第42回鴨川納涼へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

2011年8月7日(日)


第42回鴨川納涼へ行ってきました。もちろん、ひとりで。

鴨川。それはいくつかの「不思議」を持った川。
まずは言わずと知れた、カップルが何故か等距離で川辺に座るという「不思議」。
それに、「加茂川」 or 「鴨川」と、ニアイコールな表記が入り混じるという「不思議」。
そして、そんな鴨川に関する数多の言説が、七条以南については急激に減少するという「不思議」。
加茂川と高野川の合流点である出町柳の「鴨川デルタ」が最近人気を呼んでるようですが、
それなら、かつてあの高瀬川が鴨川と平面交差していた「十条クロッシング」なんかにも、
もっとスポットが当たってもいいんじゃないかと思うんですが、あなた、どう思いますか。
それはともかく、いろんな意味で京都のシンボルであるそんな鴨川において、
夏の真っ盛りに行なわれる市民主体の夏祭りが、鴨川納涼。
例年、県人会の方によるB級グルメグランプリの如き出店と、昭和臭あふれる出し物が、
川岸に色を添えてましたが、去年からはそこに「京の七夕」なる電飾客引きイベントも、乱入。
カップルたちが蛾のように吸い寄せられるきらびやかなイルミネーションと、
各屋台の鉄板から放たれる油煙、そしてハワイアンや南京玉すだれのサウンドなどが入り混じる、
極めて特殊な空間が現出されるようになりました。
そんな鴨川納涼、今までは「君子危うきに近寄らず」で左岸から眺めるのみでしたが、
このサイトのモットーはあくまで単独正面突破、今年は意を決して右岸へ飛び込んでみました。


鴨川納涼は、鴨川の右岸 = 西岸で、夕方から始まります。
写真は、18時過ぎの四条側入り口。この日は下鴨神社の矢取神事も行なわれるので、
夕方こっちを見て、下鴨行って、また鴨川へ帰ってこようなんて考えてました。
下見のような気分で、まだまだ明るい川沿いをうろつきます。


夏の鴨川のシンボルである川床、その目前に現われた大量のBグル屋台の列。
北は北海道から南は沖縄まで、物産品販売と実演販売で大賑わいです。
「はんなり」などしてる場合ではなく、食い気全開でめぼしい出物を物色します。


で、まずは秋田県人会の焼ききりたんぽ、200円なり。秋田、最高!!
あ、うしろの竹と短冊、京の七夕の飾りです。まだ電気点いてないけど。


続いて今やどこでも食えるけど、山形の玉こんにゃく150円なり。山形、最高!!


さらに岩手の店が出してた、ずんだ餅とごま餅、100円×2=200円なり。
どう岩手なのかはわかりませんが、とにかく岩手、最高!!


ダメ押しに宇治茶の店の抹茶アイス、300円なり。宇治、最高!!
あ、目の前の川では友禅流しをやるそうです。私は食い物にしか興味ありませんが。


あ~これは本当に食いたかった、島根のアジの開き。
しかし、人ごみMAX状態で開きの立ち食いする自信がないので、日和りました。甘い、甘いよ。
夜、人が少なくなった頃に再訪すると、あいにく売り切れ&店じまい。無念。


と、いろんなもんを食いまくってると、はや19時。矢取神事の時間が近づいてます。
ご覧の三条側出入り口から鴨川を出て、京阪で出町柳まで行き、早足に下鴨神社へ向かいました。


が、矢取神事、ギリアウトでした。本当に、ギリでアウト。
楼門の前まで来たあたりで、見物を終えた人たちがいっぱい境内から出てきましたよ。
御手洗池に浮かぶ大量の人形だけを見て、また京阪乗って、三条まで戻ります。


かなり無駄に歩いた分、腹の空きを作って帰ってきた、鴨川・川端三条。
さらに左岸を無駄に歩き、対岸からの眺めを楽しみながら、夜の部の食いまくりに備えます。
写真は、左岸から見た先斗町歌舞練場。1500円で舞妓はんと話ができて写真も撮れるという、
メイドカフェの舞妓版のごとき「舞妓茶屋」を、「京の七夕」の一環として開催中。


左岸も、ちょっとだけですが木々がライトアップされ、鴨川の美しさ、一気にアップしてます。
ここからだと、色気と食い気で満ち溢れる右岸さえ、何故かキレイに見えるから、不思議です。
というか、絶対こっち歩いた方がビジュアルも雰囲気もいいと思うんですけどね。
実際に歩いてるのは、地元勢がちょっとと、ジョギングする人のみ。


対岸から望遠で眺めた、特設ステージ。
歌謡ショー・ふるさと芸能・民謡・ベリーダンス・ハワイアン&フラダンスなど、
鴨川納涼が始まった42年前の空気をそのまま持ってきたようなショーが繰り広げられてます。
「例年通り」の死守がレゾンデートル化してる京都らしい光景、かどうかは知りません。


とか言ってるうちに四条まで来たので、橋を渡り、改めて右岸の大混雑の中へ突入します。
かなりの人出に加えて、場所が狭い+出入り口が南北2ヶ所しかない状況。
「四条通 or 河原町通の歩道で、抜け道一切なしで縁日をやる」みたいな感じです。地獄です。


一応川辺ですから涼しい風は吹いてますが、人間の密集熱が涼気など吹き飛ばす、右岸。
しかし、「京の七夕」の電飾竹はそんな状況を忘れさせるくらい、美しい・・・。


全てを太陽光発電などグリーンエネルギーでまかなってるという、「京の七夕」の電飾。
実に微々たる光ですが、その微々さ加減がかえって儚さみたいなものを感じさせてくれます。


さらに電飾竹の儚い美しさと、川床の脚を感じながら、食いまくり、再開。
まずは福井県・越前大野の「とんちゃんうどん」300円なり。ホルモンうどんの一種という感じ。
美味いに決まってます。下呂の「けいちゃん」とは関係あるんでしょうか。福井、最高!!


みそそぎ川の清流をバックに、長野のさくら咲いだー、200円なり。
あまりの美味さ手が振るえ、手ブレが起こってます。長野、最高!!


サイダーでうどんが膨張したのか、ちょっと腹がしんどいので、休憩にフラダンス鑑賞。
提灯の下でフラダンスを踊るのが、日本の心、京都の心でございます。ハワイ、最高!!


そして〆は、沖縄そば。400円なり。
もちろん、出汁も最後の一滴まで飲み干します。沖縄、最高!!

客層は、烏合。全体の雰囲気はもちろん若めですが、中高年も結構います。
ただし、観光客や外来系は案外、少なめ。そういう人は、橋の上から見てるだけだったり。
カップルは多いですが、全国各地の食いもんが放つ匂いが、色気を相殺。
学生グループも、夏休みで田舎にでも帰ってるのか、それほど見かけません。
親子連れは多いですが、再生産系プレッシャー爆裂というわけでもなく、
独男にとっては、割といいバランスの烏合という感じでしょうか。
マナーは、いい方でしょう。ぶつかってもおっとりと双方が謝りあってる光景が、散見されます。
ネイティブ多めですが、並ぶ屋台が全国網羅状態ゆえ、アウェー感は希薄かも。
あ、ただ、一応言っときますが、
一人で突っ立って餅や肉やうどんを食ってる独男は、ほとんどいません。念のため。

そんな、鴨川納涼。
好きな人と行けば、より鴨川なんでしょう。
でも、ひとりで行っても、鴨川です。

【客層】 (客層表記について)
カップル:3
女性グループ:1
男性グループ:1
混成グループ:1
子供:1(普通の子供)
中高年夫婦:1
中高年女性グループ:若干
中高年団体 or グループ:2(普通の家族連れ)
単身女性:若干
 (おひとりさま、あるいは孤独な学生風)
単身男性:若干(カメ+変人)

【ひとりに向いてる度】
★★
アウェーといえばとことんアウェーだが、
人の密度が凄過ぎて、
逆に何も気にならないとも言える。

【条件】
日曜 18:15~19:00 20:15~21:10


鴨川納涼
鴨川・三条大橋~四条大橋西岸河川敷にて
毎年8月上旬の土日に開催

京阪電車 三条 or 祇園四条駅下車 徒歩約2分
阪急電車 河原町駅下車 徒歩約2分

公式 – 鴨川を美しくする会

京の七夕公式 – 京の七夕

wikipedia – 鴨川 (淀川水系)