉄砲水が怖い。
水の神様・貴船神社が、現在の奥社から本社の位置まで流されたくらい、その威力は強烈。
昭和に入ってからも鳥居や料理旅館が流されてるそうですから、たまったもんじゃありません。
鴨川のように川沿いに床が立つのならまだしも、川の上以外に立てる場所がない貴船では、
治水がある程度何とかならない限り、夏の風物詩もひったくれもなかったんでしょう。
と、勝手に考えてるんですが、実際は単に川床を思いつかなかっただけなら、すんません。
川の中の床机で、水に足をつけてお茶など飲むだけだったという、黎明期の貴船の川床。
その頃を彷彿させるかどうかは一切不明ですが、料理屋街を歩いてると目についたのが、川床カフェ。
昼と夜のハーフタイムの川床を、簡単にお茶を出して稼動させる試みです。
安い値段で川床に入れるのが嬉しいので、ひろ文の帰り、思わず2軒、寄ってみました。
そして、ついでというと神罰が下りそうですが、貴船神社と奥社の参拝も。

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貴船・ひろ文で、川床を楽しんできました。もちろん、ひとりで。

2011年6月3日(金)

そうめんフロアから見た貴船川
貴船・ひろ文で、川床料理を楽しんできました。もちろん、ひとりで。

川床って、もともとは涼を取るためのもんだったんですよ。
だって、京都の夏は暑いから。暑さから逃れるために、川に床を敷いたんですよ、昔の人は。
あ、御存知ですか。で、今もそうだろって。そんなわけないでしょ。今はクーラーがあるんだから。
風というより熱気がまとわり付いてくる夏の京都の川べり vs クーラーが効いた部屋。
どっちが涼しいと思いますか。幻想や痩せ我慢を取り去れば、答えは明らかです。
というわけで、現代の川床は実際的な納涼から開放され、風情こそを楽しむものとなりました。
おかげで、営業形態は年々多様化。期間も夏に限定されず、果てしなく長期化。
明らかに寒いと思える5月も営業し、むしろその寒さを利用して真夏では不可能な昼床が増殖中。
何でもありであります。
が、何でもありだからこそ、貧乏で孤独な我々が川床を楽しむチャンスも生まれるわけであります。
今回訪れたひろ文は、市内中心部より気温が数度低い、京都の奥座敷・貴船の料理旅館。
1200円で川床気分が味わえる流しそうめんで有名な店ですが、
6月いっぱいまでは3500円の清涼膳なる平日限定昼メニューを設定。で、それを食いにいった、と。
あ、為念で言っときますが、貴船の川床は「かわゆか」ではなく「かわどこ」です。
「かわゆか」は鴨川みたいな川沿いの床、貴船は川を覆う床ゆえ「かわどこ」だそうです。

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